花薄雪ノ抄
     ~鈴蘭編~

 

◆ 鶴丸国永 「竜胆の標(後編)」

   (「刀剣乱舞夢 「華ノ嘔戀 外界ノ章 竜胆譚」 より」 )

 

 

 

「・・・・・・、一緒に、いて・・・くれます、か?」

 

やっとの思いで、出した言葉に

鶴丸はその金色の目を細めると

 

「ああ―――・・・・・・」

 

そう、嬉しそうに静かに微笑んだ

そして、そっと沙紀の頬に触れる

 

「あ・・・・・・」

 

そのまま優しく口付けが降ってくる

 

「ぁ・・・ン・・・・・・」

 

ぴくっと沙紀の肩が揺れた

緊張しているのが、ほのかにまだ身体が固い

 

それをほぐす様に、鶴丸はその手を沙紀の腰に回してそのまま引き寄せた

 

「あ・・・・、り、りんさ・・・・」

 

「沙紀―――身体の力を抜け―――・・・・・・」

 

そう言って、再び口付けをする

二度三度と繰り返されるうちに、徐々に熱を帯びてくる

 

「ンン・・・・ぁ、はぁ・・・・り、んさ・・・・」

 

求められているのが分かる

鶴丸が、自分を求めているのが

 

沙紀が、鶴丸の背に回した手に力を籠める

 

「沙紀―――・・・・・・」

 

甘くそう囁かれて、沙紀自身どんどん鶴丸に溺れていきそうな感覚に捕らわれる

 

「りん、さ・・・・ん・・・・・・」

 

どさ・・・・という音と共に、そのまま寝台に沙紀が押し倒される

鶴丸が、羽織っていた上着を脱ぎすてた

 

「・・・・・・っ」

 

鶴丸の少し緩めの胸元が視界に入り、かぁっと沙紀が顔を赤く染めると視線を逸らした

それに気づいた鶴丸がにやりと笑みを浮かべると

 

「沙紀~? なんだ、照れてるのか?」

 

そう言って、沙紀の美しい漆黒の髪を撫でる

 

「え、あ、その・・・・・・」

 

どう答えていいのか分からず、沙紀が困惑していると

鶴丸の手が沙紀を後ろから抱きすくめる様に動くと、そのうなじに口付けをしてきた

 

「あ、あの・・・・・・っ」

 

流石の沙紀もそれにはびっくりして、ますます顔を赤らめた

でも、鶴丸の口付けは止まらなかった

 

うなじから徐々に下がり、首元、肩、背中と口付けが降ってくる

 

「り、りんさ・・・・・・ぁン・・・」

 

いつの間にかはだけさせられていた、白衣が肩からずれ落ちていく

沙紀が慌てて露になりそうな胸元を抑えようとするが――――・・・・・・

 

その手は、あっという間に鶴丸に捕らえられた

 

「沙紀・・・・・・こっち向けよ」

 

そんな風に言われても、恥ずかしくて向くことが出来ない

すると、腕の隙間からするっと鶴丸の手が伸びてきたかと思うと、そのまま沙紀のふくよかな胸に触れた

 

「ぁ・・・・・・」

 

急に来た刺激に思わず声が洩れる

 

「沙紀・・・・・・」

 

ちゅっと音がするぐらいの口付けが首元に降ってくると、そのまま吸い上げられた

 

「んん、り・・・りんさ・・・・・・」

 

ぞくぞくと背筋に不思議な感覚が走る

だが、鶴丸は止めなかった

 

そのまま首元から鎖骨へと花びらを付けていく――――

 

「あ、あの・・・・・・そんな目立つ所にされたら――――・・・・・・」

 

たまらず、沙紀が振り返った

が、鶴丸はくすっとだけ笑うと

 

「やっと、こっち向いてくれたな」

 

そう言って、そのまま沙紀の唇に口付けを落とす

先ほどの様な軽い口付けではなく、もっと深い深い口付け――――

 

「ふぁ・・・・ン、ま、待っ・・・・・・」

 

「・・・・待てない」

 

舌と舌が絡まり合う

それが、熱を帯びてくる

 

「んぁ・・・・は、ぁ・・・・・・んん」

 

徐々に深くなっていく口付けに、沙紀の思考が麻痺したかのようにくらくらしてくる

すると、鶴丸がくすっと笑みを浮かべ

 

「沙紀、かわいい」

 

不意に言われた言葉に、沙紀がかぁっと顔を赤く染める

 

「な、なな、何言って――――」

 

しどろもどろになりながら沙紀が顔をますます赤くさせる

すると、鶴丸がそっと沙紀の頬を撫でた

 

「やっぱり、かわいい。 かわいいから――――欲しくなる」

 

「・・・・・・・・っ」

 

鶴丸からの「かわいい」攻撃に、言葉を発することすら出来なくなってしまい

口をパクパクさせながら、顔を真っ赤にしていた

 

すると、鶴丸は笑いながら こつんと額を沙紀に預けると

 

「沙紀・・・・どうして欲しい?」

 

「え・・・・・・?」

 

そう聞かれると困る

だが、鶴丸はくすっと笑いながら

 

「沙紀のして欲しい事してやるよ」

 

 

「それは―――その・・・・・」

 

そう尋ねられても、どう答えていいのか分からない

 

「そ、の・・・・・・、えっと・・・」

 

「ん?」

 

「あ、の・・・・」

 

恥ずかしい・・・・・・

こんなことを言うなんで、きっと軽蔑されてしまうかもしれない・・・・・・

でも・・・・・・

 

「ふ、触れて・・・・・・ほし、い、です」

 

顔を真っ赤にして沙紀がそう言う

すると、鶴丸は嬉しそうに笑いながら

 

「ああ――――では、お望みのままに」

 

そう言うと、鶴丸の手がそっと沙紀の肩に触れた

そしてそのままするっと、彼女に羽織っていた千早を脱がすと、その下のはだけた白衣の隙間から手を彼女の肌に直に触れた

 

「ん・・・・・・っ」

 

ぴくんっと、沙紀がその手に反応する様に声を洩らす

それで、気分を良くしたのか

鶴丸はくすっと笑みを浮かべると、そのままその柔肌に舌を這わせた

 

「・・・ぁ・・・・・ンン…っ」

 

びくびくっと沙紀の肩が震える

 

「あ、ああ・・・・・・りん、さ・・・・・・」

 

沙紀がその潤んだ躑躅色の瞳で鶴丸の名を呼ぶ

鶴丸は嬉しそうに笑うと、そのままそっと彼女のふくよかな胸に口付けた

そして、そのまま舌で胸の突起を転がしていく

 

「あ、ンン・・・・・は、ぁ、ん・・・・・・っ、ま、待っ・・・・・・」

 

「待って欲しいのか?」

 

鶴丸が舌で突起を甘噛みしながらそう尋ねてくる

 

「あぁ・・・・っ、や・・・・・・りん、さっ・・・・・・」

 

急にびりっと来た刺激に、沙紀が思わず声を洩らす

 

「それとも―――続けて欲しいか?」

 

そう言いながら、鶴丸はもう片方の手で沙紀の反対の胸を揉みしだいていく

 

「あ、ああ・・・・・・んん、ぁ・・・や、やめ、な・・・・・・いで・・・はぁ、ぁん・・・っ」

 

「―――わかった。 沙紀の望みなら、何だってしてやる」

 

そう言って、沙紀の望むとおりに

彼女の胸を舌で遊びつつ、もう片方の手を徐々に彼女の身体をなぞるかの様に、下へと下げていく

 

「・・・・・・っ、ぁ・・・」

 

沙紀がびくんっと肩を震わす

 

気がおかしくなりそうだ

鶴丸の美しい金の目が自分を捕らえている

 

しゅるっという音と共に、袴の帯紐が解かれていく音が酷く大きく聞こえてきた

 

「あ・・・・・・」

 

沙紀が慌てて、その手で押さえようとするが

沙紀は抑える間もなく、そのまま解かれてしまった

 

襦袢の隙間から露になった四肢が鶴丸の視界に入ってくる

 

「り、りんさ・・・・・・」

 

余りの恥ずかしさに、沙紀がかぁぁっと顔を真っ赤にさせる

だが、鶴丸はそんな沙紀に笑みを浮かべると

 

「沙紀・・・・・・綺麗だ・・」

 

そう言って、彼女の足首にちゅっと口付けをする

そのまま、ふくらはぎからふとももへと口付けが動いていく

 

そのたびに、沙紀が声を洩らすものだから

鶴丸もそろそろ、早く彼女に触れたくて仕方なかった

 

「り、りんさ・・・・・・ん」

 

懇願する様な沙紀の声に、鶴丸の息も荒くなる

 

「沙紀・・・・・・」

 

ぎし・・・・・・と、寝台が軋む

鶴丸の綺麗な金の瞳と目が合う

 

「りん、さ、ん・・・・・・」

 

「は、ぁ・・・・・・っ」と、息を洩らす沙紀に、ぞくぞくとなんと言えない支配欲が生まれる

彼女が欲しいと――――・・・・・・

彼女の全てが、欲しい と

 

「沙紀・・・・・・」

 

そっと、鶴丸が沙紀の髪に触れる

指と指が絡まる

 

「沙紀は、俺が欲しいか?」

 

意地悪くそう尋ねる

すると、沙紀は恥ずかしそうに、かぁっと頬を朱に染めた後 小さな声で

 

「・・・・・・りんさん、が・・・欲しい、で、す」

 

すると、鶴丸はくすっと笑みを浮かべ

 

「俺も・・・・・・、お前が欲しい。 俺にくれるか・・・・・・?」

 

そう言って、沙紀の唇にそっと口付けする

 

「ん・・・・、りんさんが、望むな、ら――――・・・・・・」

 

そう言って、沙紀が鶴丸の首に腕を回した

それが合図だったかの様に、鶴丸の口付けが深くなる

 

「沙紀・・・・・・」

 

甘くそう囁きながら、何度も何度も口付けを交わしていく

 

「んっ・・・・・ぁ、はぁ・・・りん、さ・・・・っ」

 

何度も交わされている口付けに、沙紀が必死に応えようとしているのが可愛く見えて

鶴丸が嬉しそうに、笑う

 

求められているのだと、実感出きるのが嬉しくて仕方ない

 

「沙紀・・・・・ん・・・ああ、沙紀の全てを俺にくれ・・・・・」

 

そう言って、何度も何度も口付けを交わし合う

 

「りん、さ、ん・・・・・・」

 

ぎゅっと沙紀が鶴丸の首に回していた手に力が籠もる

 

「は、ぁ・・・・・・」

 

ゆっくりと離された口付けが、何だか名残惜しく感じる

 

「沙紀・・・・お前の中に入りたい」

 

鶴丸の言わんとする意味が分かり、沙紀がかぁっと顔を朱に染めるが・・・・・・

小さく、こくりと頷いた

 

「少し痛いかもしれないが、我慢してくれ・・・・・・何なら俺の背に爪を立ててもいいから――――」

 

そう言うと、鶴丸の目が優しく微笑んだ

瞬間――――ずんっと、沙紀の下半身に違和感が走った

 

「――――ぁっ・・・」

 

突然の違和感に、沙紀がぐっと微かに顔を顰める

 

「ん・・・・・・沙紀・・・っ、絞める、な・・・・・・っ」

 

「そ、そんな事・・・言われ、ても――――・・・・・・」

 

無意識的に力が入ってしまう

すると、鶴丸が沙紀を安心させる様に彼女の手を握りしめた

 

「沙紀――――・・・・・・」

 

そのまま口付けが降ってくる

 

「あぁ・・・ンっ・・・・・・りん、さ・・・・・・」

 

下腹部の痛みと同時に、口付けで快楽に溺れそうになる

 

「沙紀・・・・・・はぁ、へいき、か・・・・・・?」

 

鶴丸の言葉に、沙紀がこくりと小さく頷いた

その様子見少しほっとして、鶴丸が少し上体を離す

 

暑くなったのか、鶴丸が上半身に着ていた着物を脱いだ

瞬間、視界に入った細いながらも鍛えられたその身体に、沙紀がかぁっと頬を赤らめて、視線を逸らした

 

それを見た鶴丸は、面白いものを見たかのように笑うと

 

「こんな事で照れているのか? 俺達もっと凄い事しているのに――――」

 

「そ、それは・・・・・・」

 

「そんな、沙紀もかわいいけどな」

 

そう言って、沙紀の額に口付けを落とす

 

「じゃぁ、少し動くぞ・・・・・・」

 

「え・・・・・・っ、待っ・・・・・・」

 

「待って」という言葉が出る前に、ずんっと下腹部で何かがうごめいた

 

「あっ・・・・・、ぁ、や・・・いっ・・・・・・あああ」

 

「沙紀・・・・、少し・・・・・・はぁ、力抜け」

 

「そ、んな・・・・・・ああ!」

 

鶴丸のそれが熱い

沙紀の身体の中でじくじく動くのが、自分の弱い所を的確に突いてくる

それが、沙紀の中で今までに知らない感覚が生まれそうになる

 

「あ、ああ、あぁ・・・・・ンン、・・・・・ぁ・・ん、はぁ・・・・あっ、・・・・・・ぁあ!」

 

「沙紀――――悪い、押さえられそうに、ない」

 

鶴丸がそう言うなり、今度は激しく動き始めた

 

「あ、ああ、あンン・・・、はぁ・・・や、ぁ、り、りんさ・・・・・・っ」

 

「沙紀・・・・・・っ」

 

「ああ――――っ」

 

頭の中が真っ白になる

お腹の下の方が熱い・・・・・・

 

「はぁ・・・・、沙紀・・・・・・」

 

「はぁ、は、ぁ・・・・・・、りんさ、ん・・・・・・」

 

どちらからともなく、口付けを交わす

この時間がずっと続けばいいのに――――

そんなすら考えてしまう

 

そう―――このまま、ずっと彼の傍にいられたら・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「沙紀・・・・・・?」

 

鶴丸がそっと沙紀の髪を撫でる

すると、沙紀が小さく微笑むと、ぎゅっと鶴丸の身体を包む様に手を回した

 

「お、おい、沙紀?」

 

「りんさん・・・・・・ありがとうございました。 後・・・・・・今日は、その、寂しかったです」

 

沙紀の素直な気持ちだった

伝えるべきだと思った

 

だから、口にしてみたが・・・・・・

口にしたら余計に恥ずかしくなった

 

そんな百面相をしている沙紀を見て、鶴丸はくすっと笑うと

沙紀の頭を撫でながら

 

「今日は一緒にいってやれなくて悪かったな。 今日出来たって連絡来たから・・・・・・早くきみに渡したくて――――」

 

「え?」

 

不意に出た言葉に、沙紀が首を傾げる

 

「私へ、ですか?」

 

「ああ――――気に入るといいんだが・・・・・・」

 

そう言って、寝台の横に置いていたものを取ると、沙紀に渡した

それは小さな丸い陶磁器だった

 

「これは?」

 

「開けてみてくれ」

 

「・・・・・・・・・?」

 

何だろうと思って、蓋の部分を開けてみると

瞬間、ふわっとグリーン感あるのラベンダーの様な香りが感じられた

 

「この香り・・・・・・」

 

思わず鶴丸を見る

すると、鶴丸は少し照れたように

 

「ああ、練り香だ。 香りはこの本丸の“華号”でもある、“竜胆の香”にしてもらったんだ。 特別に調香師に頼んで作ってもらった一品ものだ。 ――――沙紀に、似合うと思って」

 

もしかして、今日の外せない用事というのは・・・・・・

 

思わず手の中の練り香を見る

 

これを、私に渡す・・・為・・・・・・?

 

「・・・・・・・・・」

 

思わず黙りこくってしまった沙紀を見て、鶴丸が少し心配そうに

 

「その、気に入らなかったか?」

 

「い、いえ! そんな事はありません! むしろ、その・・・・・・嬉しくて・・・」

 

知らず、沙紀の躑躅色の瞳から涙が零れ落ちた

 

「・・・・・・っ、ごめ、な、さ・・・・・。 私、何も知らなくて――――・・・・・・」

 

すると、そっと鶴丸が沙紀を抱きしめた

 

「いいんだ。 驚かそうと思って内緒にしていた俺も悪かったからな」

 

そう言って、沙紀の瞼へ口付ける

 

「だから、泣くな」

 

瞼から、頬へ、そして唇へ口付けが降ってくる

 

「り、んさ・・・・・・」

 

「お前に泣かれたら、俺が困る」

 

そう言って、涙を拭う代わりに彼女に口付けする

何度も何度も――――繰り返す

 

沙紀が泣き止むまで、ずっと――――・・・・・・

それが、自分の役目だとでもいう様に

彼女を抱きしめたまま、口付けをし続けた―――――

 

 

この後、再び抱かれたのは内緒である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ま、ま、間に合った・・・・・・!!

なんとか、年内中に上げられた・・・・・・っ!!

そろそろ、バリエーションを増やしたいです・・・・・・

どこで、勉強したらいいですか???(マジで)

 

2022.12.31