MARIKA

-Blue rose and Eternal vow-

 

  Act. Ⅱ アーロンパーク 22

 

 

「にゃははははは!! お前らなんか、まとめてあいつ・・・のエサになれェ~! 出て来い、モーム!!!!!」

 

 

瞬間―――――プールに渦が発生したかと思うと――――・・・・・・

 

ざぱああああああん!!! という、音と共に巨大な海王類が――――――

 

 

 

 

「あら?」

 

 

「ん?」

 

 

「なんだ、あいつか」

 

 

そこに現れたのは海王類――――――な、の、だが・・・・・・

それは、数時間前にルフィとサンジとレウリアの尊き犠牲になった

頭にコブを作ったあの牛の怪獣だったのだ

 

それに、驚いたのはレウリア達ではなく――――

 

 

「出たァ~~~~~~~っ!!! 怪物だァ~~~~~~~っ!!」

 

 

と、涙を流しながら叫ぶ、ウソップ

とは裏腹に・・・・・・

 

 

 

モォ~~~・・・・・・

 

 

 

ボロボロの姿になった、海王類・モームの姿だった

 

「は・・・・・・・・・・・・?」

 

ハチが一瞬モームの予想外の姿に、目を点にする

モームは、まるでハチ達に助けを求める様に、涙をぽろぽろ流していた

が・・・・・・

 

モームの視界にルフィとサンジとレウリアの姿が入った瞬間――――

何かにおびえる様に、モームが震えながらボロボロと涙を流し始める

 

モームの脳裏に、ルフィに殴られ、サンジに蹴られ、レウリアの竜巻に巻き込まれた記憶が鮮明に蘇ってくる

 

 

 

ンモォ・・・・・・・・・!!!!

 

 

 

これ以上、やつらに関わってはいけない

本能的にそう察したのか・・・・・・

ぎくりと、肩を震わせるとそのまま、そろ~~~~~とUターンして海底へ戻ろうとした

 

ハチが慌ててモームを引き留めようと叫ぶが――――

モームはもう とにもかくもこの場から去りたくて仕方なかった

 

瞬間

 

 

 

「モーム・・・・・、てめェ 何やってんだ」

 

 

 

怒気の混じったアーロンの声がモームの耳に響いた

びくううううう!!! と、モームがガタガタガタと震えながら止まる

 

「まァ、お前が逃げてェんなら、引き止めはしねェが?」

 

アーロンの声が更に低くなる

鋭い眼が自身に向けられているのを感じてモームは更にガタガタと震えだした

 

 

「なァ、モーム」

 

 

にやりとアーロンがその口元に笑みを浮かべる

分かってはいるのだ

アーロンには逆らえない

たとえ相手が自分をぼっこぼこにしたルフィ達であろうと

 

逆らう事は――――――・・・・・・

 

「ウ・・・・・・ウウウ・・・・・・」

 

本当は、怖い

相手はいとも簡単に自分を殴り飛ばしてきた奴らだ

出来る事ならこのまま去りたい

去って、どこか静かなと所へいきたい

 

しかし、ここは“偉大なる航路グランドライン”ではない

勿論、そのそばにある“凪の帯カームベルト”もない

 

行く場所など――――ないのだ  “ここ”以外に

 

「ウ・・・・・・ヴヴヴヴ・・・・・・」

 

そう――――

たとえ、相手が強者であっても――――

アーロンより怖いものなど・・・・・・いない!!!

 

 

 

 

 

「モ‟オオオオオオオオオオオオ!!!!!」

 

 

 

 

 

ザバアアアアン!!!!

という大きな音共に、モームがルフィ達めがけて突進してきた

 

「よっしゃ、モームに続けェ!!!!」

 

「出しゃばった下級種族の末路を教えてやる!!!」

 

それに呼応する様に、他の魚人(その他)が一斉に襲い掛かってくる

 

ウソップが

 

 

「きたァ――――――!!!!!」

 

 

と、ひとりあわあわしていたが・・・・・・

 

ゾロは、無表情のまま刀の鯉口を切り

サンジは、タバコを一度吹かすとその口元に笑みを浮かべた

そして、レウリアは小さく息を吐くと、ぱちんっと指を鳴らしてネフェルティを呼んだ

 

ほぼ3人とも、臨戦態勢状態だった

 

と、その時ルフィが両の手の拳をゴチィン!!と合わせると

鼻息荒くしながら

 

 

「おれがやる!!! 時間のムダだ!!!」

 

 

そう言うなり、ルフィは両足を何故か思いっきり伸ばしたかと思うとコンクリートの床にめり込ませた

 

「何をする気だ、あんにゃろ」

 

ルフィの謎の行動に、サンジがそうぼやく

すると、ゾロが不可解そうな顔をしながら

 

「いい予感はしねェな」

 

「・・・・・・いい予感どころか、悪い予感しかしないのだけれど」

 

と、レウリアが数歩後ろへ下がった時だった

 

そんな会話がされているとは露とも思わないルフィは、そのまま自身の身体をネジ巻きのようにぐるぐるぐると勢いよく巻き始めた

 

「あ、なんかわかった気が・・・・・・」

 

レウリアが、嫌そうな顔をして、もう数歩後ろへ下がる

それに気づいたサンジが不思議そうな表情を浮かべ

 

「リアさん? 一体どうし―――――・・・・・・」

 

「・・・・・・げた方が、いいと思うのよね・・・」

 

「は? お前何言って―――――」

 

ゾロが訝しげに眉を寄せたその時だった

突然、ルフィが「ふん!!!!」という掛け声とともに、モームの角の部分をゴムゴムで伸ばした腕で捕まえた

 

その瞬間、モームがおびえたように「モ”・・・・・・」と弱々しい声を上げて、その目に涙を流し始める

だが、ルフィはお構いなく、そのままぐぐぐぐっと全体重をかけてその角ごとモームを引っ張った

徐々にあの大きなモームの身体が海水から浮き出てくる

 

その様子を見て、別に意味でやばいと思い始めたレウリアとは裏腹に、魚人達はその伸びたルフィの腕を見て驚愕の声を上げた

 

「腕が伸びた・・・・・・!!?」

 

ハチが間抜けにもぽか―んとして、そう洩らすのと

アーロンが顔色変えるのは同時だった

 

「あれは・・・・・・っ、“悪魔の実”の能力者か!?」

 

アーロンの言葉に、他の魚人達が一瞬たじろぐが―――――

 

「構わねェ!!!」

 

「行け行けェ!!!」

 

構うことなく、動けないであろうルフィに向かって襲い掛かってきた

 

一方――――・・・・・・

 

「だから!! 逃げた方がいいと思うの!!」

 

レウリアがそう叫ぶと、反転して脱兎のごとくその場を離れる為に走りだした

 

「リアさん、ひとりではあぶな――――・・・・・・」

 

サンジが静止を掛けようとした瞬間――――

 

「おい、逃げるぞ!!!」

 

何故か、ゾロまでもそう言いだした

 

「はぁ? って、おい!?」

 

訳の分かっていないサンジが、慌ててルフィの方を見る

あのままでは、魚人どもの餌食になるのは火を見るよりも明らかだった

なのに、レウリアもゾロも逃げろと言うが――――・・・・・・

 

ちなみに、ウソップは早々に逃げている

 

「一体、あいつは何をする気なんだ!?」

 

「知らねェが、ろくなもんじゃねェ!!」

 

「サンジさん、急いで!!!!」

 

なんだか、よくわからないが・・・・・・

いや~な予感がひしひしとルフィの方から伝わってくる――――気がした

 

「急げ!!!」

 

ゾロに促されて、癪だが慌ててその場を離れる

瞬間――――・・・・・・

 

 

 

「ゴムゴムのオオオオオオオオーーーーー」

 

 

 

ルフィがそう叫ぶな否や、モームの巨体が海水から引っ張り上げられたかと思うと

まるで、巻いていたネジが解かれていくように、ぐるん ぐるんとその巨体がどんどん加速して回りだす――――ルフィを中心に

そして、そのまま――――

 

 

 

 

 

「――――“風車”!!!」

 

 

 

 

 

 

「ぎゃああああああああ!!!!」

 

その速さはどんどん高速になり、周りを巻き込みながら ゼンマイを巻かれた“風車”の様にぐるぐるぐると、どんどん回転していって

最後には、その巨大なモームの身体が遥か彼方へなげとばされたのだった

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

唖然とする、魚人の幹部たち

それはそうだろう

 

残ったのは、ルフィの“ゴムゴムの風車”により破壊されたアーロンパーク内の瓦礫と、完全に伸びている魚人達

そして、遥か彼方でぷか~と海に浮いて気を失っているモームの姿だけだった

 

ルフィは、肩で息をしながら

 

「おれは、こんな奴らの相手しにきたんじゃねェ!!! おれがブッ飛ばしてェのは ――――お前だよっ!!!!

 

 

そう言って、ぎんっと険しい目でアーロンを睨んだ

すると、その言葉にアーロンがくっと喉の奥で笑い

そして、不気味なほど低い声で

 

 

「そいつは丁度よかった。 おれも今、てめェを殺してやろうと思ってたところだ」

 

 

その目は怒りのあまり血走った様になり、完全にルフィだけを捕らえていた

が―――――・・・・・・

 

 

「こんの、お馬鹿!!!!」

 

ばこ―んという景気の良い音と共に、ルフィの頭にレウリアげんこつが直撃した

 

「危ねェだろうが、てめェ!!!」

 

「おれたちまで殺す気かァ!!!」

 

と、加えて サンジの蹴りと、ウソップの声だけが飛び交う

そんな中、ゾロだけが何故か嬉しそうにその口元に笑みを浮かべて

 

「主力登場か」

 

とつぶやき、刀の鯉口を切っていた

 

ルフィはルフィで、何かに気付いたか様にとぼけた顔で

 

「ありゃ?」

 

と、ぼやいている

完全にアーロンをスルーである

 

一方―――――・・・・・・

ココヤシ村の村人たちは信じられないものを見た様に、自身の目を疑った

 

ボロボロになったアーロンパークの一角

死屍累々と散らばる、魚人達

 

ゲンゾウ達 ココヤシ村の人たちはごくりと息を呑んだ

 

「“偉大なる航路グランドライン”の怪物を・・・・・・振り回すなんてっ!!」

 

「なんという、破壊力・・・・・・」

 

「信じられない・・・・・・・・・っ!!!」

 

今まで、魚人達には散々苦しめられてきた

海軍の軍艦も幾つも沈められてきた

誰も――――アーロン一味に逆らって生きていた者はいなかった

 

それ、なのに――――・・・・・・

 

目の前の少年は、いとも簡単にあの巨大な“海王類”を振り回した挙句投げたのだ

 

「魚人と渡り合える人間がいるなんて――――」

 

「これが、この世の戦いなのか・・・・・・!?」

 

 

と、ゲンゾウやドクター達が驚いているが・・・・・・

この時のルフィはそれどころではなかった

 

身体を試しに左右に振ってみる

きゅっきゅっと、音はするもののぴくりともしなかった

今度は前後に振ってみる

しかし、きゅっきゅっと、音はするもののやはりぴくりともしなかった

 

「だ~~~~!! 何やってんだ! オメーは、さっきから~~~~~!!!」

 

と、ルフィの挙動不審な行動にすかさずウソップが突っ込む

だが、当の本人はうーんと唸りながら、レウリアの方を見た

 

「なぁ~リア――――」

 

何となく嫌な予感がして、レウリアがルフィとルフィの足下見た

 

まさかとは思うが・・・・・・

いや、でも、そんな間抜けな事ってある?

だが、相手はルフィだ

充分にありえる

 

「ルフィ? ま、まさかとは思うけれど――――――」

 

レウリアが“それ”を口にしようとした時だった

 

「同胞達をよくも~~~!!」

 

ハチが怒りを露にしてそう叫んだ

すると、それに呼応する様に

 

「こんなことなら、始めから我々が殺るべきだったな」

 

「種族の差ってのを、教えてやらねばなァ…チュッ」

 

クロオビとチュウが鋭い口調でそう言ってきた

 

だが、ゾロも、サンジも、レウリアも、全く怯む様子はなかった

・・・・・・ウソップは早々に後ろへ下がっていったが・・・・

 

そんな幹部たちの言葉に、アーロンがにやりと笑みを浮かべる

すると、クロオビとチュウが

 

「アーロンさん、あんたは大人しくしててくれ」

 

「あんたが怒りのまま暴れちゃ、このアーロンパークが粉々に破壊されちまうからな、チュッ」

 

そう言って、一歩前に出た

ハチは、倒れた仲間をそっと横に置くと

 

「んんん~~~~~!! こいつらは、おれたちが片づける~~~!!」

 

そう言って、6本のタコの手をぐぐっと握りしめた

幹部たちのその様子に、アーロンがくっと喉の奥で笑い

 

「・・・・・・ああ、好きにしろ」

 

そう言って、にやりとその口元に笑を浮かべた

 

後退してその様子を柱のかけから見ていたウソップは・・・・・・

冷や汗を流しながら

 

「こっわ~~~~~」

 

と、ぼやいていた

すると、ルフィは話があるのか・・・・・・

 

「なぁ、おい、ちょっと ちょっと・・・・・・」

 

と、何かを切り出そうとしていたが―――――

目の前のハチが大きく息を吸い、その腹を膨らませていた

 

その様子に、ルフィ以外の3人がそちらを見る

 

「あのタコ。 何かやる気か?」

 

ゾロのその言葉に、サンジはタバコを一度吹かすと

 

「タコはまず、塩茹にしてスライス。 オリーブオイルとパプリカで味を付ければ酒のつまみに最適だ」

 

「・・・・・・あの、タコは食べる気がしないわね・・・・」

 

レウリアが半分呆れながら至極当たり前の様に突っ込む

すると、サンジが目をハートにして

 

「勿論、リアさんには最高級の生ハムとチーズを―――――」

 

「あーちょっと困った。 話聞いてくれ」

 

何やら先ほどからルフィが騒がしい

その“原因”な~んとなく、予想がついているレウリアは、ちらりとルフィのめり込んだままの足下を見て

 

「・・・・・・どうでもいいのだけれど、ルフィ? そろそろ、その足抜いた方がいいと思うのよね」

 

「いや、それなんだがよ~~」

 

その時だった

 

 

 

「くらえ・・・・・・! 視界ゼロ!! “タコはちブラ―――――ック!!!”

 

 

 

ハチがそう叫ぶな否や、突如 溜めに溜めたタコの墨を一気にこちらに向けて吐き出してきた

 

「リアさん!!!」

 

そう言って、サンジがレウリアの肩を抱き横に避けて、彼女に墨が少しも掛からない様にガードする

ゾロも素早く横へ避けた

が――――――――

 

 

 

「あああわわわわわわわわわ!!!!!!」

 

 

 

何故か、ルフィは避けずに真正面からタコ墨を受けてしまったのだ

 

 

「あ―――――!!! 前は見えねェ―――――ッ!!!」

 

 

ルフィがタコ墨で真っ黒になってそう叫ぶ

 

「バカ!! お前、何で避けねェ!!!」

 

ゾロがそう叫ぶが―――――

ハチは止まらなかった

 

「えーい、続けてトドメだ!!」

 

そう言うなり、傍に合ったアーロンパークの瓦礫(巨大)を6本の腕で持ち上げる

それをみた、ウソップが慌てて叫んだ

 

「おい!! ルフィ―!!! よけろォォォ!!!!!」

 

今まさに、その巨大な瓦礫がルフィめがけて投げ飛ばされそうになっていたが―――――

 

「ああ~うん、問題はそこだ」

 

ルフィが少し焦りながら口走る

 

「なんと、動けねェんだ!」

 

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

 

レウリアを守って避けたサンジが素っ頓狂な声を上げる

 

「あ、足が抜けねぇんだ・・・・・・」

 

「ルフィィ!!! 自分でつっこんだ足だろうが!!!」

 

ウソップがそう叫ぶ

もっともな意見である

 

「何で、あいつは・・・・・・ッ!!」

 

ゾロが頭を抱えている

それはそうだろう

なにせ、自分でやったはいいが、抜けなくなってしまったのだから・・・・・・

 

「なんとなく、そんな気はしていたのだけれど・・・・・・ほんっと、悪い意味で裏切らないわね・・・・・・ルフィ」

 

レウリアが今度こそ大きな溜息を洩らした

 

しかし、ハチは待ってはくれなかった

 

 

 

「“たこはちブラック――――オン・ザ・ロック!!!!”」

 

 

 

そう叫ぶな否や

6本の手で掴んでいた巨大な瓦礫を思いっきりルフィめがけて投げ飛ばしたのだ

 

「ルフィ! 上よ!! 12時の方角!!」

 

レウリアがそう叫ぶ

が・・・・・・

 

「12時? 12時ってどっちだ!?」

 

そう言いながら、ルフィがあたふたと手をとりあえず動かしているが―――

完全に逆方向だ

 

まったく通じなかったようである

 

そうしている間にもハチが次なる巨大な瓦礫を掴み

 

 

「“たこはちブラック――――オン・ザ・ロック!! ダブル!!!”」

 

 

そう叫びながら、2つ目の瓦礫をルフィめがけて投げ飛ばした

 

 

 

 

 

「ルフィ!!!!」

 

 

 

 

 

レウリアの声と、瓦礫がルフィの真上に落ちるのは同時だった――――・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

消えた・・・・・・

一度、処理したのが消えたので、再処理しました

ああああ~~~時間のムダぁ( ̄∇ ̄|||)

例の某プラグイン! 削除ボタン(英語)いらねぇだろうがあああああ!!!

これで2度目だよ!!

しかも、ゴミ箱へ行かずに完全削除という・・・・・・

つらたん

 

2022.08.03