CRYSTAL GATE

  -The Goddess of Light-

 

 

 第三夜 ファナリス 14

 

 

 

声が響く

 

『鎖を外そうとしたな? モルジアナ…』

 

忘れたくとも忘れられない……あの声が――――……

 

『無理だ無理。 お前の鎖はず~~~っと一生―――……』

 

違う…私は……

 

『――――絶対に外す事はできないんだよ!』

 

「――――――……っ」

 

いやだ

いやだいやだいやだ

 

私は…私はもう――――……っ

 

その時だった

 

 

 

 

   “本当か、モルジアナ……”

 

 

 

 

 

耳の奥で、声が聴こえた

 

誰…!?

 

思わず、辺りを見回す

だが、誰もいない

 

その声は、まるで自分に語りかけるように話しかけてきた

 

 

    “君の力はそんなものか……?”

 

        “その足枷を外すことも出来ないのか?”

 

 

瞬間、ルフが一斉に瞬いた

強い“力”が、“声”となってモルジアナに語りかける

 

 

 

   “君の鎖はもう取れたはずだよ…モルジアナ”

 

 

 

「…………っ」

 

うそ……

あるじゃない……

 

手に、足に頑丈な枷が…

全然、外れないよ………

 

 

“君はもう昔とは違う―――――

 

   奴隷の身から解放された――――――君を縛っていたものは、もう何一つない―――“

 

 

“ただ、過去の恐怖だけだ……

 

   そして……それは、勇気で簡単に断ち切れる―――――……“

 

 

ゆう、き……?

 

 

 “そうだ、モルジアナ……”

 

 

その時だった

 

 

 

 

「いやあああああああ」

 

 

 

 

ナージャの声が響いた

はっとして、顔を上げるのと、ファティマーがナージャのロープを切るのは同時だった

どさっと、音がしてナージャが砂漠ハイエナの真ん中に落ちる

 

 

「―――――――っ!!!」

 

 

 

   “―――君を縛るものなど…この世に何一つ……”

 

 

 

一瞬にして頭が鮮明になる

何をしなければいけないのか、何をすればいいのか

 

“どうすればいい”のか

 

 

 

       “――――――ない!!!”

 

 

 

 


瞬間、モルジアナが空高く跳躍した

まるで背中に羽根が生えているかのように――――天へ、高く―――……

 

 

「あ、ああ……っ」

 

 

ファティマーがぎょっとして、大きく口を開ける

だが、モルジアナはそのまま大きく回転すると

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあああああああああ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガシャ―――――――ン

 

 

勢いよく、砂漠ハイエナたちのど真ん中に降り立つのと、モルジアナの足枷が砕けるのは同時だった

ふわり…と、モルジアナの赤い髪が揺れる

 

 

モルジアナが、すぅ…と大きく息を吸ったその瞬間――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――――――――っ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声にならない、“音”を発したのだ

その“音”はすさまじく、まるで何かの強烈な爆風の様に辺りに飛散した

砂漠ハイエナが、“それ”に怯えるように、逃げていく

 

 

 

「な、なんなのよ…あの子…っ!!」

 

 

 

ビリビリッ と、肌に突き刺さるような“それ”に思わずファティマーが叫んだ

 

砂漠ハイエナが1匹も残らずすべて逃げたのを最後に、モルジアナが“それ”を発するのを止めた

そして、ぐぐっと腕の鎖を引っ張ると思いっきり引きちぎったのだ

 

鎖が切れたのを確認すると、モルジアナはナージャに駆け寄った

 

「もう、大丈夫よ。 さ、ここから逃げましょう」

 

そう言って、ナージャを縛っていたロープを外してやる

すると、ナージャが涙を流しながらモルジアナにしがみ付いてきたのだ

 

一瞬、戸惑ったものの

モルジアナは柔らかくほほ笑むと、ナージャを抱きしめてあげた

こうしてあげることが、きっと一番いいと思ったからだ

 

だが―――面白くないのはファティマーだった

 

ナージャをエサにしてモルジアナを畏縮させるつもりだったのに

これでは逆効果ではないか

 

それどころか、このままではあの貴重なファナリスを逃がしてしまう

それは、奴隷商人としてのファティマーのプライドが許さなかった

 

「………あんたたち、競売用の“アレ”を全部出しなさい!!」

 

「え……、し、しかしあれは……」

 

ファティマーの言葉に、部下がぎょっとする

だが、ファティマーはそんな部下にはお構いなく

 

 

「いいから、出しなさい!!!」

 

 

「は、はい……っ!!」

 

部下が慌てて、“アレ”が入っている檻に駆けてゆく

それを見てファティマーは、ふっと笑みを浮かべた

 

 

「さすがの貴女も…“アレ”には敵わないわよ? ねぇ、ファナリスのお嬢さん」

 

 

そう言ってにやりと笑みを浮かべるのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな彼らを砦の上から見ていた影が二つ――――……

 

「……よかった…どうやら、二人とも無事みたい」

 

「……だから言っただろう? 問題はないと」

 

そう言って、一人が小さく息を吐いた

それを見た、もう一人が「もぅ…」と声を洩らす

 

それは、煌帝国から還ってきたエリスティアだった

そして、そんな彼女のそばには何故か紅炎までもいた

 

エリスティアはちらりと紅炎を見て

 

「それにしても…いいの? 炎までこっちに来てしまって……」

 

エリスティアは一人でこの砦に戻るつもりでいた

だが、蓋を開けてみれば何故か紅炎までもが一緒に来ていたのだ

これには、さすがのエリスティアも驚いた

 

すると、紅炎は何でもない事の様に

 

「なんだ? 俺がいると何か問題でもあるのか?」

 

と、問うてきた

そう問われても、困る

 

「…べ、別に…そんな事はないのだけれど……」

 

そう―――困ることはない

むしろ、心強い

だが……

 

「その…国の方は大丈夫なの…? 炎が急にいなくなったら困るでしょう…?」

 

彼は、曲りにも煌帝国の第一皇子・王位継承者だ

その紅炎にもしものことがあったりしたら一大事である

 

だが、紅炎はそんなエリスティアの心配を余所に、不意にすっと手を伸ばしてきた

そしてエリスティアの美しいストロベリー・ブロンドの髪をすくうと口づけた

 

「………っ、え、ん……何をっ―――……」

 

突然のことに、エリスティアの頬が朱に染まる

すると、紅炎はさも当然の様に

 

「俺の心配など無用だ。 むしろお前に何かあっては俺が 気が気ではない……こんな風に……なっ!!」

 

そういうが早いが、紅炎が腰の剣を抜くとそのままエリスティアを背に庇い何かを薙ぎ払った

 

瞬間、カランカラン…と数本の矢が打ち払われて地に落ちた

はっ…としてエリスティアが 矢が放たれた方を見ると、盗賊らしき男たちが十数人自分たちを取り囲むように刃を向けていた

 

「…………っ」

 

エリスティアが息を飲む

 

「炎……っ」

 

無意識的に紅炎の衣を握りしめる

エリスティアのその反応に、紅炎は微かに口元に笑みを浮かべると

 

「安心しろ、お前には指一本触れさせはせん」

 

そう言って、すらっと抜身の剣の刃を盗賊たちに向けた

 

「貴様ら…エリスに矢を放ったこと、死をもって後悔するがいい―――……」

 

瞬間、紅炎の纏うルフがざわり…と騒ぎ出す

だが、盗賊達にそれが分かるはずもなく――――……

 

「へっ…女庇いながら何ができるっていうんだ!!」

 

「やっちまえぇ!!!!」

 

そう叫んで一気に紅炎に襲い掛かってきた

微かに紅炎の口元が笑う

 

あ――――……

 

それを見た瞬間、エリスティアは青ざめた

 

いけないっ!

このままでは―――――っ!!

 

瞬間、無意識的にシンドバッドから貰った制御装置の一つである左の腕輪に触れる

これを“解除”すれば――――……

 

そうすれば……そうすれば誰も“死なずに済む”かもしれない

でも――――……

 

もう、既にチーシャンで二つ、アモンの迷宮(ダンジョン)で一つ、煌帝国内で一つ“解除”している

これ以上“解除”してしまっては、制御装置の意味を成さなくなってしまう可能性が―――……

 

そうこうしている内に、紅炎の刃は瞬く間に盗賊たちを打ち負かしていった

地に転がる盗賊達が「いてぇよぉ……」と斬られた個所を抑えながら唸る

 

一通り盗賊を斬り伏せた紅炎は小さく息を吐くと、剣を収めた

あれだけいた盗賊達が皆斬り伏せられて地に倒れている

唸っているのを見る限り、どうやら息はあるようだった

 

その様子に、思わずエリスティアがほっとする

どうやら、誰も死んではいない様だった

 

それを見た紅炎がふっ…と微かに笑みを浮かべる

 

「相変わらず、おかしな女だ。 自分を殺そうとした相手の命を心配するのか?」

 

紅炎のその言葉に、エリスティアは少しむっとするが

直ぐに、悲しそうにそのアクアマリンの瞳を揺らした

 

「……盗賊とはいえ、“命”は尊きものです。 誰かが奪っていいものではないわ……」

 

そう―――誰であろうと……

それが、紅炎なら尚の事―――――……

 

その手を、これ以上“血”で汚してほしくない

 

「炎…わたし――――……」

 

そこまで言いかけて、エリスティアは はっとした

そのアクアマリンの瞳を大きく見開く

 

盗賊の一人が、紅炎の死角から大きく斬りかかってきていたのだ

が、紅炎が腰の剣を抜いて振り斬るのは同時だった

 

 

 

 

 

「―――――っ、だめぇ!!! 炎!!!」

 

 

 

 

エリスティアが咄嗟に止めようと手を伸ばす

が――――間に合わない

 

紅炎が盗賊の剣を弾き飛ばし、とどめを刺すように剣を振り上げる

 

 

 

  だ  め  だ

 

 

 

そう思った刹那、エリスティアなのかで何かが弾けた

瞬間、左手の腕輪を握りしめ――――「解除(レリフラージ)!!」

 


パリ―――…ン という音とともに、腕輪がはじけ飛ぶ

それと同時に、エリスティアは右手を掲げて叫んだ

 

 

 

閃光(フラーシュ・リラ)!!!」

 

 

 

エリスティアがそう叫んだ瞬間、天の昇る太陽がきらっと光ったかと思うと

辺り一帯が眩い光に包まれた

 

「エリス…っ!? 何を――――」

 

紅炎が、あまりの眩しさに思わず手を止める

その隙をぬって、紅炎に斬りかかられていた盗賊が逃げていく

 

紅炎は、一瞬だけその盗賊の方を見たが、追うことはしなかった

むしろ、盗賊を逃がすような行為をしたエリスティアを鋭い眼差しで見た

 

「……どういうつもりだ?」

 

そう問う紅炎の声は今までにないくらい酷く冷たいものに聴こえた

普通なら怯んでいたかもしれない

しかし、エリスティアはまっすぐに紅炎の柘榴石の瞳を見た

 

 

「――――殺さないで」

 

 

はっきりとした声で、そう伝える

殺してほしくない

 

これ以上、手を赤く染めて欲しくない

たとえそれが、“こちらを殺そうとしている敵”だとしても――――……

 

この人に、人を殺してほしくない

 

その思いだけだった

後のことなど、どうでもよかった

この後、あの盗賊が味方を引き連れて戻ってくるかもしれない

もしかしたら、回復して再びエリスティア達に斬りかかってくるかもしれない

 

それでもいいと思った

この人の手がこれ以上赤く染まらなければ、それでもいいと――――……

 

「お願いよ……これ以上、人を殺めるような事はしないで」

 

そう言って、そっと剣を持つ紅炎の手に自身の手を添える

そして、ぎゅっと握りしめた

 

「お願い――――………」

 

「……………」

 

紅炎は答えなかった

それはそうだろう

彼は、戦いに出る人だ

殺めるなというのが無茶な願いで、無謀な願いだった

下手をすれば、紅炎自身の命を脅かすことになる

 

 

頷けるはずが―――――ない

 

 

それでも――――……

そう願ってしまうことは、いけないことだろうか……

 

 

「炎……」

 

 

返事のない紅炎に、エリスティアがそっと顔を上げる

怒っているのかもしれない

 

そんな弱気な自分が情けない

嫌われたくないと思っている

 

それでも――――わたしは―――――……

 

たとえ怒られても、嫌われても

この考えを覆す気は――――ない

 

だが、予想を反してエリスティアの瞳に入った紅炎は何やら堪える様に顔を手で覆っていた

 

「……炎?」

 

どうしたというのだろうか……

エリスティアが不思議そうに首を傾げる

すると

 

「く…くくく……」

 

え……?

 

「はははははははは!!」

 

「え、炎?」

 

突然、紅炎が大声で笑い始めた

意味が分からず、エリスティアが混乱する

 

何か自分は笑われるようなことを言っただろうか?

そんな考えが脳裏を過る

 

すると、突然 紅炎の手がエリスティアの腰に回されたかと思うと、あっという間に抱き上げられた

 

「きゃっ……」

 

突然のことに、エリスティアが慌てて紅炎にしがみ付く

 

「ちょっ、炎!? いきなり何を――――」

 

抗議しようと口を開いた瞬間、紅炎にその唇を塞がれた

 

「んっ……ちょっ、え、ん………」

 

突然の口づけに、さすがのエリスティアも動揺を隠せなかった

すると、紅炎はにやりとその口元に笑みを浮かべて

 

「言っただろう? 俺への“お願い”は高くつくぞ…と」

 

「あ……」

 

そういえば、ついさっきそんな話をしたような事を思い出す

 

「1日に、しかもこんな短時間に“二つ”もこの俺に“お願い”をしてくるとは…やはり、お前は面白い女だ、エリス」

 

そう言って、くつくつと笑っていた

 

「そ、それは……」

 

そんなつもりで言ったわけではないのだが……

事実なだけに、言い返せない

 

なんだか、納得いかないという風にエリスティアがむぅ…と頬を膨らませていると

ふと、紅炎の手が伸びてきて、エリスティアの髪を撫でた

 

「~~~~~~っ」

 

なんだか、あやされている様でエリスティアが抗議しようとするが…

ここで抗議してもどうせあっさりかわされるのがオチなのは火を見るよりも明らかだった

それはそれで悔しい

 

「…………炎のばか」

 

そう言って、エリスティアが紅炎の首に手を回す

それに気分を良くしたのか、紅炎がふっと笑みを浮かべて

 

「……やはり、手放すには惜しいな」

 

などとぼやくものだから、流石のエリスティアもこれには抗議の声を上げて

 

「もぅ!! こんな時に何言っているのよ!! 早く、アラジン達を助けないと――――」

 

「――――いや、それは後回しだ」

 

まさかの返事に、エリスティアが「え?」と驚いたように首を傾げる

すると、紅炎はにやりと笑みを浮かべて

 

「その前に、取られたものを取り返す」

 

その言葉に、エリスティアが「あ……」と声を洩らした

 

そうだ

アラジンやお世話になった商隊(キャラバン)の人たちを助けるだけでは駄目なのだ

取られた荷物の中には、アラジンの笛や商隊(キャラバン)の品物、そして――――……

エリスティアの荷物も含まれていた

その中には、通信用のルビーのチョーカーや水晶石もある

そして――――あの時、持ち出し損ねたシンドバッドから貰った一対の髪飾りと耳飾り

 

それだけは持ち逃げされる前に、奪取しなければならない

 

「で、でも、アラジン達も早く助けないと――――……」

 

荷物も大事だが人命には変えられない

エリスティアがそう言うと、紅炎は砦の下にいるファティマーを見た

 

「今は無駄だ。 おそらく、鍵はあの男が持っているだろう」

 

「え……それなら、下に――――」

 

そう言いかけた時だった、ゴウン…ゴウン…と大きな檻の扉が開かれようとしていた

そして、そこから出てきた“それら”に思わずエリスティアが息を飲む

 

真っ白な巨大な虎に、大きな禿鷹

あれは―――――………

 

紅炎が“それら”を見た後に、小さく息を吐いた

 

「よくもあれだけ揃えたものだ」

 

マウレニア サーベルタイガー

ナミディア コンドル

 

いずれも暗黒大陸に生息する猛毒を持つ肉食の凶悪な猛獣だ

とても、人の手に負える“生き物”ではない

 

「炎!! モルジアナ達が――――っ!!」

 

その獣たちの前には、モルジアナと幼い少女がいた

このままでは危ないのは、明らかだった

 

焦るエリスティアとは裏腹に、紅炎は平然としたまま

 

「……問題はないな」

 

そう言って、すたすたと砦の中へ移動しようとする

ぎょっとしたのは、エリスティアだ

モルジアナを助けに行くどころか、そのまま放置していくというのだ

納得いくはずがない

 

「お、降ろして、炎!! このままじゃあ―――――……」

 

最悪の未来が脳裏を過る

考えただけでもぞっとする

 

だが、やはり紅炎は平然としたまま

 

「あの赤毛の娘は“ファナリス”だ。 ならば、あの娘に任せておけばいい。 エリス、お前も“ファナリス”がどういう種族か知っているだろう?」

 

「それは――――……」

 

暗黒大陸の覇者・最強の戦闘民族“ファナリス”

 

知っている

モルジアナがどれだけ強いかは、あの戦いぶりを見ただけで十分すぎるほどだった

アモンの迷宮(ダンジョン)でも、そうだ

モルジアナはずば抜けて強かった

 

だが……

 

「でも…だめよ……放っておけないっ………」

 

モルジアナは“ファナリス”であると同時に“一人の人間”なのだ

それなのに、あんな猛獣を目の前にしている彼女を見捨てるなんて――――……

 

エリスティアが懇願するように紅炎を見た

 

「……………」

 

一瞬、紅炎がその柘榴石の瞳を瞬かせた後、ふっと微かに笑みを浮かべた

 

「まったく…お前は、“おねだり”が随分と上手くなったものだな?」

 

そう言って、すっとエリスティアの耳元に顔を寄せ

 

「いいのか? これで“三度目”だぞ?」

 

そう言って、耳元で囁く

 

「……………っ」

 

ぴくんっ とエリスティアの肩が揺れた

徐々に赤くなる頬を恥ずかしそうに手で押さえる

 

その仕草が、紅炎にはたまらなく可愛く見えた

それに気分をよくしたのか、紅炎が口元に笑みを浮かべると すらっと、腰の剣を抜いた

そして、その切っ先をファティマーの方に向け

 

 

「――――助けてやってもいい」

 

 

「え……」

 

紅炎のその言葉に、エリスティアが ばっ と顔を上げる

 

「……ただし、条件がある」

 

そこまで言って、紅炎がエリスティアを見た

一瞬、紅炎のまっすぐな眼差しにどきっとする

 

「エリス―――――……」

 

紅炎の口から紡がれた“それ”は……

 

 

 

 

 

         「お前が、俺のものになるなら――――…な」

 

 

 

 

 

    口を付けてはいけない禁断の果実に

 

              触れてしまった様な―――気が、し た

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

復帰、第二弾はこちらからお送りしまーす

というわけで、長々と書けなくてすみません…m(__)m

 

ああ…でも、マギ本編の連載が終わってしまったんですね…はぁ~~~~

でも、こっちは終わる兆し全くなしwwww

いつ終わるんだよwwww

今だ、こんなところいるぜ!?

という、突っ込みはなしでお願いしまーすwwww

 

2017/10/14