ドイツ語で囁く愛の言葉

 

 05:Ich liebe dich immer und ewig.-永遠に君を愛するよ。- 

(マギ:『CRYSTAL GATE』より:シンドバッド) ※R-15

 

 

―――――白羊宮・私室

 

 

「もう、シンのバカ!!!」

 

二人の私室に戻ってエリスティアをベッドに下ろした途端、エリスティアがシンドバッドめがけてまくらを投げつけてきた

シンドバッドは、難なくそれを避けると有無を言わさずエリスティアを押し倒した

 

「何を怒っているんだ? エリス」

 

そうとぼけた様に問いかける

すると、エリスティアはむぅぅ~と頬を膨らませ

 

「……ジャーファルに言った言葉よ」

 

言われて、ふと先ほどのジャーファルとのやり取りを思い出す

 

『というか、さっさと世継ぎ作ってくだされば、楽なんですけどね』

 

そんな事を言っていた

 

「なにが、“楽しみにしててくれ”よ!!」

 

なるほど…どうやら、その返し言葉にエリスティアはお冠の様だった

だが、シンドバッドはさも当然の様に

 

「俺は、エリスとの子なら大歓迎だぞ? エリスは嫌なのか?」

 

などと言い出したものだから、エリスティアがますます顔を真っ赤にする

それから、少し間があって ぽつりと……

 

「だから…いじわる………」

 

そう呟いた

すると、シンドバッドはくすっと笑みを浮かべ

 

さらりと、エリスティアの柔らかなストロベリー・ブロンドの髪を撫でた

そして、ひと房その手にからめると口づけを落とす

 

「俺は、欲しいよ……エリス。 お前と俺の子」

 

「………ずるいわ」

 

エリスティアにはそう答えるしか出来なかった

それが出来たらどんなに楽か……

 

でも、現実は―――――

 

エリスティアは、“ルシ”で、この“シンドバッド王と契約している”だけに過ぎない

“ルシ“である限り、全てを彼には捧げられない――――……

 

それなのに――――………

 

不意に、シンドバッドがこつんっと額を当ててきた

 

「どうした? 俺では不満か?」

 

「そ…、そんなことっ! ない、けど……」

 

「けど?」

 

「………シン、私は私の全てを貴方にはあげられない、なのに―――私で、いいの……?」

 

ずっと、心に引っかかっていた

あの日――――シンドバッドからプロポーズを受けた日

 

『私には、先の“時”をあげる事は出来ないけれど、それ以外は全て貴方に捧げるわ――――』

 

エリスティアはそう答えた

それが、精一杯の言葉だった

 

シンドバッドは納得してくれていなかったかもしれない

でも、彼は変わらず優しかった 傍にいてくれた

でも、本当にそれでいいの……?

 

私が傍に居ることにより、“本当にシンドリア王国の王妃”になる人は現れないのではないか―――

自分の存在が妨げになっているのはないか―――

 

そんな気がしてならなかった

 

私の存在が、シンドリアの未来を潰している――――……

 

だから、ずっと聞きたかった

でも、答えが怖くて聞けなかった

 

その時だった、ふわりと頭を撫でられた

一瞬、「え…?」と思い顔を上げると、シンドバッドの優しそうな瞳がこちらを見ていた

 

「………シン?」

 

そう名を呼ぶと、シンドバッドがくすりと笑みを浮かべ

 

「馬鹿だな、俺はエリスに初めて会ったあの日からずっと、エリスだけが欲しいんだ――――他のものはいらない。 エリス――――お前だけが欲しい」

 

そのまま、口づけが降ってきた

 

「あ………シ、ン…………」

 

微かに洩れる吐息も、名を紡ぐ声も、心も、髪の一片から足のつま先まで 全部

全部、欲しかった

エリスティアの全てが、欲しい

ただ、それだけだった

 

「んん……あっ…ん………ぁ…」

 

どんどん深くなる口づけに、エリスティアが甘い声を洩らす

 

ああ、彼女が欲しい――――

彼女だけが――――

 

この手から、零れ落ちるこの美しいストロベリー・ブロンドの髪も

彼女の唇から紡がれる声も

この腕の中にいる、身体も――――

そして、その純粋で無垢な“心”も全てが欲しかった――――……

 

「シ、ン……っ」

 

たまらず、エリスティアがシンドバッドの衣を握りしめた

 

愛しい……

愛しくてたまらない………

 

シンドバッドが優しく、彼女の美しいストロベリー・ブロンドの髪を撫でる

 

「エリス―――――……」

 

愛おしい彼女の名を呼ぶ

そのまま、彼女の肩にかかっているドレスの結び目をゆっくりとほどく

 

「あ……」

 

シンドバッドのまさかの行動に、一瞬エリスティアが顔を赤らめる

しゅるっという音ともに、彼女のふくよかな胸があらわになった

 

「や、やだ………」

 

たまらず、エリスティアがその手で自分の胸元を隠そうとするが

それよりも早く、シンドバッドの指が彼女のやわらかい胸に触れた

 

「あ…ん………っ」

 

ぴくんっとエリスティアが肩を震わす

だが、シンドバッドはお構いなしに彼女の胸に自身の顔を近づけた

舌でそっとその乳首を転がすように甘噛みする

 

「あぁ………んっ」

 

彼女がびくんっと身体を逸らせた

だが、シンドバッドはやめなかった

 

「エリス……綺麗だ―――………」

 

舌で乳首を転がしながら、空いている手で彼女の胸に触れる

やさしく揉まれ、エリスティアが「あ…」と声を洩らす

 

シンドバッドには、彼女のその甘い声が酷く快感でしかたなかった

きっと、もう、止められない―――――……

 

エリスが欲しい

欲しくて欲しくて、たまらない

 

その欲望だけが、頭を支配する

そのままつぅ―と、指先を滑らすように、ドレスを脱がせていく

 

露になった白い四肢がシンドバッドの目の前に姿を現す

傷一つない、美しい身体だった

 

「やぁ……み、ない、で……」

 

恥ずかしさのあまり、エリスティアが顔を逸らそうとした

だが、それをシンドバッドが許すはずもなかった

 

エリスティアの唇をそのまま奪うと、強引に舌を絡めた

 

「ん、あ……あん、っ……は、あ……」

 

舌と舌が絡み合って、白い糸が伸びる

 

「エリス―――愛してる………」

 

口つけの合間にそう囁く

 

「ん、ぁ……シ、ン………んん……」

 

止まらない口づけにエリスティアの吐息が零れる

彼女が名を呼んでくれるだけで、シンドバッドの中をどんどん支配していく

 

愛しい 愛しい エリス――――……

 

俺だけの、エリス―――……

 

誰にも渡さない

誰にも触れさせない

 

俺だけが、触れていい

俺だけのエリス

 

 

俺、だけの―――――――………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

****    ****

 

 

「……ん…」

 

視界に光が差し込み、エリスティアがゆっくりとその思い瞼を開けた

 

朝………?

 

そう思い、ゆっくりと起き上がろうとした瞬間、ふいに横で寝ていたシンドバッドの腕が伸びてきたかと思うと、そのまま腕の中に捕まってしまった

 

「シ、シン…っ」

 

流石に、一糸まとわぬ姿の為、恥ずかしさがこみあげてくる

 

「あ、の……離し―――――ん」

 

「離して」という前に、その唇を塞がれた

 

「んん、……ぁ……っ」

 

なんとか、瞳を開けると――――

シンドバッドの美しい琥珀の瞳と目が合った

 

「あ………」

 

「おはよう、エリス…早いな」

 

「あ、あの……放してくれないと支度が…」

 

出来ないと言おうとしたが、それと裏腹にぎゅっとその腕に閉じ込められる

その様子がいつもと違っていて…エリスティアは首を傾げた

 

「シン……?」

 

そう名を呼びと、シンドバットが甘える様に

 

「もう少し、このままでいたいんだがな」

 

と、言い出した

 

「え…でも、朝議が………」

 

そう言って、扉の方を見る

すろと、シンドバッドはふっと笑みを浮かべ

 

「安心しろ。 今日の朝議は八人将だけでいいそうだ」

 

「え…? それは、どういう……」

 

事なのだろうか……

 

エリスティアが首を傾げると、シンドバッドは自身の腕に彼女を載せると

 

「だから、今日はもう少しゆっくりしよう――――エリス」

 

まるで、何かの余韻に浸るかの様にそう呟いたのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実のところ、早朝ジャーファルが一通のメモを扉に挟んでいたのだ

“本日の、朝議は欠席で構いませんので、エリスの身体をいたわってあげてください”

と、いう文と共に―――――……

 

だが、その事実をエリスティアは知る由もなかった―――――………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてさて、こちらは捌ノ題の67:その腕で抱きしめて / 告白の続きでーす

リクの通りにまとまってるか不安ですが…( ;・∀・)

 

※こちらはRー15とさせて頂きます ご了承ください

(※こちらは、リクでした)

 

2020/04/11