MARIKA

-Blue rose and Eternal vow-

 

  Act. Ⅰ 海上レストラン 26

 

 

 

「おい!下っ端ァ!!」

 

「しっかりしろォい!!」

 

「さァ、空気吸え!良い空気、一杯吸え!!」

 

「大丈夫かよ!おい!水でも飲むか!?おい!!」

 

バラティエの2階でパティとカルネは、必死にギンに語りかけた

だが、ギンの顔色は一向によくならず、ぜぇ…ぜぇ…と虫の息だった

今にも死んでしまいそうなギンに、たまらずカルネが

 

「こりゃぁ、やばいぜ……!」

 

そうぼやいた時だった、パティがとんでもない事を言いだした

 

「おれの特製プリン食うか!?うめェぞ!!」

 

「バカ野郎!!中毒している奴に、更に毒食わせてどうするんだ!!」

 

すかさず、カルネの突っ込みが入る

 

「おいこら!毒とは何だ!!てめェに人の事が言えんのか!!?」

 

「何だとォ!!おれの肉料理はな、世界一って言われてんだ!!死ぬ程上手いって評判で―――!!!」

 

“死ぬ程”

と、叫んだ時だった

 

突然、がくりとギンが意識を失った様に息絶えた

 

 

「「わ――――――――!!!」」

 

 

「お前が死んでどうする――――!!?」

 

「おい、しっかりしろォ!下っ端!!」

 

「死んだのか!?おい、本当に死んだのか!?なァ、死んだのか!?本当の本当に死んだのか!!?」

 

「うるせェ!!!」

 

余りにも、“死んだのか”を連呼するカルネに、パティが一喝する

その瞬間

 

「――っは、ぜぇ……ぜぇ……」

 

ギンが、息を吹き返した様にまた荒く呼吸しだした

それを見て2人は思わず「生きてたぜェ…」と胸を撫で下ろした

 

その時だった

ギンが、息も耐え耐えながらクリークの名を呟いた

 

「ド…ドン……クリーク……っ、首領(ドン)・クリーク……っ」

 

こんな目にあってもまだ、あの男の事を思うのか

何故そこまで思うのか

カルネにもパティにも理解出来なかった

 

その時だった

 

 

 

「な……“大戦槍”が……!!!!貴様!!…何をしやがった……!!!」

 

 

 

突然、クリークの叫び声が聴こえてきた

ハッとしてそちらを見ると、あの大戦槍の矛先がバラバラに砕けていたのだ

 

クリークは信じられないものを見る様な目でそれを見た

にやりと、ルフィが笑みを浮かべる

 

「5発パンチ入れてやった……!!お前の槍、もう駄目だな」

 

「何!?」

 

瞬間、ボロボロのルフィがニッと笑みを浮かべると

 

「覚悟しろよ!!!」

 

そう言って、辺りを見渡す

まるで狙った様な“それ”にルフィが思わずどんっと足を強く押し当てた

 

「この広さなら、お前をブッ飛ばせる!!」

 

「!」

 

クリークが、ハッとして辺りを見渡した

いつの間にか、先程よりも、スペースのあるエリアに移動させられていたのだ

 

ルフィにとって、好都合な場所に

 

「そんなもん、槍の刃が折れてりゃただの棒付き爆弾だ……!力、半減だな」

 

ルフィの言葉に、クリークがくっと喉の奥で笑った

 

「そう思うか?」

 

「思うね」

 

ルフィの言葉に、またクリークがくっと笑った

 

「“棒付き爆弾”結構じゃねェか!今のてめェを吹き飛ばすには、充分すぎる程の“武力”だぜ!!ボロボロの身体で何言っても、強がりにしか聞こえェな」

 

「強がってねェよ」

 

クリークの言葉に、ルフィはけろっとした様にそう答えた

だが、どう見てもルフィの身体は何発もの爆撃を食らってボロボロになっていた

 

サンジがチッと舌打ちをかます

 

「……あいつの言う通りだ。もう、ボロボロの筈だ……!!あの身体でもう一発でも爆撃を食らえば、間違いなく死んじまうぜあの野郎」

 

その時だった、レウリアがよろり…と 血の流れるわき腹を押さえながら歩いて来る

 

「……ルフィは、死なないわよ」

 

「リアさん!!」

 

サンジが、ハッとしてレウリアを見た

 

「リアさん、怪我は……」

 

「平気よこれくらい。それよりも――――」

 

そう言って、ルフィの方を見る

そして、それを信じているとでもいう様に

 

「ルフィは絶対、勝つわ」

 

「リアさん……?」

 

レウリアの言葉を信じたい

信じたいが、今のサンジにはその言葉を信じるだけの自信がなかった

 

現に、ルフィは何発も爆撃を食らってボロボロだ

もう、ふらふらで限界に近い筈だ

 

なのに、何故あそこまで戦えるのか……

そして、何故レウリアはそれを信じているのか

 

信じれるものなら信じたい

しかし、サンジにはそれは、俄かには信じがたい言葉だった

 

「くそ…あれだけ装備付けられてちゃ、いくら何でも……!!」

 

その時だった

それまで黙っていたゼフがぽつりと呟いた

 

「全身に何百の武器を仕込んでも、腹にくくった“一本の槍”にゃ、敵わねェ事もある……」

 

「?」

 

突然、何を言い出したのだろうか

サンジが、ゼフに視線を向ける

 

だが、ゼフは真っ直ぐに前を見据えたまま

 

「生きるか死ぬかの海賊の戦場じゃあ、一瞬でも死を恐れた奴は脆く崩れる」

 

「……何の話だよ」

 

「……………」

 

サンジには、ゼフが何を言いたいのか分からなかった

だが、レウリアには分かるのか、ゆっくりとそのアイスブルーの瞳を閉じる

 

「少なくとも、あの小僧に躊躇いは無い」

 

「……………!」

 

ハッとした様に、サンジがルフィを見る

 

「生きる為の装備か……死を恐れぬ信念か…」

 

「信念……!!?」

 

その時だった、クリークが大戦槍を構えた

 

「観念しろ!!お前はもう、この首領(ドン)・クリークに一言逆らった時点で、死ぬことは決まってんだ!!!」

 

「死ぬか!」

 

クリークの言葉に、ルフィがベーと舌を出す

それが、クリークの癪に障ったのか…

わなわなとクリークが震えだしたかと思うと、ぶちぶちと眉間の血管が切れた様な音が聴こえた

 

 

 

「言った筈だぜェ!ここはてめェの死に場所だとなァ!!!!」

 

 

 

ドカアアアン!!!

 

 

クリークの放った大戦槍が、大爆発を起こす

 

 

 

 

「おれは…最強の男だァ!!!!」

 

 

 

 

「クリークのかき集めた艦隊も“武力”、百の武器も毒も“武力”なら…」

 

誰しもが、もうルフィは立ち上がれないと思った

だが――――……

 

「あの小僧の槍も、同じ武力って訳だ」

 

大爆発を起こした場所でぴくぴくとルフィの足が動く

まだ動くと言うのか……

 

サンジは、信じられないものを見る様に息を飲んだ

 

「腹にくくった一本の槍……下らねェ理由で、その槍を噛み殺している馬鹿をおれは知っているがな……」

 

レウリアのアイスブルーの瞳がゼフとサンジを見た

サンジの目が大きく見開かれる

 

瞬間、どんっとルフィの足が地を叩いた

刹那、ビキビキビキ…と粉々に砕けた大戦槍の肩当ての部分にまで亀裂が入る

 

「貴様ぁ……!!」

 

クリークが、今までにない位わなわなと震える

充血した目に、怒りの炎が見える

額に入った皺に、びきぃと亀裂が入った

 

それを見た、コック達が歓喜の声を上げる

 

 

「やるじゃねェか、あの野郎!!」

 

 

「そのまま、やっちまェ―――――!!!」

 

 

それとは逆に、海賊達には動揺が走っていた

 

「えれェこった……」

 

「大戦槍が、折られちまった……嘘だろォ」

 

それを見ていたサンジは、痛むアバラを押さえながら吐き捨てる様に叫んだ

 

「だが、あんだけの爆発を食らっちまったんだ…身体、もたねェぞ…っ」

 

「……………」

 

レウリアは信じていた

ルフィは負けない

それだけは、絶対だ

 

 

だが――――………

 

 

サンジの言う通り、おそらくルフィの身体はもう限界に近い筈だ

あれだけ爆撃を食らったのだ、もうボロボロの筈である

それに、最初に多く血を流し過ぎた

 

勝負には勝てる

だが、それまでルフィの身体がもつかどうか――――

 

それだけが、懸念された

 

 

「ルフィ……」

 

 

でも、信じている

 

ルフィは約束した

エースと一緒に“死なない”と約束したのだ

 

だから、ルフィは絶対に負けない

負ける筈が無いのだ

 

クリークが一気に大戦槍を振り上げた

瞬間、ドカアン!と大爆発が起こる

だが、ルフィは軽く宙へ飛びあがると、マストにぶら下がった

 

「お~い!ここだぞぉ~!」

 

挑発する様に叫ぶルフィに、クリークがギリッと奥歯を噛み締める

 

「サルが……!!!」

 

そう叫ぶな否や、ルフィのぶら下がっているマストを大戦槍でぶっ叩いた

瞬間、ゴウウウン!!!と爆発が起こり、マストが折れる

 

ルフィはサルの様に「ウキャーッ!」とふざけた様に叫ぶと、そのまま持っているマストの端を折った

そして、そのままマストの支柱から跳躍すると、折ったマストをクリークめがけて投げつけたのだ

 

だが、クリークにはまったく通用しなかった

 

「下らねェ!!」

 

そう叫ぶと、隠し持っていた火炎放射器でそのマストを焼き払う

 

「いくつ武器を仕込んでやがんだ…!!」

 

 

たまらずサンジが叫んだ

 

瞬間

 

 

「ゴムゴムの――――」

 

ルフィがすぅっと大きく息を吸う

そして―――――

 

 

 

 

 

 

「――――――銃乱打(ガドリング)!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ドガガガガガガガガガガ!!!

 

 

何百発もの連続のパンチをクリークのウーツ鋼の胸当て目がけて放ったのだ

一度食らえば、吹き飛ぶほどの技だ

だが――――

 

 

「ハッハッハッハッハッハッハ!!」

 

 

クリークには効いていないのか

少し、後退しただけで傷一つ付いていなかった

 

「無力!!このウーツ鋼の鎧の前には貴様のパンチなど無力!!傷一つ付ける事すら出来ぬわ!」

 

するとルフィは、今度はすぅっと大きく息を吸うと腕をぐいーと遙か後方へと伸ばした

そして――――

 

 

 

 

 

「――――――ゴムゴムの銃弾(ブレッド)!!!」

 

 

 

 

ゴーーーン!!!

 

という音とと共に、ルフィのパンチがウーツ鋼の胸当てに弾かれる

だが、パンチ自体のダメージは届いたのか、クリークの身体が反り上がった

 

「――――――っ!!!」

 

首領(ドン)!!!」

 

たまらず海賊達が叫ぶ

びきりと、クリークの眉間に皺が寄った

 

――――瞬間

 

 

 

「コザかしいっ!!!!」

 

 

 

叫ぶと同時に、ルフィを大戦槍で投げ飛ばし

 

 

 

「うわああああ!!!」

 

 

 

ルフィの身体が後方へ吹っ飛び、折れたマストへぶち当たる

 

 

「くだらねェ、くだらねェ、くだらねェぞ!!!サルの拳を何百発突き立てた所で、この最強の装備が破れるか!!!」

 

何度向かっても無駄な事を

それなのにも関わらず向かってくるルフィに、苛立つ様にクリークが叫んだ

 

だが、ルフィは違った

よろりとたちあがると、う~んと唸りながら

 

 

「……もうちょっとだと、思うんだよな――――……」

 

 

そう思って顔を上げた瞬間だった

クリークの姿が消えたのだ

 

思わず辺りを見渡す

だが、何処にも姿が無い

 

「いない……!?」

 

そう思った時だった

 

「こっちだ」

 

上空から声が聴こえてきた

ハッとして顔を上げると、いつの間にか折れたマストの頂上にクリークが立っていた

 

「いいか!?“最強の装備”と“最強の力”こそが、“最高の武力”だ!!」

 

そう言ってくっと笑みを浮かべる

 

「強ェ奴が生き残るんだよ。強ェ奴が!!!」

 

瞬間、ルフィは駆け出した

 

「じゃぁ、おれだろう………!!!」

 

そう叫びながら、マストを駆け上がっていく

 

 

「ゴムゴムの――――――――!!!」

 

 

ルフィがぐいーんと腕を遙か後方へと伸ばしていく

にやりと、クリークが微笑んだ

 

 

「無駄だ無駄だ無駄だァ!!!!」

 

 

クリークが大戦槍を振り上げた

 

 

「意地じゃどうにもならねェ事もあるって事よ!!!」

 

 

ドカアアン!!!

 

振り下ろした大戦槍が大爆発を起こす

だが、それではルフィは止められなかった

爆風の中、そのままクリークめがけて飛びだすと――――

 

「!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

「――――――バスーカ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ドウウウン!!!!

 

クリークの身体が、ルフィの放った一撃で宙へと飛び出す

だが、クリークは笑っていた

 

無数の爆薬をばらまくと悠然と落下しながら

 

 

「ハッハッハッハッハ!効かねェな!!しょせん、貴様の力はこれが限界だ!!!」

 

その時だっ

 

瞬間、ピキピキピキとウーツ鋼の鎧にヒビが入ったのだ

 

それに驚いたのは他でもないクリークだった

最強のウーツ鋼の鎧なのだ

その鎧にヒビが入るなどあり得ない

 

「何!?最強の鎧にヒビだと!?」

 

だが、ルフィはもう限界だった

殆ど意識はなく、視界もはっきりしていなかった

 

それを見たクリークは勝ち誇った様に笑みを浮かべた

 

「だが、もう遅い。おめェは終わりだ!カナヅチ小僧!!」

 

瞬間、クリークの放った爆薬がぼちゃんぼちゃんと海へ落ちた

 

それをみた、サンジとレウリアがハッとする

 

「罠だ!逃げろォ!!!」

 

「ルフィ!逃げて!!!!」

 

サンジとレウリアが叫ぶのと、ルフィのいた看板が大爆破を起こして崩れていくのはほぼ同時だった

 

 

「ルフィ――――――――――!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ドガアアアアアアアン!!!!

 

 

 

 

 

 

 

「「「「うわあああああああああ!!!」」」」

 

海にいた海賊達も、コック達も爆風に煽られて波に呑まれそうになる

海が大爆発を起こし、辺り一帯が大波に襲われた

 

 

“生きる為の装備か”

 

 

「雑用!!!」

 

 

“死を恐れぬ信念か……”

 

 

ザアアアアアアアアと、波が雨の様に降り注ぐ

誰しもがルフィが敗けた…

そう思った

 

クリークも、勝ち誇った様に笑みを浮かべていた

その時だった

 

雲の隙間から長い腕が伸びてきたかと思うと

 

 

「ゴムゴムの………!!」

 

「何ィ!!!?」

 

 

 

 

 

 

 

「―――――――バズーカッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオオオン!!!!

 

 

ルフィの凄まじい一撃が、ついにクリークの誇った最強の装備を粉々に打ち砕いたのだった

 

それを見ていた、海賊達は信じられないものを見る様に驚愕の声を上げた

あの最強の装備が 最強の首領(ドン)

――――――敗けたのだ

 

瞬間、コック達の間に歓喜の声が上がる

ルフィも嬉しそうに喜びの声を上げた

 

 

「おれの、勝ちだぜ―――――――!!」

 

 

だが―――――

 

 

 

 

 

「浮かれるな、小僧ォ!!!」

 

 

 

 

瞬間、海へ落下していたクリークが突然カッと目を開けたかと思うと叫んだ

 

「うわっ!生きてた!!」

 

ぎょっとしたのもつかの間

クリークは懐から鉄の網を投げ出すと、あっという間にルフィを捉えた

そしてそのまま海へ引きずり落とそうと引っ張ったのだ

 

 

「ガッハッハッハッハ!!!逃げられるか!鉄の網だ!!!」

 

 

そう笑いながら、どんどん海へと落下していく

ルフィがもがくが、網から脱出できない

 

「ルフィ!!!」

 

たまらず、レウリアが叫んだ

海に落とされたら、一巻の終わりだ

 

「下は海だぜ!!勝負あったなカナヅチ小僧ォ!!!引きずり込めば、てめェは溺れ死ぬ!!勝負の果てに笑うのは、常におれだと決まっている!!!!」

 

その言葉に、海賊達が歓喜の声を上げた

 

「さすが、首領(ドン)!!!」

 

「行け行けー落とせ――――――!!!」

 

 

 

「ルフィ――――――!!!」

 

 

 

思わず、レウリアは飛び出そうとする

 

「リアさん!?」

 

海に飛び込もうとするレウリアを見て、サンジが慌てて止めに入った

 

「何やってるんですか!そんな傷で入ったら……っ!!」

 

「離して!!このままじゃ、ルフィが――――っ」

 

その時だった

網の中で暴れていたルフィがついに、手足を外に伸ばした

 

「手足が出せれば、こっちのモンだ!!」

 

そう叫ぶな否や、すぅっと足を伸ばすとぐるぐるぐると足を回転させて、クリークを掴み上げた

そして、身体を捻ると――――

 

「今度こそ、終わりだ!!!!」

 

そのままぐい~んとクリークを引っ張り上げる

 

 

 

「ゴムゴムの――――ォ!!!!」

 

 

 

ギュルルルルルルルとクリークごと回転させた足はそのままぐるんぐるん回りながら

 

 

 

「おおおおおおおおおォ!!!!」

 

「ああああああああ」

 

 

そのまま――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――大槌!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドゴオオオオン!!!!

 

 

頭から、思いっきりバラティエのヒレに振り下ろしたのだ

 

 

 

「――――――――っ」

 

 

 

バキャバキャバキャ!と音を立ててクリークがヒレの奥へと頭からめり込んでいく

それで終わりだった

 

 

海賊達は、信じられないものを見る様に驚愕の声を上げた

 

 

首領(ドン)・クリークが……」

 

 

首領(ドン)がやられた!?何故ァ!!!」

 

そこには、白目を向いたクリークが完全に伸びていた

ルフィがにっと笑みを浮かべると、そのまま海へと落ちていく

 

 

それとは逆にコック達からは歓喜の声が上がった

 

 

「やったぜ雑用ォ!!」

 

うおおおおおおおおおお!!!と皆が喜びの声を上げる

それを2階で見ていたパティとカルネも信じられないものを見る様に、それを見てた

 

「や…や、やりやがった・・・・・・!!海賊艦隊提督 首領(ドン)・クリークを……」

 

「す…すげェ…!!」

 

「本当かよ、おい!首領(ドン)、クリークをだぞ!?」

 

「強すぎるぞ!あいつ!!」

 

その時、ギンがハッと目を覚ました

後方で聴こえる歓喜の声に、ゆっくりと身体を起こす

 

「な、何の騒ぎだ……?」

 

「お、起きたか!」

 

「敗けたんだよ!お前ェ達の首領(ドン)がさ!」

 

喜びの声を上げるカルネに、ギンは信じられない言葉を聴いた

 

「何……っ!?」

 

その時だった

 

「サンジさん、放して!!」

 

レウリアがサンジの手を振り払うと、止めるのも聞かずに海へ飛び込んだのだ

 

「リアさん!!?」

 

ぎょっとして、慌ててサンジがそちらを見る

サンジは、止める事も出来ずただ唖然とその様子を見ていた

 

その時だった

 

「ぼーっとしてる暇があるなら、さっさと行ってあの小僧を助けてやれ」

 

「……?」

 

「あいつは浮いちゃこねぇぞ」

 

「何!?」

 

ゼフの言葉に、サンジがぎょっとする

普通の人間ならば海に浮く筈だ

なのに、ゼフは浮いては来ないという

 

「悪魔の実の能力者は海に嫌われカナヅチになるんだ」

 

「……!!バ…バカ野郎!!!早くそれを言えよ、クソジジイ!!!手遅れになったらどうするんだ!!!」

 

だから、レウリアは慌てて海に飛び込んだのか

サンジも靴と表着を脱ぎ捨てると、レウリアを追う様に慌てて海に飛び込んだ

 

 

それを見て、ゼフはフンッと鼻を鳴らしたのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっと、クリーク戦終了したよー!

後は、締め作業したらバラティエ編終わりっすっね!

 

終わり見えてきたー!!!

 

2013/10/28