華ノ嘔戀 ~神漣奇譚~

 

 序ノ章 ”審神者” 17 

 

 

沙紀は一人、石上神宮の本殿に来ていた

辺りはもう薄暗くなり、もう少ししたら小野瀬の言う“本丸”という所に行くことになる

その前に、一人心を落ちつかせたかったのだ

 

拝殿の後ろにある禁足地のさらに奥――――神に最も近しい神域

そして、沙紀の身体に宿る“布都御魂剣”が奉納されている場所

 

沙紀はゆっくりと手を合わせるとその躑躅色の瞳を閉じた

ただ、静かに祈る

 

皆の無事を――――

何事も無く、無事に任を全う出来るように――――と

 

ただ ただ、静かに祈った

 

ザァ……と粉雪の混じった風が吹く

 

沙紀はゆっくりとその瞳を開けると、天を仰いだ

遠くの方に、星がきらきらと瞬いているのが見える

 

「……………」

 

そろそろ戻らなければ……

皆に心配を掛けてしまう

 

それは、沙紀のよしとする所ではなかった

 

そう思って、屋敷の方へ向かおうとした時だった

 

 

―――――――…………

 

 

「……え…?」

 

ふと、何かが呼ぶ声が聴こえた気がした

一瞬、気のせいかと思い首を傾げる

 

辺りはしん…と静まり返り、粉雪だけがはらはらと舞っている

沙紀以外の誰もその場にはいない

 

「………………」

 

気のせい……?

 

だったのだろうか……

そう思おうとした時だった

 

 

―――――――…………

 

 

また どこからともなく声が聴こえた気がした

酷く、哀しげな…何かを呼び掛けてくるような声―――……

 

「……どなた、です、か…?」

 

沙紀がそう問いかけてみるが、その声に返事はなかった

でも、何故か酷く気になる声だった

 

瞬間、ふとその声がある方向から聴こえている事に気付いた

そちらの方を見ると、その先にはこの石上神宮の禁足地の南西隅に建っている神倉の屋根が見えた

 

石上神宮には数多くの神宝が祭ってある

 

勿論、御神体である布都御魂大神の宿る そして沙紀の持つ神代三剣のひとつである布都御魂剣

それ以外に、古代倭王家に仕えた豪族物部氏が所持していた品であり、石上神宮に伝来した古代の鉄剣・七支刀

くわえて、十束の長さの剣という意から “十束剣”と呼ばれる神剣たちも数多く祀られており、三種の神器である草薙剣以外の神剣の殆どがこの神宮には祀られた

また、同宮の配祀神の一柱である五十瓊敷命が千振りの剣を奉納したことから、「剣を祀る社」としても有名であった

 

それらの神宝が厳重に保管されているのが、禁足地の奥にある神倉なのだ

 

基本、巫覡達すら近づくのを憚られる場所である

沙紀は、立場上 父の一誠と何度か訪れた事はあるが…

それは、有事の際や神事で神宝が必要な時だけで、基本的にはひとりで近づく事はまずない

 

その神倉の方から声が聴こえているのだ

 

そんな筈ない――――

あの場所には人は近づかない

 

でも、この声は間違いなく神倉の方から聴こえている気がした

 

「……………」

 

周りには誰もいない

こんな事なら、鶴丸に同行を頼むのだったと今更思うが、もう後の祭りだ

 

かといって、このままこの声を無視して戻るのも憚られた

 

「……………」

 

沙紀は少し考えた後、ゆっくりと神倉の方に向かって歩き始めた

ざわざわと、風が音を立てる

 

声がまるで自分を呼んでいる様な――――

そんな気がしてならなかった

 

なにか、ざわざわと胸騒ぎがする

こんな気持ちのまま、新しい任地へ赴くなど出来そうになかった

 

沙紀は、ごくりと息を飲むと目の前に広がる大きな二戸前の校倉造の建物を見上げた

やはり、気のせいではない

この中から、この“声“は聴こえている気がした

 

「……………」

 

沙紀は少し戸惑いながらも、ゆっくりと二戸の前に進むと、そっとその戸を押した

戸が、きぃ…と軋む音を立てながらゆっくりと開いていく

 

それは、他者から見れば異常な光景だったかもしれない

それはそうだろう

この神倉には結界が幾重にも施されており、常人では近づく事さえ叶わないのだ

だが、沙紀には意味をなさなかった

 

何故なら、この結界―――

いや、石上神宮に関わる結界は歴代の“神凪”が施してきた代物だ

つまりこの神倉の結界も当代“神凪”である沙紀が施したものであり、沙紀自身が触れる分には何の意味も成さないのだ

 

だが、この事実を知るのもごく僅かの人間のみである

殆どの巫覡も巫女も知らない

そもそも、“神凪”の存在自体“隠された”存在であり、沙紀の事を知る人物はほんの一握

 

なので、沙紀は屋敷以外や神域以外で一人になる事は決してしなかった

それは、必ず誰かを伴う――――

それが、父・一誠との約束だった

 

そう――――そう約束した筈だった

だから、“これ”は“いけないこと”だと分かっていた

 

沙紀の“安全”の為にも、僅かでも“疑われない”為にも――――……

本来ならば誰か人を呼ぶべきだった

 

だが、沙紀にはどうしても“声の主”が気になった

“呼ばれている”―――――……

そんな気がしてならなかったからだ

 

沙紀がゆっくりと神倉の中に足を踏み入れる

きし…と、床が軋む音が耳に響いた

と――――その瞬間、それは起きた

 

 

 

――――――きいい……ばたん

 

 

 

「え……?」

 

突然、神倉の二戸が風も無いのに閉まったのだ

刹那、ぞくっと何か悪寒の様なものが背筋を走った

嫌な予感がして、慌てて戸に駆け寄る

 

ぐっと押してみるが―――――

 

「開かない………?」

 

そんな筈ない

この神倉の戸の鍵は“沙紀自身”なのだ

沙紀が触れて開かない筈がない

 

なのに、ビクともしないのだ

まるで、何かが沙紀をここから出さない様にしているかの様に――――……

 

「…………っ」

 

思わず、どんっと戸を叩く

だが、やはりビクともしない

 

「――――ど、どなたか……っ、どなたかいらっしゃいませんか!?」

 

そう叫ぶも、返事はなかった

 

分かっていた事だ

ここは、神域―――― 一般人や巫覡ですら無暗に立ち入らない場所……

 

しかも、もう日が暮れようとしているこの時分に、誰かがここを通るなどあり得なかった

見回りの者が来る時間まで誰も近寄る事はない

 

沙紀の顔色がどんどん青くなる

今までに味わった事のない恐怖が沙紀の中に襲ってきた

 

「……………」

 

ずるりとその場にへたり込む

 

「どう、し、たら………」

 

このままではここから出る事すら叶わない

いや、約束の時間に間に合わなくなってしまう……

 

絶対に遅れないようにと、小野瀬に釘を刺されていたのに…

 

瞬間――――………

 

 

―――――………………

 

 

 

「…………っ」

 

 

また、あの声が聴こえた

沙紀を呼んでいる 奥の方から――――……

 

「……………」

 

沙紀は、ごくりと息を飲んだ

空気がぴん…っと、張り詰める

 

もし…この“現象”を起こしているのが、この“声の主”だとしたら――――……

 

きっと“見つけるまで”この戸は開かない

でも………

 

ぎゅっと沙紀は両の手を握り締めた

 

怖い……

一人なのが酷く心細い

 

こんな気持ち忘れていた

ここ最近は、鶴丸や山姥切国広や―――皆が傍にいたから……

“一人”である事を忘れていた

ずっと……ずっと“一人”だったのに………

 

「………りんさんっ……」

 

思わず、声が零れる

 

寂しい……

誰も傍に居てくれていない事が、酷く“寂しい”

 

その時だった

 

 

――――――…………

 

 

 

まただ

また、あの声が聴こえた

 

沙紀はごくりと息を飲んだ

声は、この神倉の奥から聴こえて来ている

 

「………………」

 

このままここで震えていても何も解決しない

ならば……

 

沙紀はゆっくり立ち上がると、そのまま神倉の奥に足を踏み入れた

ゆっくりと、ゆっくりと足を進める――――……

 

声が…徐々に近くなっていく

 

分かる――――……

探さなくても感じる

 

この声の主が呼んでいる場所が……

 

そこは、小さな小部屋の中からだった

 

「ここ……?」

 

確かの声はこの先の小部屋から聴こえている

だが――――……

 

何かが違う

それが何かは分からない

分からないが――――……

 

何とも言えぬ違和感に、沙紀は小さく首を傾げた

何かが違う―――――沙紀の直感がそう告げている

 

これは、本当に呼んでいる主がこの先にいるのか……

もっと別の何かが呼んでいる様な―――――?

 

この小部屋への戸を開けるべきなのか…

開けずにおくべきなのか……

 

「……………」

 

沙紀は少し悩んだ後、そっとその小部屋の戸に手を掛けようとした時だった

 

 

 

「沙紀っ!!!」

 

 

 

不意に沙紀の名を呼ぶ声が聴こえたかと思うと、後ろから抱きしめられる様にその手を止められた

 

突然のその行動に、沙紀が一瞬「え…?」と声を洩らす

 

はっとして振り返ると、どうしてここにいるのか…

鶴丸が沙紀を片手で抱きしめながら、沙紀の小部屋を開けようとしていた手を止めていた

 

「り、ん、さん……?」

 

何故ここに……?

という疑問の前に、鶴丸の姿を見た瞬間―――― 一気に緊張の糸が途切れた様に涙がぽろぽろと零れ落ちてきた

 

「………っ、りんさん……っ」

 

不安で怖かった気持ちが一気に押し寄せてくる

それを見た鶴丸は微かに笑みを浮かべながら、優しく沙紀の頭を撫でた

 

「馬鹿野郎…無理しやがって……」

 

「っ……う、ああ……」

 

心細かった

怖かった

一人があんなにも辛い事だと知らなかった

 

沙紀は嗚咽を洩らしながら、鶴丸にしがみ付く様に顔を埋めた

それを鶴丸が優しく沙紀の背を撫でた

 

「沙紀……」

 

沙紀の零れる涙の雫を拭う様にその躑躅色の瞳に口付けすると、鶴丸はゆっくりと沙紀の肩を抱いた

 

「ほら、他の連中も心配してる…戻るぞ」

 

「……っ、は、い……」

 

沙紀がこくりと小さく頷く

瞬間、またあの声が聴こえた気がした

 

「あ………」

 

沙紀がはっとして、足を止めかける

が、鶴丸はその声に反発する様に沙紀の肩をぐいっと抱くと

 

「いい、この声はあいつ自身じゃないから気にするな」

 

「え………?」

 

沙紀が、驚いた様に顔を上げる

 

「りんさんにも聴こえるのですか……?」

 

沙紀の問いに鶴丸は微かに笑みを浮かべると、そのまま沙紀を連れて神倉を出た

 

結局あの声は誰だったのか……

その答えが分からないまま、沙紀は後ろ髪引かれながらもその場を後にしたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           ◆          ◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――夜・石上神宮境内

 

辺りはしん…と静まり返っていた

その中で篝火が焚かれた一角だけが異様な空気を放っていた

 

その中心には方陣の描かれた“装置”と呼ぶべきか…

“ここ”には似つかわしくない代物が置かれていた

 

「…………」

 

沙紀が不思議そうに首を傾げた

 

システムの問題上てっきり屋内かと思ったのだが…

ここは境内の一角で、その装置は外に準備してあったからだ

 

すると小野瀬は「ああ…」と何かを悟った様に頷き

 

「今回だけだよ、ここから飛ぶのは」

 

「え?」

 

「んーここの神宮に設置させてもらってる転送装置は屋内にあるよ。 ただ、この人数を一気に転送出来るほど大きなものじゃないんだ。 今日は人数多いし、今日だけこの場所借りたんだよ」

 

「そう、なのですか?」

 

確かに今日は自分含め、他5人いる

多いと言えば多いが……

 

「そ、ここの装置は2~3人用だね。 あ、本丸のは6~7人ぐらいなら全然大丈夫だよ~安心して」

 

「はい……」

 

そういっても、受け入れる先が対応していなければ意味がない気がするのだが……

その点はどういう事だろうか……?

 

沙紀がますます分からない…という風に首を傾げていると

隣にいたこんのすけが「主さま!」と叫んだ

 

「こんのすけ、どうかしたの?」

 

沙紀がそう名を呼び、こんのすけを撫でると

こんのすけは嬉しそうに尻尾を振りながら

 

「“本丸”の転送装置は現代と行き来の他に過去へも行けるのです!! 過去へ刀剣男士を送る時、基本6人編成の部隊になりますから……」

 

「そう…なの?」

 

「はい」

 

と、こんのすけが誇らしそうに頷く

言われた瞬間、沙紀は皆の方を見た

山姥切国広に、燭台切、一期一振、大倶利伽羅、そして――――鶴丸

ここにいるのは5人だ 1人足りない計算になる

勿論、その編成の数には沙紀は入っていないだろうし……

どちらにせよこのままでは任務をこなせないという事になる

 

最低でも、もう1人は顕現させなければいけない…という事よね……

それは、どうすればいいのだろうか…?

 

小野瀬は何と言っていただろう?

“他の刀剣男士を顕現させる為の刀を探すなり、鍛刀するなりして欲しい“

“探す”…というのもよく分からないが、“鍛刀”するとはどういう事だろうか……?

 

沙紀がよく分からないという風に首を傾げている時だった

不意に風が凪いだかと思うと、ざわっと樹々がざわめいた

 

「―――――時間だね」

 

小野瀬の声が響いた

空を見上げると三日月が丁度真ん中に来ていた

 

「うん、丁度いい刻限だ。 君達、方陣の中に入ってくれるかな? 今から転送するよ」

 

「え……」

 

思わず沙紀が驚いた様に声を上げる

何とも唐突な申し出ではないだろうか

 

だが、小野瀬は構わず手招きすると、沙紀達を描いてある方陣の中心に押し込んだ

その瞬間、ぼぅっ…と、足元の方陣が蒼白い光を放ち出す

 

「あ、あの……!」

 

まだ、詳しい事を何も聞いていない

沙紀が慌てて声を上げると、小野瀬は「大丈夫 大丈夫」とだけ答えて何かのボタンを押した

瞬間、沙紀の前に電子パネルが展開される

見たことものない文字の羅列が並んでいる

 

沙紀が戸惑っていると、そっと鶴丸が沙紀の右手に触れた

 

「え…? りんさん……? あの…」

 

訳が分からず、沙紀が戸惑いの色を見せると、鶴丸はさも当然の様に

 

「いいから、俺の言う通りにしろ」

 

「は、はい」

 

鶴丸は沙紀のその右手をあるパネルの前にかざした

その瞬間、それは起こった

 

ブーンと、何かが沙紀の右手を解読し始めたのだ

 

初めての感覚に、沙紀が困惑する

 

 

“認証を開始します”

 

 

何処からともなく音声が聴こえたかと思うと、沙紀の周りに円陣が展開された

 

「り、りんさん……っ」

 

なんだか、自分の身体に何が起きているのか分からず、沙紀が思わず声を洩らす

すると鶴丸は沙紀を安心させるかの様に、その肩に手を置き

 

「安心しろ、沙紀がこの先にある“本丸”の“審神者”である事を記憶しているんだ。 これからは、沙紀自身が“鍵”となり門が開く様になる」

 

「え?」

 

どういうことだろうか?

そうこうしている内に、解読と記憶が終わったのか、蒼かった円陣が緋色に変わっていく

 

 

“記憶完了。 当”本丸”の“審神者”である事を確認。 ―――――転送します“

 

 

そう聴こえた瞬間、身体が宙に浮いた様な感覚に囚われた

 

「あ………」

 

はっとして方陣の外を見ると、小野瀬が手を振っていて

その後ろで、一誠が複雑そうな顔で笑っている

 

「おとう―――――……」

 

“お父様!”と、言おうとした瞬間、意識が飛ぶような感覚に襲われた

 

そのまま沙紀の意識が掻き消えたのだった――――……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………沙紀」

 

誰かの声が聴こえる

 

「………来てしまったのだな…」

 

どことなく、哀しげな

そして、笑みを含んだ様な声

 

だ、れ……?

 

確かめたいのに、目が開けられない

だが、この感覚には覚えがあった

 

あの夢の人―――――……

 

美しい神秘的な顔をした、三日月の様な人――――

そう、名前は――――……

 

 

 

 

「沙紀!!!」

 

 

 

その時だった、自分を呼ぶ声が大きく聞こえて沙紀は、はっと目を覚ました

 

「あ……」

 

気が付くと、沙紀は鶴丸の腕の中にいた

 

「り、ん…さん……?」

 

辺りを見ると、燭台切や、山姥切国広や、一期一振も心配そうにこちらを見ていた

 

「皆さん……」

 

「よかった…っ! 沙紀くんが目を覚まさないから心配したんだよ」

 

「……無事、なのか?」

 

「沙紀殿、目を覚まされて良かったです……」

 

沙紀が皆を見ると、燭台切と山姥切国広と一期一振がそれぞれに口を揃えて声を掛けてきた

 

「沙紀、お前は初めての転送に驚いて気を失っていたんだ」

 

「りんさん……」

 

鶴丸の言葉でようやく理解した

どうやら、自分は気を失ってしまっていた様だった

その為、皆に心配を掛けてしまった

 

なんだかそれが申し訳なく感じ、沙紀は皆に頭を下げた

 

「ごめんなさい…ご心配お掛けして…」

 

沙紀がしょんぼりとしながらそう謝罪の言葉を述べると、誰しもが「そんなことはない」と口を開いた

 

その時だった

 

「なんだ、ここは…」

 

遠くの方から、大倶利伽羅の声が聴こえてきた

言われて辺りを見渡して、沙紀は はっとした

 

目の前に広がるのは、雪と桜の舞う世界――――

そう―――あのいつも夢で見る風景そのものだった

 

 

「ここ……」

 

 

ゆらりと、沙紀が起き上がる

 

 

 

「沙紀…?」

 

 

 

沙紀の変わった様子に鶴丸が、その金色の瞳を瞬かせる

だが沙紀はそのまま立ち上がると、もう一度辺りを見渡した

 

桜の樹々から、舞い散る白い花弁が はらはらと降る雪に溶け合う

天には夜空が広がり、中央には真っ白な三日月

そして、その世界の奥の方に見えるのは神殿様式で建てられたであろう武家屋敷があった

 

そして、その門前に立つ者が一人―――――……

 

あれは……

 

三日月の紋に青い衣の美しい面持ちをした青年がそこにはいた

その美しい青年風の男は、寂しげに笑みを浮かべると ただ一言

 

 

「…………あれほど、“ならぬ”と申したのに……そなたはやはり来てしまったのだな」

 

 

 

「……………」

 

そう―――そこにいたのは……

夢で何度も見た

 

 

 

   「三日月さん……」

 

 

 

 

 

            三日月宗近 その人だった――――……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

大変長らくお待たせしました(((;°▽°))

やっと、序章・完です

 

え?終わってない?

いやいや、終わりですよん

 

後は、本編にうつりまーす(`・ω・´)キリッ

ではでは~~~~~( ´∀`)/~~

 

2016/08/09