華ノ嘔戀 ~神漣奇譚~

 

 序ノ章 ”審神者” 10

 

 

夕刻

 

石上神宮のずっと奥

神聖なる大国見山の奥にある源流の傍

沙紀はその布留川の上流に位置する“布留の滝“と呼ばれる場所にきていた

春日断層崖に沿う滝の中では最大の規模の滝壺であり、滝からさらに登った場所には古来からの名刹、竜福寺が存在する

 

古くから霊場として知られている場所ではあり、かつて石上神宮の元宮であったという伝説の残る場所である

この地はかつて天叢雲剣を持っていた八岐大蛇が剣となって降臨したとの伝承が伝わっており、また、白龍伝説の残る地でもあった

 

沙紀は、“儀式”の前は必ずこの“布留の滝“で禊を行う様にしていた

代々の“神凪”も、“儀式”の前はこの霊場で禊を行っていた

 

冷たい滝に当てられ、身も心もひとつにする大事な”儀式”だ

自分以外誰もいないこの空間で、沙紀は静かに息を吐いた

 

禊用の衣を纏い、滝壺から少し離れた水場で身を清める

ぱしゃんと、雪の降る中 音だけが響いた

 

夏場であれば、観光客も訪れる場所だが、流石にこの時間この時期にここに訪れるものは誰一人いなかった

最も、今は完全に封鎖されている為、誰も訪れようがないのだが…

 

吐く息が白くなり、水が沙紀の身体を凍らせる

それでも、沙紀はそれが“冷たい”とは感じなかった

 

こうして、身を清める事により一層霊力(ちから)が研ぎ澄まされる

今回の“儀式”は成功の可能性は限りなく低い

それでも――――……

 

あの時の、鶴丸の悲しそうな顔が脳裏を過ぎる

―――失敗は出来ない

 

鶴丸に二度とあんな顔させたくない――――

沙紀は、ぎゅっと拳を握りしめた

 

それに――――……

 

もし“失敗”すれば、“燭台切光忠”は永遠に失われてしまう―――――……

そんなの、哀し過ぎる

 

沙紀はそのまま ばしゃんと滝の中に顔を埋めた

水の中で沙紀の漆黒の髪がゆらゆらと揺れ動く

 

微かに流れた涙が、水の中に消えていく

 

失敗は―――――出来ないのよ……

 

なにの、今の自分には出来る気がしない

しないのだ

 

このまま“儀式”に赴けば間違いなく失敗してしまう

それだけは、絶対に避けたかった

 

自信が持てないのだ

”成功“する、保証もないのに、自信など持てる筈がない

 

で、も――――……

 

その時だった

突然、ばしゃんっと音が聴こえたかと思うと、ぐいっと腕を引っ張り上げられた

 

「………何やってるんだ! 沙紀!!」

 

不意に聴こえた声に、沙紀がはっとする

涙とも、水滴とも取れる濡れた沙紀の目の前に、居る筈のない人がいた

 

鶴丸だ

 

「り、ん…さん……?」

 

ここは、今は立ち入り禁止区域だ

なのに、何故鶴丸がここにいるのだろうか……?

 

そんな事をぼんやり考えていた瞬間、不意に涙が流れた

瞬間、鶴丸がはっと掴んでいた手を離す

 

「っ、悪い。 …痛かったか……?」

 

「あ……」

 

自分が涙を流している事に気付き、沙紀は慌てて首を振った

 

「いえ…違うのです……これは……」

 

そこまで言い掛けて、言葉を失った様に声が出なくなった

 

違う

私は……

 

その時だった

不意に、「沙紀」と呼ばれたかと思うと、鶴丸の手が伸びてきた

 

そして、そのまま優しく抱きしめられた

 

「……………っ」

 

突然の抱擁に、沙紀が身体を強張らせる

 

「怖いんだろう……?」

 

そう問いかけられ、沙紀がぴくっと肩を震わせた

 

そう――――怖いのだ

“失敗”するのが、“怖い”―――――……

 

”失敗“すれば、全てが露となって消えてしまう――――……

それが、酷く“怖い”のだ

 

そう思った瞬間、沙紀の躑躅色の瞳にじわりと涙が浮かんだ

そして、小さくこくりと頷くと鶴丸の腕の中に顔を埋めた

 

「りんさん……私、自信ないのです……。 今回は、“失敗”は出来ない…そう思うと、怖いのです……燭台切さんを永遠に失ってしまったどうしよう―――って…そればかり、考え…て…」

 

一度言葉を発してしまったら、止まらなかった

不安な気持ちが一気に沙紀の中に押し寄せてくる

 

怖くて、怖くてたまらない

足が竦んで動かない

 

こんなに冷たい水の中から出る事すら出来ない

自分はこんなにも弱かったのかと、思い知らされる

 

その時だった、不意に「沙紀…」と鶴丸の声が聴こえたかと思うと、そっと口付けられた

それは、一瞬の出来事だった

 

沙紀は、何が起きたのか理解出来なかったが…次の瞬間 涙が零れた

 

「り…ん、さん……」

 

沙紀がそう呟くと、再び鶴丸の唇が降って来た

 

「…………っ」

 

沙紀が、ぴくんと肩を震わす

優しく触れる様な口付けは、沙紀の中の何かを包み込む様だった

知らず、沙紀の手が鶴丸の衣を掴む

 

「大丈夫だ」

 

優しくそう囁かれ、沙紀がゆっくりとその躑躅色の瞳を開けた

鶴丸の美しい金色の瞳と目が合う

 

「俺がいる」

 

「…………りんさん…」

 

鶴丸のその言葉が沙紀の中で木霊した

一人ではないのだと思い出させられる

 

そう―――ひとりではない

 

鶴丸もいる

それに―――――……

 

「あんたは、こいつに触れすぎだ」

 

不意に横から声が聴こえてきた

はっとして声のした方を見ると、沙紀を抱きしめる鶴丸の肩をぐいっと引っ張る様に、山姥切国広が立っていた

 

それを見た鶴丸が不服そうに顔を顰め

 

「邪魔するなよ、国広」

 

そう言うと、山姥切国広は呆れた様に溜息を付いた

 

「こいつの邪魔をしているのはあんただろ? それに、あんただけじゃない。 俺“達“がいる―――の間違いだろう」

 

「あ………」

 

言われてはっと山姥切国広を見た

すると、山姥切国広は微かに目を細め くいっと顎をしゃくった

 

「他の奴も待ってる。 帰るぞ」

 

そう言って、持っていた着物を沙紀に掛けた

 

「山姥切さん……」

 

わざわざ持って来てくれたのか……

 

すると、鶴丸がその着物の上から突然沙紀のよこ抱きに抱き上げた

ぎょっとしたのは沙紀だ

 

突然の鶴丸の行動に、沙紀が顔を真っ赤にして慌てて口を開く

 

「あ、ああ、あの……何を――――」

 

そう問うと、鶴丸はさも当然の様に

 

「決まってるだろう。 このままこんな雪の日に、沙紀をこの冷たい水の中にこれ以上置いとく訳にいかないからな」

 

そう言って、ざぶざぶと陸に向かって歩き始めた

それに賛同なのか、山姥切国広も仕方なさそうに溜息を付くだけで反論はしない

 

が、抱えられた沙紀は慌てて抵抗の意を示す様に暴れた

 

「あ、あの! 自分で歩けますから……っ」

 

そう言うが、鶴丸も山姥切国広も聞く耳を持ってくれなかった

結局、滝から上がった後もそのまま石上神宮内―――正確には沙紀の住まう邸まで抱えられたままだったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

巫女装束に着替えて、髪を結う

いつもならば、お付の人のやってもらうのだが

どうしても今日は一人でやりたかった

 

これも、心を鎮める為に必要な事だった

 

あの時の鶴丸や山姥切国広の言葉が脳裏を過ぎる

 

私は…ひとりじゃない……

 

そう、七年前のあの時とは違う

あの時は一人だった

でも、今は――――――……

 

沙紀は目の前の鏡を見た

 

今の自分の顔をよく覚えておく

沙紀が不安な顔をすれば、“皆”が不安になる

絶対に表にはこの先出す訳にはいかない

 

たとえ、不安だろうと 怖かろうと

悟られてはいけないのだ

 

きゅっと、髪を和紙でまとめ水引きで縛る

最後に白い裳を縛り左右に引腰と呼ばれる、刺し縫いが施された細長い布を一本ずつ引く

儀式用の装束だ

 

沙紀はすぅ…と息を吐くとゆっくりと躑躅色の瞳を開けた

 

そして、ゆっくりと広間へと続く扉を開ける

開けた先には、鶴丸と山姥切国広がいた

 

「行きましょう」

 

沙紀がそう言うと、二人は小さく頷き歩き始めた

沙紀も二人の後に続く

 

これから向かうのは拝殿の外だ

父である一誠が話しを聞き、小野瀬と準備に取り掛かっている

 

その場所に向かう廊下をゆっくりと歩く

辺りは日も落ち静かだった

拝殿を抜け、外へと続く階段を一歩一歩降りていく

 

すると、そこには篝火の焚かれた、“儀式”用の方陣が引かれていた

 

中央に、燭台切光忠が安置されている

そして、そこを中心に四方に方陣が四つ

東西南北それぞれに、引かれていた

 

沙紀の登場に気付いた小野瀬が、「ほぉ…」と声を上げた

 

「お待ち申し上げておりましたよ、“審神者”殿」

 

そう言って、沙紀の方にやってくる

さっと、鶴丸と山姥切国広が間に入ろうとしたが、沙紀はそれを手で制した

 

そのまま、小野瀬が目の前にやって来るのを待つ

小野瀬は沙紀の姿をまじまじと見ると

 

「いい顔つきですね。 これなら、“儀式”も“成功”するでしょう」

 

と、満足そうに頷くと、後ろに控えていた部下に何かを指示しだした

沙紀が不思議に思っていると、後ろの方から小野瀬の部下の人が何か布に包まれた長物を持って来た

そして、沙紀の前の段の上に置く

 

「これは……?」

 

「開けてご覧ください」

 

「………?」

 

不思議に思い、そっと布を開くとそこには二振りの刀があった

 

「この刀は………」

 

「“一期一振“そして、”大倶利伽羅“です」

 

「え……」

 

この刀が……?

 

昨夜、鶴丸が話してくれた事を思い出す

 

『光忠とは俺が伊達家にいた時一緒だったんだ』

『ああ、俺と光忠と大倶利伽羅。 後、太鼓鐘貞宗かな』

 

あの時話していた、大倶利伽羅さん……?

 

一体、何処から持って来たというのだ

 

すると、小野瀬は肩をとんとんと叩きながら

 

「いやぁ~一期一振の持ち出し許可貰った上に大阪まで行った後、ここまで戻ってくるのは骨が折れましたよー」

 

そう言って、やれやれと溜息を付く

だが、沙紀には小野瀬がこの二振を持って来た理由が分からなかった

 

百歩譲って、燭台切光忠と関係性のあった大倶利伽羅は分かる

だが、鶴丸の話を聞く限り、もしもう一振持ってくるならば、太鼓鐘貞宗の方ではないのだろうか?

 

沙紀がそう思っているのに気付いたのか、小野瀬は溜息を付きながら

 

「“審神者”殿のお考えは分かりますよ? 何故、関係性の深い太鼓鐘貞宗ではなく一期一振なのか疑問なのですよね? 答えは簡単です。 遠いんですよ」

 

「え……?」

 

遠い……?

……とは、何がだろうか…??

 

すると、小野瀬の代わりに鶴丸が答えた

 

「貞は仙台にあるんだ。 流石にこの短時間では仙台までは往復する時間がなかったんだろ、小野瀬」

 

鶴丸がそう尋ねると、小野瀬はニッと笑って

 

「流石は鶴丸君だね、その通りだよ。 流石の僕もスーパーマンじゃないからね、この短時間で大阪と仙台を行き来は無理だよ。 だから、間接的だけどまだ近場にある関係性のある子にしたんだ」

 

それが一期一振だという

 

「一期一振りが豊臣秀吉の愛刀だったのは知ってるよね?」

 

「はい……」

 

刀収集家だった、秀吉が中でも一番愛したのが一期一振だった

そして、小野瀬の話ではもともと燭台切光忠は織田信長が所有しており、信長死後豊臣家に渡ったのだという

そして、豊臣家から伊達家に献上された品が、燭台切光忠なのだという

加えて、一期一振は現在御物であり、同じ御物として宮内庁保管にあった鶴丸とも関係がある

これ以上の適任はいなかったのだと言う

 

だが……

 

「この二振を選んだ理由は分かりました…ですが、ここへ持て来て一体何を――――……」


そこまで言い掛けて沙紀は、はっとした

まさか――――……

 

何かに気付いた沙紀が口元を押さえる

それだけで、分かったのか…小野瀬はにやりと笑みを浮かべると

 

「流石は“審神者”殿、聡明であらせられる。 ええ…貴女の考えている通りですよ。 この二振を具現化して頂きたい」

 

「具現化して、どうするのでしょう?」

 

「それは勿論、彼らにサポートさせるんですよ。 まず、あの四方の方陣にそれぞれ鶴丸君、山姥切君、大倶利伽羅君と、一期君に入ってもらい外から燭台切君をガードしてもらいます。 そうすれば、“審神者”殿は“儀式”にさえ専念して頂く事が出来るでしょう?」

 

「………それは」

 

確かに、その方法なら燭台切光忠の身体は安全かもしれない

だが、それに意を唱えたのは山姥切国広だった

 

「待て、俺はどいつとも関係性はないが…写しの俺でいいのか?」

 

山姥切国広がそう尋ねると、小野瀬はあっけらかんとして

 

「何言ってるんだい? 皆同じ“審神者”殿の霊力(ちから)で顕現する訳だから、関係なくはないと思うけど?」

 

「それは…そうだが……」

 

そう言われるとそうなのだが、“それ”しか繋がりはない

それが引っかかるのだろう

 

すると、鶴丸がぽんっと山姥切国広の肩を叩いた

 

「国広も、もう俺達の仲間だろう? 関係なくはねえよ」

 

「そうですよ、山姥切さん…写しとか関係ないです。 これで“成功“する可能性が少しでも増えるなら…お願いします」

 

そう言って沙紀は山姥切国広に頭を下げた

ぎょっとしたのは、山姥切国広の方だった

 

「お、おい!」

 

慌てて沙紀に手を伸ばして顔を上げさせる

 

「やめろ。 あんたにそうされると…俺が、困る…」

 

そう言って困った様に顔を顰めた

その様子が可笑しくて、沙紀も鶴丸も笑ってしまった

 

それを見ていた小野瀬はふむ…と笑みを浮かべながら「なかなか、いいチームだねぇ」とぼやきながら、沙紀に促した

 

「さぁ、この二振を手始めに具現化させてもらえますかな?」

 

「……分かりました」

 

沙紀は小さくそう頷くと、ゆっくりとその二振に近づいた

そして、そっと手を刃に当てて霊力を送り込む

 

瞬間、ぽう…と刀が青白い光を放ちだした

触れている手に熱が伝わってくる

 

誰しもが、その瞬間を待った

 

そして、かぁっ…と今までで一番強く光を放った刹那、そこに二人の男性がたっていた

 

一人は、褐色の肌に漆黒の髪の鋭い金目の男だった

左手の龍の刺青が印象的だった

 

そしてもう一人は、

淡い翠色の髪に穏やかな表情をした美しい青年だった

 

沙紀が少し驚いた様に二人を見ていると、目つきの悪い金目の男がギロリと沙紀を睨んだ

一瞬、沙紀がびくりと肩を震わす

 

「あんたは?」

 

「え………」

 

不意に問われどう答えて良いのか一瞬悩むが、沙紀はごくりと息を飲み

 

「沙紀と申します。初めまして…大倶利伽羅…さん?」

 

「…………大倶利伽羅だ。別に語ることはない。慣れ合う気はないからな」

 

そう言って、腕を組んだまま黙ってしまった

何だかひどく扱い辛そうな刀だった

 

一方、翠色の髪の青年は沙紀を認識するなり、にっこりと微笑み

 

「私は、一期一振。 粟田口吉光の手による唯一の太刀です」

 

「あ、私は沙紀と申します」

 

こちらは、至極丁寧な感じだった

毛色の違う二振に戸惑いを覚えていると、後ろから突然鶴丸ひょいっと顔をだし

 

「大倶利伽羅! 久しぶりだな!!」

 

そう言って、大倶利伽羅の方に手を振った

それを見た、大倶利伽羅は鶴丸を認識するなり大きな溜息を付いた

 

「あんたか……悪いが、慣れ合うつもりはない」

 

そうぶっきらぼうに言い放つが…鶴丸は気にした様子もなく

 

「まぁ、そう言うなって! 光忠を助ける為に協力してくれ」

 

不意に、大倶利伽羅がぴくっとその言葉に反応する

 

「光忠……? どういう意味だ?」

 

今が事情を話すチャンスかもしれない

思い切って、沙紀は言葉を発した

 

「あの、事情は私から説明してもよろしいでしょうか?」

 

そう言って、沙紀は先程小野瀬に伝えられたことを話した

燭台切光忠が危険な状況にある事

そして、彼を助かる為に、二人の協力が必要な事

その為に、二人を呼び起こした事

 

一部始終を話し終えると、大倶利伽羅は顔を顰めた

 

「俺は慣れ合う気はない…だが、それで光忠は本当に助かるのか?」

 

「……助けます」

 

本当は自信なんてない

でも、それは悟られてはいけない

 

沙紀がはっきりとそう答えると、大倶利伽羅は少し考え…

 

「……今回限りだ」

 

「ありがとうございます……!」

 

沙紀が嬉しそうの顔を綻ばせると、一瞬大倶利伽羅が顔を赤くした

がフイッとそっぽを向き、黙ってしまった

二人のやり取りを見ていた一期一振は、すっと、手を胸元に当て

 

「そういう話でしたら、この一期一振 ご協力は惜しみません」

 

その言葉に、沙紀が嬉しそうに微笑む

 

「ありがとうございます、一期さん」

 

沙紀のその表情に、一期一振もにっこりとほほ笑む

 

「それで、沙紀殿。 我々はどうすればよいのですか?」

 

「あ……」

 

言われて沙紀が鶴丸と山姥切国広の方を見る

すると、鶴丸が説明する様に

 

「俺達は、この方陣の四方から光忠に力を送るんだ。 そして光忠が壊れない様にガードするのが役目だな」

 

そう言って、自分はすたすたと東の方陣に入った

 

「国広は北、一期は南、大倶利伽羅は西を頼む」

 

鶴丸の言葉に、三人はそれぞれの方陣に入った

沙紀はそれを見届けると、ゆっくりと中央の燭台切光忠の安置されている中央の方陣に足を踏み入れた

 

時間だ

 

準備は整った

沙紀はすぅ…吐息を吐くとゆっくりと躑躅色の瞳を開けた

 

「では、これより“復活”の“儀式”を執り行います」

 

 

今から、“復活”の“儀式”が始まろうとしていた――――――………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ついに、ついに次回みっちゃん登場!?

伽羅子と、いち兄の登場がさっぱりなのは、しかたないww

 

2015/09/24