櫻姫抄乱
 ~散りゆく華の如く~

 

二章 斬人8

 

 

池田屋事件以来――――千鶴が外出を許される日が、だんだんと増え始めていた

土方は池田屋事件での、千鶴の働きを認めてくれたらしい

 

外に出られる機会が増えた事は、やっぱり素直に嬉しい

が、やはり居なくなったさくらの事が気になった

 

誰も、その事に触れようとせず黙っている

話を聞いた限り、どうやら全権を土方に任せているらしい

土方に聞けば、少しは進展があったか分かるかもしれないが、何となく聞き辛かった

何と言うか、聞いてはいけない気がした

というか、その日以来土方がぴりぴりしている様な気がした

いつも、不機嫌そうにしているが、それがいつも以上という感じだった

おかげで、その話をする事も出来なかった

 

 

あれから、月も変わり、七月――――

 

今日の巡察は原田の十番隊

千鶴は一緒に、巡察に同行させてもらっていた

 

「あの、原田さん」

 

千鶴は思い切って原田に聞いてみる事にした

きっと、何も聞かないよりもすっきりするかもしれない

 

「さくらちゃんの事なんですけど……」

 

そこまで言いかけて、思わず言葉を切った

原田がその名を聞いた途端、少し表情が強張った様な気がしたからだ

 

「あ…その、えっと…聞いたらいけませんでしたか?」

 

ちょっと出鼻を挫かれた様になり、口ごもる

 

原田は「あー」と声を上げながら微妙な面持ちで頭をかいた

 

原田がこうもはっきりしない態度を取る事も珍しい

それぐらい、言い難い事なのだろか?

 

「…あんまり期待すんなよ?」

 

「……はい」

 

原田は意を決した様に、ふぅっと一度息を吐き

 

「土方さんの話じゃぁ、正直、雲を掴む様な話だってさ」

 

「それって……」

 

「要は、何も分かって無いって事だな」

 

「そう…なんですか」

 

予想していた答えだが、やっぱり気落ちしてしまう

 

ちゃんと元居た所に帰ったのだろうか?

それとも、もう京に居ないのだろうか?

もしかして、変な輩に連れて行かれたという可能性もあるんじゃないだろうか?

もしくは、もう―――

 

悶々と考えていると、嫌な方へ考えが浮かぶ

 

原田がふっと苦笑いを浮かべ、ぽんっと千鶴の頭に手を置いた

 

「お前が落ち込んでどうする? さくらの事は俺らに任せて、お前は親父さんの事だけ心配してろ、な?」

 

そう言って、ぽんぽんと頭を叩かれた

 

「――――は、い」

 

何も出来ない自分がもどかしい

何か役に立ちたいと思うのに、全然役に立ててない――――

 

「ごめん、なさい」

 

千鶴の言葉に原田がちょっと面食らった様に目を瞬かせた

そして、ふっと笑みを作り

 

「ばーか、何、謝ってるんだよ。 お前が謝る事じゃないだろうが」

 

そう言って、ペシッと額を叩かれる

 

「うう……」

 

叩かれた所を摩りながら、千鶴がむぅっと頬を膨らませた

 

「ほら、行くぞ」

 

そう言って、ポンッと背中を押される

 

「あ、はい」

 

促されて、千鶴も慌てて小走りで先を行く原田に付いて行った

 

 

 

 

 

 

 

 

ふと、疑問が浮かんで千鶴は原田に話し掛けた

 

「新選組は京の治安を守る為に、毎日、昼も夜も町を巡回しているんですよね?それって……、具体的にはどういう事をしているんですか?」

 

こんな質問を気軽に出来るのも、原田が相手だからだ

新選組内には怖い人も少なくない

だから、面倒見が良い原田は希少な存在だと思った

 

「ま、ピンからキリまで大小様々だな。辻斬りや追い剥ぎは勿論、食い逃げも捕まえるし喧嘩も止める」

 

「食い逃げ……」

 

「商家を脅して金を奪おうとする奴等も、俺ら新選組が取り締まってるよ」

 

ちょっと意外だった

思っていたよりも、地味な仕事が多い

 

池田屋に突入する準備をしていた時、皆が凄く高揚していた理由も分かった気がした

あの池田屋事件は普段の仕事に比べ、本当に本当の大捕り物だったのだろう

 

ふと顔を上げて道の先を見ると、見慣れた羽織姿がこちらへ手を振っていた

 

「永倉さん!」

 

永倉は、千鶴達とは別の道順で巡察をしていた

 

「よう、千鶴ちゃん! 親父さんの情報、なんか手に入ったか?」

 

千鶴がふるふると首を振った

 

「今日は、まだ何にも」

 

思い出して気落ちしてしまう

そんな千鶴を元気付けるかの様に、永倉がバンバンと背中を叩いた

 

「……んな暗い顔すんなって!今日が駄目でも明日がある。そうだろ?」

 

「……はい!」

 

明るい口調で紡がれる言葉に、元気を分けてもらえる気がした

 

「で、新八。そっちはどうだ?何か異変でもあったか?」

 

「いんや、なにも。………けど、やっぱり町人達の様子が忙しいねぇな」

 

……言われて見ると、確かに町の人達の様子は少しおかしい

なんだか、そわそわしてる感じだ

 

「そういえば……、引越しの準備してる人も多かったですよね」

 

原田が納得した様に頷いた

 

「戦火に巻き込まれまいと、京から避難し始めてるって事か」

 

「え……?」

 

戦火って…どういう事……?

 

そういえば教えてなかったな、と永倉がその言葉に説明を加えた

 

「長州の奴ら京に集まってきてんだよ。その関係で、俺らも警戒強化中って訳だ」

 

「池田屋の件で長州を怒らせちまったからな。仲間から犠牲が出れば、黙ってられないだろう?」

 

長州は再び何かを起こそうとしている……の?

 

新選組は、京の治安を守る為に戦っている

あの池田屋事件でも、長州の過激浪士達から京の都を守りきった

けれど……

京の人々は、新選組に良い感情を持っていない

何故だか池田屋事件の後でさえ、長州の味方をする町人が絶えないらしい

勿論、新選組の評価は以前よりも高くなってきている様だが……

 

千鶴が口にしたその不満を、永倉はあっさりと笑い飛ばした

 

「京の人間は、幕府嫌いだから仕方ねぇって」

 

何でも無い事の様に言う

それが納得いかないという風に、千鶴がむぅ…とした

それを見た、原田が苦笑いを浮かべながら、ぽんっと頭を叩く

 

「どちらにせよ、俺達は俺達の仕事をする。長州の連中が京に来ても追い返すだけさ」

 

現状を事実として受け止め、それに対する不満を言わない

そんな所が、2人とも凄いと千鶴は思った

 

「対長州か……。もしかすると近いうちに、上から出動命令が出るかもしれねぇな」

 

新選組の上と言えば、会津藩だ

 

「それ、すごい事なんですよね?」

 

千鶴が尋ねると、原田も笑って頷く

 

「そんな機会、滅多に無いだろうな。折角だからお前も出てみるか?」

 

「えっ!?」

 

突然予想外の事を言われて、千鶴は思わず声を上げた

出るって……新選組として、出動するって事だよね……?

 

正直、千鶴が出たいと言っても、簡単に出られるものじゃないと思う

近藤や土方達は、新選組の代表として参加するんだろうが

 

「んー……」

 

戦場になるかもしれない場所に、物見遊山で参加するものではないと…思う

でも、皆と何かを一緒にしたいという気持ちも強かった

池田屋の時みたく、自分でも何か手伝いが出来るのだろうか……

けれど…戦場に出るのは、まだ怖い

 

「……ちょっとだけ、参加してみたいです」

 

色々考えた末、千鶴は原田達の言葉に頷いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――数日後

 

「失礼します」

 

千鶴は、大きめのお盆を手に広間へ入った

お盆に乗せているのは、幹部全員分のお茶

……準備に少し手間取ってしまったので、冷め気味なのも混じってるかもしれない

 

「すまねぇな、千鶴ちゃん。そうやってると、まるで小姓みたいだな」

 

永倉が笑いながら声を掛けてくれた

 

…………

 

……喜んで良いのか、悪いのか、ちょっと分からない

なんと反応したものか悩みながら、千鶴は皆の前にお茶を置いていった

 

「ありがとう、雪村君。…すまんねぇ、こんな仕事まで」

 

「あ、私なら大丈夫です。皆さんには、お世話になってますし」

 

井上の言葉に、千鶴はにっこりと微笑みながら答えた

 

仕事を与えてもらえる方が、ただ飯食らいよりも気が樂だった

 

お茶を一口飲んでから、何故か沖田は目を細めた

 

「……あの、お茶、渋かったですか?」

 

千鶴が心配になって尋ねると、彼は首を横に振り

 

「美味しいよ?……ちょっと温いけど、これくらい隙のある方が君らしいよね」

 

……………

 

「……すみません……」

 

引き戸が開いたのは、そんな時だった

現れた近藤が、朗々とした声を張り上げる

 

「会津藩から正式な要請が下った。只今より、我ら新選組は総員出陣の準備を開始する!」

 

おおっと、歓喜の声が広間に響いた

 

「ついに会津藩も、我らの働きをお認め下さったのだなぁ」

 

号令を掛けた近藤自身も、何だかとても嬉しそうだった

会津藩から直々の要請が届くというのは、やはりそれだけ重大な事なのだろう

浮き立つ皆とは対照的に、土方は苦い顔をしている

 

「はしゃいでる暇はねぇんだ。てめぇらも、とっとと準備しやがれ!」

 

どうやら長州の兵達は、既に布陣を終えているらしい

 

「ったく……。てめぇの尻に火が付いてから、俺らを召喚しても後手だろうがよ」

 

土方は吐き捨てる様に愚痴を零した

その気持ちは、千鶴にも少し分かる気がした

どうせ手助けが必要になるなら、早い段階で声を掛けて欲しいものだ

 

「沖田君と藤堂君は、屯所で待機して下さい。不服でしょうが、私もご一緒しますので」

 

山南は軽く左腕をさすって目を伏せた

 

「君達の負傷が癒えて無い様に、私の腕も思う様に動きませんから」

 

……………

 

そういう事を言われると、凄く反応に困るだろう

けれど……

 

「傷が残ってるて訳じゃ無いですけどね、僕の場合。でも、確かに身体が本調子じゃないかな」

 

沖田は、彼の自嘲をさらりと受け流した

 

「オレだって別に大した怪我じゃないんだけど。近藤さん達が過保護過ぎるんだって」

 

藤堂は、ぶつぶつと不満を口にした

 

山南の言葉を気にした様子が無いのは、きっと慣れてしまったからだろう

 

「大した怪我じゃないとか嘘吐くなよ。昨日も傷口に薬塗られて悲鳴上げてただろう」

 

「うわ、そういう事言う!?左之さんは武士の情けとかないの!?」

 

……………

 

詰る所、藤堂の怪我は、やはり治りきってないらしい

 

「けど、本当の事だろ?」

 

「……せめて女の子の前では、黙ってくれてたっていいじゃん」

 

ちらっと藤堂が千鶴を見た

 

「……あ、別に大丈夫だよ?痛いものは痛いんだと思うし」

 

千鶴が何でもない事の様に手を振った

そう言うと、藤堂がガクッとうな垂れ、その背中をポンッと原田が叩いていた

 

……………?

 

前髪で上手く隠れているが、額の傷跡はとても痛々しいものだった

 

その時、不意に永倉が口を開いた

 

「そういえば、千鶴ちゃん。もし新選組が出陣する事になったら、一緒に参加したいとか前に言ってたよな?」

 

「………え?」

 

確かに、そう言った気がする

 

「でも、あの………」

 

そんな簡単に参加出来るものじゃないのは、ちゃんと分かっているつもりだ

下手な事を言って皆を困らせたくなくて、千鶴は直ぐに否定の言葉を探したのだが……

 

「おお、そうだな。こんな機会は二度とないかもしれん」

 

「―――えっ!?」

 

何故か近藤は、あっさりと賛成してくれた

 

「うわ、いいなぁ~、千鶴。折角だしオレの分まで活躍してきてよ」

 

「―――か、活躍っ!?」

 

藤堂に持ち上げられて動揺する千鶴を見て、土方は呆れた様な溜息を吐いた

 

「今度も無事で済む保証はねぇんだ。お前は屯所で大人しくしてろ」

 

「君は新選組の足を引っ張るつもりですか?遊びで同行していいものではありませんよ」

 

う……

山南さんの冷笑が怖い

 

「山南総長。それは―――、彼女が迷惑を掛けなければ、同行を許可するという意味の発言ですか?」

 

「え?」

 

斎藤の思わぬ助け舟に、千鶴は目を瞬いた

でも、山南の方がもっと驚いた様だった

 

「……まさか斎藤君まで、彼女を参加させたいと仰るんですか?」

 

確かめる様に尋ねれば、斎藤は緩く首を左右に振った

 

「彼女は池田屋事件において、我々新選組の助けとなりました。働きのみを評価するのであれば、一概に足手まといとも言えないかと」

 

……………

……なんだか、照れてしまう

まさか、斎藤が自分を褒めてくれるなんて思わなかった

 

「よし、分かった!君の参加に関しては俺が全責任を持とう。勿論、同行を希望するのであれば、だが」

 

近藤がポムッと膝を叩いた

 

「あ、あの………」

 

……いいのかなぁ

山南さんは、まだ納得してないみたいだし……

 

救いを求めて目線を彷徨させると、沖田が助け舟を出してくれた

 

「戦場に行くんだって分かってるなら、後は君の好きにすればいいと思うよ」

 

……………

 

助け舟というには若干、投げやりな感じがしないでもない

 

千鶴は少し考え

 

「じゃぁ、私……」

 

池田屋の時みたいに、何か役に立てればいい

そう思いながら千鶴は頷いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        ◆          ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――薩摩藩邸

 

カーンと鹿威しが鳴る茶室でさくらは茶を立てていた

 

スッと、点てたての茶を風間に差し出す

風間は無言のままそれを受け取ると、ぐっと一飲みで飲み干した

 

「不味い」

 

そう言うと、風間は茶碗を床に置いた

 

「千景はそればかりね」

 

さくらの点てる茶が総合的に下手という訳ではなく

単に、風間が茶が嫌いなだけだ

 

「ねぇ……」

 

さくらは空になった茶碗を受け取り、懐紙で拭きながら

 

「いいの?行かなくて」

 

「…………」

 

風間は答えなかった

何も答えず、ずっと庭の方を見ていた

 

「千景」

 

さくらが尋ねる様に声を掛けると、風間はゆっくりとさくらの方を向いた

 

「天霧はもう行ったわよ?」

 

「知っている」

 

朝方、薩摩藩の要請で天霧は藩邸を出た

今頃、恐らく蛤御門辺りに陣を張っているだろう

 

「……別に、行けって言ってる訳じゃないわよ?」

 

「……ああ」

 

「ただ、このまま千景が勝手な行動しないか心配なの」

 

「……………」

 

風間は答えなかった

 

勝手な行動をして、後で問われるなら最初っから、命令に従って居た方は幾分マシだ

だが、風間はその招集の命にも従う気はないらしい

 

はぁ…と、さくらが重い溜息を付いた時、スッと風間が立ち上がった

 

「千景?」

 

「……ふん。そんな辛気臭い顔で茶を点てられたらさらに不味くなる」

 

そう言い放つと、スタスタと茶室を後にした

 

「…………」

 

はぁ…と、もう一度さくらは大きな溜息を付いた

 

「辛気臭いって…他に言い様は無い訳……」

 

自分が浮かない顔をしている事は自覚している

恐らく、かなり沈んだ顔をしていると思う

 

風間も心配だが天霧も無理をしないか心配だった

それに長州方にいる不知火

それから――――

 

「新選組も…出てる…わよ、ね」

 

きっとあの人たちも無理をする

特に、近藤辺りなどは張り切って無茶をするんじゃないだろうか

それを諌める、土方の姿が容易に想像出来た

 

「戦なんて…しなければいのに……」

 

さくらの声は、吹いた風にかき消えた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                        ◆          ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――新選組は大急ぎで支度を済ませ、伏見奉行所まで辿り着いた

この奉行所には長州との戦いに備ええ、京都司所代の人々が集まっているようだった

 

隊の先頭に立っていた近藤が、門の傍にいる役人に近づいた

 

「会津中将松平容保様お預かり、新選組。京都守護職の要請により馳せ参じ申した!」

 

松平容保というのは、会津藩主と京都守護職の長

その両方を兼ね備えている人物だ

 

けれど……

その役人は、新選組の名前を聞いても、訝しる様に眉を寄せるだけだった

 

「要請だと………?その様な通達は届いておらん」

 

「―――え?」

 

届いてないって……そんな……

 

千鶴の洩らした呟きが聞こえたのか、斎藤が吐息と共に小声を零した

 

「内輪の情報伝達さえままならないとは、戦況に余程の混迷を呈したと見える」

 

「戦況に混迷って……」

 

斎藤に合わせて、千鶴もこそこそと小声で返す

 

「……幕府側の勢力が、長州側に押され気味だって事ですか?」

 

「そうとも限らん。……しかし、敵方には翻弄されてはいるのだろうな」

 

「……………」

 

所司代は、守護職の部下に当たる

でも、守護職は会津藩の仕事で、所司代は桑名藩の仕事だ

藩同士の関係などよく分からないが、色々と複雑事情があるらしい

少なくとも会津と桑名が、特別仲が良いとは聞いた事ない

 

何にせよ今の状況は、あまり良いものではなかった

 

「しかし、我らは正式な書状もある! 上に取り付いて頂ければ―――」

 

「取り次ごうとも回答は同じだ。さぁ、帰れ! 壬生狼如きに用はないわ!」

 

「っ………!?」

 

取り付く島もない

 

そんなの酷いと千鶴は思った

手が足りないと言ってきたのは役所の方なのに……

 

唇を噛んだ千鶴の肩を、ぽんっと原田が叩いてくれた

 

「ま、お前が落ち込む事じゃないさ。俺達の扱いなんざ、こんなもんだ」

 

「う……」

 

確かに千鶴は、正式な新選組の人間じゃない

でも、その千鶴が悔しいと思っているのだから、きっと原田達はもっと悔しい筈だ

 

「俺らが所司代に対して下手に騒げば、会津藩の顔を潰しちまうかもしれないな」

 

「あ………」

 

千鶴は言われてハッとした

 

新選組が桑名藩に歯向かったなどと言われたら、直接の上司の会津藩にも迷惑が掛かる

 

……だから、あまり強く言い返せないんだ

 

「近藤局長、所司代では話しになりません。……奉行所を離れ、会津藩と合流しましょう」

 

斎藤が進言すると、近藤も渋々んがらも頷いた

 

「うむ……。それしかないな。守護職が設営している陣を探そう」

 

そして、新選組は会津藩の陣営を探しに移動し始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

禁門の変編開始です

といっても、まだ戦ってませんけど・・・(-_-;)

 

殆ど、夢主が出てこないです

あの子の出番はもうちょっと後なので・・

 

2010/04/04