花薄雪ノ抄
     ~鈴蘭編~

 

◆ 五条悟 「掌中に帰す」

(呪術廻戦夢 「深紅の冠 ~鈺神朱冥~」 より)

 

 

―――五条悟所有マンション

 

 

 

「……んんっ」

 

五条の舌が、首から胸元へ這うように伝っていく。凛花が堪らず身体を捩ると、五条が軽く舌打ちをした。凛花の両手を頭上で押さえ付けている手に、力が籠もる。凛花に覆い被さる五条から、いつもの軽薄さは微塵も感じられなかった。

 

……怖い、と凛花は思った。

 

五条の唇が、凛花の胸に下りていと、その先端を口に含むんだ。そして、その舌で転がし始める。瞬間、凛花の身体がぴくんっと跳ねた。凛花は声を出さないよう必死に唇を噛むが、どうしても息が漏れてしまう。

 

「……声、出しなよ」

 

低く、冷たい声が部屋の中に響く。凛花は、その声に反発するかのように、小さく首を横に振った。そんな凛花の反応に、苛立つかのように、五条の碧色の瞳が細められる。

五条の手が、凛花の胸元から、腹の辺りを優しく撫でた。そのままゆっくりと下へ伝っていく。そして、五条の指がある部分に触れた瞬間――。

 

「……ぁ……ん……っ!」

 

堪らず、凛花が声を上げた。思わず出てしまった声に凛花は驚きつつも、唇をさらに強く噛んだ。そんな凛花の反応を見て、五条の口元が弧を描くように歪む。そして、先程よりも激しくその部分を撫で始めた。

その度に凛花が必死に声を我慢するものだから、面白くて仕方ないといったように笑っていた。しかし、凛花にとって、その行為は非常に恥辱的だった。

 

恥ずかしさのあまり、思わず涙が溢れ出る。だが、五条の手は止まらない。それどころか、どんどん激しくなっていく一方だ。

とうとう堪えきれずに声を漏らそうとした瞬間、五条の動きがぴたりと止まった。そして、小さく舌打ちをすると、そのまま部屋を出ていく。

 

やっと終わった……と凛花が安堵したのも束の間で、すぐに戻ってきた五条の手によって再びベッドへ押し倒される。今度は何をされるのかと思いきや、彼は凛花の両足を左右に大きく開いたのだ。

 

「……っ」

 

そのまま、その部分をじっと見つめてくる。凛花は恥ずかしさのあまり足を閉じようとするが、五条の力が強くて敵わない。

それに……と凛花は思う。先程の五条の冷たい声を思い出すだけで背筋が凍りそうだった。だから、抵抗なんてできるはずがないのだ。

 

すると、突然五条の指が中へと侵入してきた。突然のことに驚いたが、痛みはなかった。むしろ、今まで感じたことがないような快感に襲われる。

 

「――ぁ……っ」

 

思わず甘い声が出てしまいそうになるのを、凛花は必死に抑えた。しかし……、

 

「……ぁ、ああ……ん……っ、は、ぁ……ゃ……ぁンン……っ」

 

そんな凛花の努力も虚しく、彼女の口からはひっきりなしに甘い声が漏れ出始めた。時折、敏感な部分に触れられる度、身体が大きく跳ね上がる。その反応を面白がったのか、五条の指の動きはさらに激しさを増した。

 

凛花は、あまりの快感に意識を失いそうになった時、突然指を引き抜かれた。そして次の瞬間には、指とは比べ物にならない質量のものが入り込んできたのだ。

 

「ぁ、ああ――っ!」

 

その瞬間、全身に電流が流れたかのような衝撃を受ける。今まで感じたことのない感覚に頭が真っ白になる。そんな凛花の様子を見て、五条の口元に笑みが浮かんだ。そして、ゆっくりと腰を動かし始めたのだ。

 

「……っ、ぁ……っ、は、ぁ……っ、ゃ、ぁああ……っ」

 

凛花は必死に声を押し殺していたが、それでも漏れてしまう声が部屋中に響いている。

 

「凛花、もっと声出していいんだよ」

 

「……ゃ、だ……っ、ぁ、ああ……んっ」

 

五条の言葉に必死に首を横に振るが、彼の動きは止まらなかった。それどころか、どんどん激しさを増していくばかりだ。

 

そして――。

 

「くっ……」

 

五条が低く呻いた直後、中に熱いものが注がれる感覚があった。それと同時に五条の身体が、凛花にのしかかってくる。凛花は荒い呼吸を繰り返しながら天井を見つめていた。まだ頭がぼぅ……としているせいなのか、思考が追い付かない。

 

だが、そんな凛花に構わず、五条の手が再び動き始める。

今度は先程よりも激しく攻め立てられた。凛花は必死に声を抑えようとしたが、すぐに限界が訪れてしまう。

結局その後も何度も抱かれ続けてしまったのだった。

 

 

 

 

翌日、目を覚ました時にはもう昼近くになっていた。隣には誰もいない。きっと任務に行ったのだろうと思い、身体を起こすと、下腹部に鈍い痛みが走った。思わず顔を歪めるが、同時に昨日のことを思い出してしまい顔が熱くなるのを感じた。

 

……どうして、こんな事になっているのだろ……。

 

あれから、一体何日経ったのか……。時間の経過すら、よく分からない。この部屋に閉じ込められ凄く長い時が経ったような気もするが、実際どのくらい経ったのかすら分からなかった。

 

毎日毎日、五条が帰ってくると抱かれて、気が付けば朝になり、五条はいない。そんな日が何日も続いて、もう時間的感覚が分からなくなっていた。

 

……私は、いつまでここに居るんだろう。

 

そんな疑問ばかりが頭に浮かぶ。だが、答えなど分かるはずもないし、聞くことも出来ない。ただ一つだけ分かっていることは……、もうあの頃には戻れないかもしれないという事だけだ。凛花は深い溜め息を吐いた。そして再びベッドに横になる。

 

その時だった――突然部屋の扉が開いたのだ。驚いて視線を向けると、そこには五条が立っていた。しかも何故かスーツ姿だ。今まではラフな格好しかしていなかったのに一体どうしたのだろうと思っていると、彼はゆっくりとした足取りで凛花の元へ歩み寄ってきた。

 

そして、ベッドの端に座ると優しく頬を撫でてくる。その手つきがとても心地よくて思わずうっとりとしていると、突然五条の顔が近づいてきた。反射的に目を瞑ると唇に柔らかいものが触れる感覚がした。だが、それはすぐに離れてしまう。恐る恐る目を開けてみるとそこには優しい笑みを浮かべる五条の顔があった。

 

その笑顔を見た瞬間胸が高鳴るのを感じた。とくん、とくん……という心臓の音が聞こえてくるようだ。それと同時に顔が熱くなり始めたのが分かった。そんな凛花の様子を見てか、今度は深く口付けられる。

 

「……んっ……ぁ、は……ンン……っ」

 

まるで貪るように何度も角度を変えながら繰り返された後ようやく解放された時には、凛花はぐったりとしていた。

そんな凛花の様子に満足したのか、彼は妖艶な笑みを浮かべたまま再び顔を近づけてくると、今度は首筋に舌を這わせてきたのだ。

 

「ぁ……」

 

突然の刺激に驚いた凛花が身体を震わせると、その反応を楽しむかのようにさらに強く吸い付いてくる。そして次の瞬間にはちくりとした痛みが走った。どうやら痕を付けられたらしい。

その後も執拗に同じ箇所を攻め立てられ続けていくうちに段々と変な気分になってきた。恥ずかしさのあまり顔を逸らそうとするが、いつの間にか両手で固定されて動かせなくなっている。そのまま舌先でちろちろと舐められると、背筋にぞくぞくとした感覚が走った。

 

五条の手がゆっくりと下へと移動していき、凛花のふくよかな胸に触れる。最初は軽く触れるだけだったが徐々に力が込められていき揉み始めるようになった。

 

「ぁ……っ、はぁ……ンン……ぁ……っ」

 

時折先端部分を摘まれたりする度に甘い吐息が出てしまう。そして遂には下着の中へと手を入れられてしまった。そこは既に湿っていて恥ずかしくなると同時に、期待している自分がいる事に気が付いてしまった。

羞恥のあまり、凛花が顔を思わず逸らそうとするが、五条にぐっと顎を掴まれたかと思うと、そのまま唇を奪われた。

 

「凛花――逃げられないよ」

 

冷ややかな声が、脳裏に響く。それでも凛花は必死に抵抗を続けた。だが、そんな些細な抵抗すら楽しむかのように彼は笑みを浮かべていた。そして再び唇を重ねてくる。今度は先程よりも深く長いものだった。息苦しさを感じて口を開こうとしても、それを見計らったように舌を差し込まれてしまう。歯列をなぞられ上顎を舐められると、ぞくりとした感覚に襲われた。

 

ようやく解放された時にはもう身体に力が入らずぐったりしていた。そんな様子を見た彼は満足げな笑みを浮かべると耳元で囁いてくる。

 

「――愛してるよ、僕の……僕だけの凛花……」

 

その言葉に、背筋が凍るような恐怖を覚えた。彼の瞳には光がない。まるで深淵を覗いているかのような暗く冷たい眼差しだ。その瞳に見つめられると、まるで金縛りにあったかのように動けなくなってしまうのだ。

 

目の前にいるのは本当に五条なのだろうか。自分が知っている彼とはまるで別人のようで、凛花は思わず後退ろうとしたが、すぐに腕を掴まれてしまう。そしてそのまま押し倒されてしまった。

覆い被さってきた五条は凛花の両足を掴むと大きく開かせる。それからゆっくりと顔を近づけてきたかと思うと下着越しに秘部を舐め始めたではないか。

突然のことに凛花は驚きの声を上げたが、彼は意に介することなく行為を続けた。

 

「ぁあ……っ、ゃ……ン……は、ぁ……だ、めぇぇえ……っ」

 

舌先でぐりぐりと押し潰すように刺激を与えられると、それだけで身体がびくんと跳ね上がった。そして同時に甘い吐息が出てしまう。そんな反応を楽しむかのように何度も同じ箇所を攻め立てられ続けた結果、凛花は既に限界を迎えようとしていた。

しかしそれでもなお続けられる愛撫に、とうとう耐えきれなくなり絶頂を迎えようとした瞬間だった。突然五条の手が止まったのだ。

どうして止めるのだろうと思っている内に、今度は下着を脱がされてしまう。そして直接触れられると、今までとは比べ物にならないくらいの快感に襲われた。

 

「――っ、ぁああ!」

 

溢れ出る蜜を指に絡めるようにして動かされると、くちゅくちゅという淫靡な音が部屋中に響いた。その音を聞く度に恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだった。だが五条の動きは止まらないどころかどんどん激しくなっていくばかりだ。そしてとうとう限界を迎えた凛花は呆気なく果ててしまった。

 

ぐったりとしている凛花の身体を起こすと今度は後ろから抱き締められるような体勢になる。そして再び指が中へと入ってきたかと思うと同時に突起部分を摘まれるのを感じた瞬間――。

 

「ああぁっ!!」

 

今まで感じたことの無い程の強い刺激に襲われて悲鳴のような声を上げるが、それでも彼の動きが止まることはなかった。それどころかさらに激しさを増していく一方である。

あまりの快感に意識を失いそうになるが何とか堪えた。だが次の瞬間にはまた別の箇所を攻め立てられるものだからたまらない。結局その後も何度もイカされてしまったのである。

 

ようやく終わったかと思えば、今度は仰向けに寝かされ両足を広げさせられるというとんでもない格好をさせられてしまった。そしてそのまま一気に貫かれたのだ。

 

「ああ―――っ!」

 

その衝撃に一瞬目の前が真っ白になった気がした。だがそんなことはお構いなしといった様子で、激しい抽挿が始まる。肌同士がぶつかり合う音と結合部から聞こえる水音が混じり合い、聴覚までも犯されているような気分になった。

 

「ゃ、ぁあ……っ! ま、って……あぁン……! あ……っ!!」

 

容赦なく最奥を突かれる度に悲鳴のような声を上げてしまう。あまりの激しさに耐え切れず制止の言葉をかけるが、聞き入れてもらえないばかりか更に激しくなるばかりだ。そんな凛花の様子を楽しむかのように、彼はさらに動きを強めていった。

しかも時折感じるポイントを的確に突いてくるものだから堪らない。先程からずっとイキっぱなしの状態が続いているのである。

 

「ゃ、あンン……っ! も、もう……っ、ああぁっ!!」

 

絶叫に近い声を上げながら凛花は何度目か分からない絶頂を迎えた。だがそれでもまだ終わらないらしく、今度は体位を変えさせられることになったのだが、その際に体勢を変えたせいでまた違う箇所が擦れてしまい新たな快感が生まれたことに戸惑った。

しかしそんなことを考えている余裕など与えてもらえるはずもなく、五条に激しく突き上げられてしまう。

 

「ぁあんっ! だめ……だ、めぇぇえ!!」

 

びくびくっと身体を痙攣させながら達してしまった。しかしそれでもなお動きが止まることはなく、むしろさらに激しさを増したのだ。

そしてとうとう限界を迎えそうになった時だった――突然、五条に唇を塞がれてしまい呼吸困難に陥ってしまう。だがそれも束の間のことですぐに解放されたのだが、その直後には今までで一番深いところを突かれてしまい――、

 

「ぁあ――っ! は、ぁンン……さと、るさ……っ、ぁ、ああ、だめ、だめぇえ!!」

 

絶頂を迎えた瞬間、膣内で熱いものが放たれたのを感じた。その感覚にすら感じてしまいそうになったが何とか耐えることができたようだった。しかし、それも束の間のことですぐに次の快感に襲われることとなった。

 

「まだだよ、凛花――まだ、終わらせない」

 

そう、五条が呟いたかと思うと、今度は対面座位の体勢になり下から突き上げられる形になっているため自重のせいでより深く繋がってしまったのだ。

 

「ぁあ、ん……っ!」

 

びくんっと、凛花が堪らず身体を反らせる。それが苦しくて逃げようとしても腰を掴まれているせいで逃げられない。何度も下から突き上げられて、凛花はその度に悲鳴のような声を上げ続けた。

 

やがて何度目か分からないほど達してしまうと、ようやく解放されたと思った瞬間――今度は四つん這いの体勢にさせられてしまったのである。

そして再び抽挿が始まる。先程よりも更に激しい動きに翻弄されっぱなしだった。背後から攻め立てられる度に甘い声が出てしまう。それが恥ずかしくて手で口を押さえようとしたがすぐに五条によって外されてしまった為、声を抑えることができなくなってしまったのだ。

 

そのまま何度もイカされ続け、とうとう意識を失いかけた時になってようやく終わりを迎えることが出来ると思ったが……現実はそんなに甘くは無かった。

再び、対面座位の体勢にさせられたかと思うと、下から一気に子宮口まで突き上げられたのだ。

 

「ああ……っ!!」

 

あまりの衝撃に一瞬意識を失いかけたが、すぐに現実に引き戻されてしまう。そのまま激しくピストン運動が開始されてしまい、凛花はただ喘ぐことしかできなかった。

 

そしてとうとう限界を迎えそうになった時――突然動きを止めたかと思えば今度はゆっくりと焦らすような動きに変わったのである。

 

そんな五条の行動に戸惑いつつも、凛花の身体は正直に反応してしまい腰が勝手に浮いてしまう始末だった。そんな様子を見て彼は楽しげに笑った後、再び激しい抽挿が始まったのだ。

何度も絶頂を迎えさせられたせいか敏感になっている身体は少し触れられるだけでびくびくっと反応してしまいそうになる程になっていた。

 

だがそれでも構わず続けられる行為によって徐々に追い詰められていく感覚に襲われた凛花は必死に抵抗を試みるが、それも無駄な努力に過ぎなかったようで、結局最後は五条に屈する形となってしまったのである。

その後も何度も体位を変えながら犯され続け、羞恥心を覚える暇もなく何度もイカされてしまうことになるとは思いもしなかったのだ。

 

もう何度達したかも分からない状態で意識を失いそうになるのだが、それでもまだ終わらないらしく五条は、凛花の身体を揺さぶり続けた。

 

「凛花……っ」

 

耳元で囁かれるたびにぞくぞくとした感覚に襲われる。それと同時にきゅうっと中に入っているものを締め付けてしまったようだ。するとそれに反応したかのように彼は腰の動きを速めたのである。激しくなるにつれて限界が近づいていくのを感じた凛花が、堪らず声を上げた。

しかしそれでも彼は動きを止めようとはせず、むしろさらに激しく責め立ててきたため、凛花はまた絶頂を迎えてしまったのだった。

 

その後も休む暇もなく犯され続けてしまい、意識を失いかけるものの、すぐに覚醒させられてしまうという繰り返しが続いた結果――やがて限界が訪れたのか一際強く突き上げられた後、中に熱いものが放たれたのを感じた瞬間――そこで凛花の意識は途切れたのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

事の始まりはなんだっただろうか……。

あの日――、父・零你に呼ばれて実家に出向いたのが始まりだったかもしれない。

 

「お見合い……ですか?」

 

突然、突き付けられた「お見合い」の話。零你が言うには、先方がどうしてもと言ってきたらしい。凛花はこの時、五条とは表向き婚約を破棄したことになっていた。故に、相手も遠慮をしなかったという事だろう。

 

しかも、相手の男性は神妻の仕事相手でもあった。断っても問題ないと零你は言ったが、断るにしても、会わずにというのは、いささか難しそうだった。

だから、凛花は一度だけ会う事を承諾した。少なくとも、即決で断ると、後々面倒になりそうだったからだ。だから、会ってその場で断ろうと思った。

 

ただ、五条にはこの話は出来なかった。何故かは解らないが、してはいけない様な気がしたからだ。でも――。

 

お見合い当日、何故か五条が何処から知ったのか、会場に乱入してきたのだ。そして、会場を半壊にすると、五条は凛花の腕を引いて会場を抜け出した。

そのまま彼所有のマンションへと連れて行かれると、そのままそこで強引に抱かれてしまったのである。

 

それからというもの、一歩も外に出る事も許されず、このマンションで毎日のように抱かれ続けた。何度やめてと懇願しても、彼は聞き届けてはくれなかった。まるで別人の様だった。

凛花の知っている優しい五条ではなく、冷酷で無慈悲な、悪魔の様な男だった。

 

だがそれでも――凛花は彼を嫌いになれなかった。

 

何故なら、彼は必ず言ってくれるからだ。ずっと、前から「愛している……」と。その言葉は嘘偽りではないと思うから……。

 

だからなのか、彼を本気で憎めずにいる。たとえどんな目にあっても、いつか元の優しい彼に戻ってくれるのではないかと思ってしまうからかもしれない。だが、そんな希望を持つ事すら許されない。何故ならここは檻の中であり、自分は囚われの身なのだから……。

 

そして今日もまた――凛花は彼に抱かれ続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2025.02.04