櫻姫抄乱
 ~散りゆく華の如く~

 

 四章 虚実の馨り 6

 

 

「そうだ!聞いたぞ~トシ」

 

朝餉の後の会議の為、広間に残っていた土方を近藤が呼び止めた

 

「は? 何だよ、近藤さん」

 

土方がそう答えると、近藤はほくほく顔でズッと茶を飲みながら

 

「八雲君に、雑炊を御馳走したそうじゃないか」

 

「ぶっ……!」

 

土方が思わず、飲みかけていた茶を吹く

 

「いやーまさか、トシがな~」

 

うんうんと満足気に頷く近藤に、慌てて土方は口を開いた

 

「あぁ? あれは、雑炊じゃねぇよ。単なる粥だ」

 

「そうなのか?」

 

「ああ、だから別に……」

 

「いやいや、どちらにせよ”もう、二度と厨に立つか!”と言っていたトシが…。しかも、女子の為に料理とは……!」

 

世の中変わるものだと、近藤は頷きならそう呟いた

 

「だから、違ぇよ!」

 

「何を言うか、良い事ではないか!塩加減の雑だったトシの飯を食って”美味かった”と彼女は言ってくれたのだぞ?」

 

「はぁ?あんな物、誰が作ったって一緒だろうが!大体、あれはあいつが―――っ!」

 

「んまぁ!?土方君お手製のお粥!?」

 

いきなり、広間の入口の方から歓喜の声が聞こえて来た

声のした方を見ると、伊東がぷるぷると震えながらこちらを見ていた

 

「おお、伊東さん。おはようございます」

 

近藤が挨拶するも、どうやらその声は伊東には届いていないらしい

 

伊東は、うるうると目を輝かせると、いきなり腕を大に広げ、そのまま―――

 

「私にも、是非土方君お手製のお粥を―――っ!!」

 

シュッ

  ガン

 

  「あぅぅ!」

 

土方に駆け寄った瞬間、何処からとも無く飛んできた盆が、伊東の顔に当たった

そのまま、バタン…と、その場に倒れる

 

「悪ぃ、伊東さん。手が滑った」

 

土方が悪びれもなく、茶を啜りながら言う

伊東はふるふると手を震わせながら

 

「こ、これも…愛情表現……」

 

「んな訳あるか!」

 

刺々しい、声音が鋭く突っ込む

 

「まぁ、まぁ、トシもその位に。ほら、伊東さんも座って下さい」

 

近藤に促されて、伊東がよろよろと立ち上がる

 

「ふぅ…そういえば、今日はまだ私のさくらちゃんにお会いしてませんわ……

 

ピククっと土方が眉間にしわを寄せる

 

「はて? yakumo]君ですか?」

 

近藤が首を傾げる

伊東は、うう…と涙を流しながら

 

「私の今の”心の癒し”ですの。一日の始まりは是非、あの子の顔を見たいのですのよ」

 

ピクククと、土方が眉を寄せる

 

「は、はぁ……」

 

近藤が曖昧に、頷く

 

「ほら、私は食事は自室で頂きますでしょう。だから、会う機会が中々ありませんのよ」

 

すると、伊東は名案!という様にパッと顔を上げて

 

「そうですわ!私のお茶が無いようですし、ここはさくらちゃんに淹れてもらって―――」

 

ドンッ

 

と、いきなり伊東の前に土方が自分の湯呑を置いた

 

「あんたは、これでも飲んでろっ」

 

「………………………………ハッ!」

 

一瞬、固まっていた伊東だが……

次の瞬間、何かに気付いた様に目をキラキラさせた

そして、シュタッとその湯呑の前に座る

まじまじと、その湯呑を凝視し

 

「こ、これは……!まさか…っ!?土方君の口付けた湯呑……っ!?」

 

ぷるぷると震える手で、その湯呑を持つ

 

「と、という事は…!間接……っ!?」

 

おおお!と、後光が射した様にその湯呑を天に掲げる

そして、満面の笑みで

 

「では、早速……いただきま―――」

 

「あ、間違えた」

 

ガシャン

 

「熱っ!熱いですわっ!!」

 

いきなり、湯呑が伊東の顔面目掛けてひっくり返った

いや、正確には、土方がひっくり返した

 

思いっきり、茶を被った伊東が「私の美しい顔がー!」と言いながら、顔面を押さえる

 

「悪いな、伊東さん。手が滑ったんだ」

 

土方は、やはり悪びれた様子も無くそう答えると、素早くその湯呑を奪い返した

 

「だ、大丈夫ですかな?伊東さん」

 

近藤が少し、躊躇いがちにそう尋ねる

 

「ひ、酷いですわ…、土方くぅん」

 

「気色悪い、呼び方するな!」

 

伊東の猫撫で声に、背筋に悪寒を走らせながら、土方が叫んだ

 

「ま、まぁまぁ、トシも伊東さんも落ち着いて……」

 

近藤がそう言いながら、新しい湯呑の茶を注ぐ

 

「まぁ、伊東さん。これでもどうぞ」

 

差し出された新しい湯呑を、伊東は渋々受け取った

 

「どうせなら、土方君のお手製のお茶を……」

 

「あぁ!?何か言ったか!?」

 

ぶちぶちと愚痴を零す伊東に、土方が鬼の形相で睨んだ

その対応に伊東がいきなり目をキラキラさせる

 

「ああ!素敵!!もっと、罵って―――っ!」

 

ガン

 

伊東の先制突撃攻撃を、素早く盆で避ける

 

「近藤さん、始めてくれ」

 

「あ、ああ……」

 

伊東が盆の向こうで、じたばたしているが、どうやら無視決定らしい

 

そうして、朝の会議が始まるのであった―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        ◆          ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふぅ………」

 

昼餉も終わり、一通り境内の掃除も済ませたさくらは、縁側に腰を落ち着かせた

もう、閏五月も終わりを見せている今

すっかり梅雨に近づきつつある周りは、じめっとした空気を漂わせていた

 

もう少しで、夏が来る

盆地のせいか、京の夏は暑い

 

正確には、夏は暑く、冬は凍える様に寒い

 

盆地というのは、何故こうも季節に厳しいものなのだろうと実感してしまう

江戸はもっとか らっとしていた

そして、薩摩はもっと暑い

 

「……………」

 

さくらは、天を仰ぎながら空を眺めた

白い雲が少しだけ掛かり、日を遮ってくれる

 

考える事が沢山ある

 

鬼の事

あの夢の――薩摩と長州の事

風間や鋼道の動向の事

 

それから―――

 

脳裏に、咳き込む沖田の姿が過ぎる

 

血を吐いていた

 

あれは、”普通”ではない

血を吐くなど、”普通”なら”あり得ない”事だ

 

でも、聞けない

聞いてはいけない 気がした

 

でも………

 

「あ………」

 

一人の少女が浮かんだ

そうだわ…夢の事もあるし……

 

「一度、千に………」

 

でも、外出許可が貰えるだろうか?

 

千鶴ですら、外出許可を貰うのに半年は掛かっている

それも、巡察同行時の話だ

 

果たして、さくら一人で出歩けるだろうか……?

でも、今までだって一人で出歩いていたのだから、別に問題は無いと思うのだが……

 

「……………」

 

とりあえず、一度土方さんに聞いて……

 

「さくらちゃん!」

 

不意に呼ばれ、さくらは顔を上げた

向こうの方から、千鶴がパタパタと走ってくる

 

「ただいま!」

 

「昼の巡察お疲れ様。千鶴」

 

さくらがにこっと笑うと、千鶴が嬉しそうに笑みを作る

 

「巡察って言っても、私は同行させてもらってるだけなんだけどね」

 

同行させてもらって、父を探していると千鶴は言った

父―――とは、雪村鋼道の事だ

 

そして、さくらは鋼道の行方を知っている

 

黙ってる事は、公明正大ではないのでは無いだろうか……

 

「あの、千鶴―――」

 

さくらが言い掛けた時だった

 

「あ! さくらちゃん、これ見て!」

 

いきなり、千鶴がバッと持っていた包みを広げた

 

「あら、これは……」

 

中に入っていたのは、葛桜だった

一般的に柏餅の終わる時期から夏に掛けて出回る

葛練を蒸した後、桜の葉で包む、夏の代表的な菓子だ

 

「もう、こんな時期なのね……」

 

「でしょ?つい、買っちゃった」

 

千鶴が、えへへと照れた様に笑う

 

「今日の巡察は……?」

 

「うん?原田さん。是非 さくらちゃんにもって」

 

「そう……」

 

千鶴はそう言うと、包みを置いた

 

「じゃぁ、お茶淹れてくるね!」

 

そう言って、パタパタと走って行ってしまう

 

「あ………」

 

伸ばしかけた、手が中を切った

結局、言い損ねてしまった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん~美味しいねえ~」

 

縁側でのんびり、千鶴と茶を飲む

千鶴が嬉しそうに、葛桜を頬張っていた

 

「ふふ……」

 

その様子がおかしくて、思わず笑みが零れる

それに気付いた千鶴が「んん?」と、首を傾げた

 

「ううん、何でもないの。ただ、千鶴が美味しそうに食べるななぁって」

 

「だって、美味しいんだもの!」

 

そう言いながら、満面の笑みを零す

 

「あ………」

 

ふと、ある事に気付き、さくらは胸元の懐紙を取り出した

そして、それで千鶴の口元を拭く

 

「え、えっと…さくらちゃん?」

 

千鶴が、驚いた様に目を瞬きさせる

 

「餡が付いてたわ」

 

「えっ!?えええ!?」

 

千鶴がパッと真っ赤になる

慌てて口元を拭こうとするのを、さくらがやんわり止めた

 

「大丈夫よ。もう、付いていないから」

 

「あ、ありがとう。ううう~~~恥かしい……」

 

真っ赤になりながらそう言う千鶴を見て、やっぱりさくらは笑ってしまった

 

それから、スッと空を見上げる

 

「………千鶴」

 

囁く様に零れたその声は、小さく

聞こえるか、聞こえないかといった所だった

 

もし、聞こえていたならば………

 

「何?」

 

千鶴が、ちょことんと首を傾げる

 

聞こえていたならば……

 

「……びっくりした?私の事とか……千景の事」

 

「え……?」

 

一瞬、何を問われたのか分からないという感じに、千鶴が首を傾げる

それから、う~んと少し唸り

 

ぽつぽつっと語りだす

 

「……私は情勢に詳しい訳でもないし、思想とかよく分からないけど……今、長州が幕府の敵だって事は分かる。 薩摩は……微妙な立ち位置にいるんじゃないかな?少なくとも、味方…ではないよね? さくらちゃんが、その薩摩…っていうか、風間さん達と一緒に居たっていうのは……流石に、ちょっと驚いた、かな?」

 

足をぶらぶらさせながら、千鶴はそう呟いた

 

「……風間さんと、さくらちゃんがどういう関係だったのかは、分からないけど……」

 

一旦そこで話を区切ると、千鶴は持っていた湯呑をギュッと握り締めた

 

「……正直ね」

 

そして、微かに苦笑いを浮かべる

 

「いきなり、鬼とか…言われても……ねぇ?」

 

「……………」

 

一瞬、さくらの瞳が悲しげに揺れた

 

「………そう、ね」

 

殆どの人は鬼の存在を知らない

昔話に語り継がれている”鬼”の存在など……

 

「でも、はっきり言うとね。そっちよりもさくらちゃんの事の方が気になって。そっちはそこまで気に留めてないっていうか……」

 

あははと、千鶴が渇いた笑みを零す

が、さくらは気付いてしまった

千鶴の、その細い肩が微かに震えている事に

 

「………千鶴」

 

ああ…違う

本当は、怖いのだ

 

急に鬼だとかなんだとか言われて、怖くない筈が無い

 

それを必死に隠そうとしている

 

「千鶴……」

 

さくらの手が、そっと千鶴の肩に触れる

私は、気付いてあげられなかった

 

「……ごめんなさい」

 

自分の事に精一杯で、千鶴の”怖さ”に気付いてやれなかった

千鶴が驚いた様に、目を瞬かせた後、慌てて笑顔を作る

 

「え?ええ?何で、さくらちゃんが謝るの?」

 

「……………」

 

さくらは一度だけ、目を瞬きさせて、スッと柔らかく微笑んだ

 

「……何でもないわ」

 

「……そう?」

 

「ええ。だから、気にしないで」

 

そう言って微笑むさくらにつられる様に、千鶴も笑みを作った

 

「あ、でも…一つ気になってた事があるんだけど……」

 

そう言いながら、じっと千鶴がさくらを見る

さくらが、小さく首を傾げた

 

「何?」

 

千鶴は、少し考えた後、小さな声で耳打ちする様に

 

「風間さんとさくらちゃんは、恋人だったの?」

 

「……………………………え?」

 

さくらが、困惑した様に、目を瞬かせる

 

「いや、うん……何となくそうなのかなぁ~って思ったから…」

 

「……………」

 

恋人……

 

さくらが、悲しげに目を揺らした後、少しだけ視線を落とした

 

「……違うと、思うわ」

 

そう―――違う

 

傍に居るのが当たり前だと思ったけれど……

彼の傍に居て、ずっと付いて行くものだと思ったけれど……

 

違う

 

「私は……」

 

 

ギュッと着物を持つ手に力が篭る

 

 

 

      あの人の恋人にすらなれなかったのだから―――

 

 

 

 

ザァァァ……と、風が吹いた

 

さくらの長い髪が、風に揺られる

その髪に遮られて、顔がよく見えない

 

「……………」

 

千鶴は、少し考えて

 

「えっと……ごめんね?変な事聞いちゃって」

 

「……………」

 

微かに、さくらの口が動いた

 

それから、小さく首を振り

 

「……いいのよ。もう、終わった事だから…」

 

「……………」

 

何とも言えない空気が2人の間に流れる

 

「……………あ」

 

沈黙に耐えかねて、千鶴が何かを言おうとした時だった

 

「あっれ~?2人ともこんな所お茶?」

 

声のした方を見ると、境内の向こうの方から沖田と、その後ろに斎藤の姿があった

 

「あ、沖田さん。斎藤さん」

 

千鶴が慌てて顔を上げる

それに気付いたさくらも、小さく頭を下げた

 

沖田は特に気にした様子もなく、2人の傍までやってくると、ある一点に視線を落とした

 

「あれ?もしかして葛桜?」

 

「あ、はい」

 

どうやら、2人の間に置いてあった葛桜に目がいったらしい

 

「へぇ~僕にも頂戴」

 

「あ、どうぞ」

 

千鶴が差し出すと、沖田は嬉しそうににこっと微笑み、葛桜をひょいと取ると、そのまま口の中に入れた

 

「うん、美味しいんじゃない?」

 

「ですよね!」

 

それを聞いて、千鶴が嬉しそうにパッと顔を綻ばす

 

「あ、斎藤さんもどうですか?」

 

いきなり差し出された葛桜に、一瞬動揺の色を見せるが、直ぐに目を伏せ

 

「いや、俺は……」

 

「……いりませんか?」

 

千鶴が、しゅんと小さく肩を落とす

 

「あ~一君、女の子の好意は無下にするもんじゃないよ?」

 

「………っ」

沖田がにやにやしおながら、肘で斎藤を突い

沖田と千鶴を見て、斎藤がはぁ…と、溜息を付く

 

「……一つだけだ」

 

そう言うと、千鶴の手の上にある小皿から葛桜を手に取った

 

「は、はい!」

 

千鶴がパッと嬉しそうに顔を綻ばせた

それを見た、斎藤が微かに笑みを作る

 

「……あんたは、分かりやすいな」

 

「え……!?そ、そうですか……?」

 

何を指摘されたのか理解できた千鶴が、かぁ…と頬を赤らます

それを見ていた沖田が、けたけたと笑いながら

 

「あ~うん。君って直ぐ顔に出るからね」

 

「お、沖田さんまで……!」

 

千鶴が抗議をしようとした時だった

 

「あ……」

 

二つ目の葛桜を食べていた沖田が、何かを思い出した様にさくらを指差し

 

「そういえば、さっき伊東さんが君の事探してたよ?」

 

「………え!?」

 

さくらがあからさまに怪訝そうに顔を顰めた

 

伊東さん……?どうして??

 

「……前から思ってたけど……さくらちゃん、何かあの人に気に入られる様な事でもしたの?」

 

「い、いいえ……何も、してませんけど……?」

 

した覚えなど無い

というより、あの人の場合、会った瞬間からああだった

 

「その割には、気に入られてるよねー?」

 

「……嬉しくありません」

 

「だよねー」

 

複雑な心境でさくらがそう答えると、あはははと沖田が笑った

 

「まぁ、気にいられ度では土方さんが一番だろうけど!さくらちゃんも良い線いってるんじゃないかな?後は…一君とか」

 

ちらっと沖田が斎藤を見る

斎藤は不愉快そうに眉を寄せた

 

「あの…でも、疑問だったんですけど……」

 

千鶴がおずおずと手を上げる

 

「伊東さんって…その、男の人……専門だったんじゃないんですか……?」

 

沖田が驚いた様に目を瞬きさせる

が、次の瞬間吹き出した

 

「あはははは!!千鶴ちゃん、最高っ!!」

 

「え?ええ?」

 

千鶴が意味が分からないという感じに、首を傾げる

 

「千鶴……」

 

「雪村……」

 

さくらと斎藤が、微妙な顔で千鶴を見ている

 

「ええええ?」

 

ますます、意味が分からないと、千鶴が首を傾げた

 

沖田がひーひー言いながらお腹を押さえる

 

「違う違う!あの人どっちもいける人だよ!」

 

「えええええ!?」

 

「まぁ、どっちかっていうと、男の方が好きなんだろうけど。まぁ、強いてあげるなら”綺麗な人”好きってやつ?」

 

「綺麗な人……?」

 

思わず、まじまじと千鶴がさくらと斎藤を見る

そして

 

「ああ………」

 

千鶴!?嬉しくないわ……!その納得のされ方っ

 

何やら、納得してしまった様だ

 

「その点から言ったら、土方さんなんて格好の餌食だよね!一応、顔だけは綺麗だからさ!」

 

けらけらと笑う沖田だが……

 

沖田さん……

その冗談は、笑えません……

 

その時だった

 

「まぁぁ!!」

 

いきなり、どこからともなく奇声が聞こえた

 

思わず、4人が顔を見合す

そして、声のした方を見ると……

 

歓喜の余りほんのり頬を赤く染めた伊東が、目をキラキラさせてこちらを見ていた

 

「げ……」

 

沖田があからさまに怪訝そうにする

 

伊東は両の手を顔に当て「きゃー」と今にも叫びそうな感じで

 

「そこに居るのは……!もしや、私のさくらちゃんと、斎藤君っ!?」

 

「「……………」」

 

さくらと斎藤が、ヒクッと顔を引き攣らせた

 

「うっわーあの人”私の”とか言っちゃってるよ?」

 

沖田が、あり得ないという感じに、嫌そうに顔を顰めた

 

伊東は、ガシッと両手を合わせると天に向かって

 

「今日はもう会えないと思ってましたのに……っ。おお!神よ感謝します!!」

 

それから、キラッキラの笑みでバッと両手を広げ、そのまま―――

 

「さくらちゃぁぁ~~~~ん、斎藤くぅぅ~~~~ん!!!」

 

「うわっ!来た!」

 

沖田が臨戦体勢を取る

が、斎藤にぐいっと着物の襟首を掴まれる

 

「総司」

 

「千鶴」

 

さくらが、ガシッと千鶴の腕を取る

 

「「逃げるぞ(わよ)」」

 

そのまま、さくらが千鶴を、斎藤が沖田を引っ張る感じで脱兎の如く逃げたのだった

 

残された伊東が、「あん!もう!つれないんだからぁ!」とか、言ってたのは知る由も無い

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの人が出ると、いつも暴走します(-_-;)

あれは、もう、どうしようもない…

きっと、完全に薄桜鬼の伊東とは似ても似つかない人になりつつあるんで…

そこは、スルーして下さいwww

 

ああ!というか、ネタが1個投下出来なかった…∑( ̄口 ̄)

アレを入れようと思ってたのに~~~

労咳フラグの一環なのに…

健康診断の発覚前に入れないといけないのに~~

 

とりあえず、今回は、千鶴が鬼の事を気にしていたかという話

 

そういえば…土方さんまったく絡んでませんね…仕方ない

これでも、出番は増やしてるんだ!(と、言い訳してみる)

あ…でも、そろそろアレが…起きてもおかしくないんだよなぁ

 

2010/10/25