花薄雪ノ抄
     ~月来香編~

 

◆ 鶴丸国永&山姥切国広夢

      「神の禊と、力の行方」

(刀剣乱舞夢 「華ノ嘔戀 外界ノ章 藍姫譚」 より)

 

 

 

その日は穏やかな、日だった

現世の春も近くなり、気候を現世に合わせている“本丸”もまた

冬の寒さから春の温かさへ変わろうとしていた

 

それは、この“竜胆の本丸”の“審神者”でありながら

現生では、石上神宮の第185代“神凪”でもある沙紀にとっても変わらなかった

 

この日、沙紀は春分の日に石上神宮で行われる“春季皇霊祭遙拝式”の為に、現世に赴いていた

これは、毎年“春分の日”に行われる

宮中では皇霊殿で、歴代天皇・皇族の御霊に対し式典が行われ、

各社その日に合わせて、遙拝式が行われるのだ

 

遙拝式とは参列できない皇族ではない者達が、故人を偲びお別れをしていただくためのものである

沙紀は石上神宮の“神凪”として出席せねばならなかったのだ

 

毎月1日と15日にある「月次祭」には、流石に出席していないが、大きな式典には必ずと言っていい程、出席せねばならない

今更何年もしてきた事を苦とは思う事はなかったが・・・・・・

 

“審神者”になり、仕事が増えた上にさらに式典も含めると、中々ゆっくりできる時間が無かった

 

沙紀は前日の内に、鶴丸国永と山姥切国広を伴って、現世の石上神宮で使っていた奥宮の屋敷に入っていた

 

久方ぶりに会う、父・一誠は沙紀達を暖かく迎え入れてくれた

と、同時に巫女たちが明日の式典用の衣装の調整に現れて、あっという間に夜になってしまった

 

「ふぅ・・・・・・」

 

流石に疲れたのか、沙紀が少しだけ溜息を洩らした

本来ならば宮中では皇霊殿に赴かなければならないのだが――――・・・・・・

今の沙紀に無理と判断した政府が、手を回したのか

それとも、宮内庁に沙紀が“審神者”になったことが伝わっているのか・・・・・・

 

今年から、宮中まではいかなくてよいとお達しを受けた

それはそれで助かるが――――

 

逆に、“審神者”であり“神凪”だからこそ出向いて欲しいという意見もあったという

ただ、“審神者”も“神凪”も、故人と対話する技は持ち得ていない

霊媒士ではないのだ

 

あくまでも、“神との対話”であり、“霊魂”との対話ではない

そこを穿違えている面があった

 

そこは、一誠が何度も宮内庁に赴き説得したらしい

 

・・・・・・お父様に、ご迷惑をかけてしまったわ

 

そう思う反面、宮中に行かなくてよかった事にほっとした

出来うる限り、行くのは避けたかった

 

時間的な事もあるが、精神的に疲労が激しくなるからだ

“あそこ”には霊的な術式が施されており、他の神を体内に宿す沙紀にとっては、お世辞にも“余り心地の良い場所”ではなかった

 

どちらにせよ、今から行かねばならない所がある

式典や儀式の当日は身を清める為に、裏手にある“布留の滝”へ行くことが通例であった

 

そこは、石上神宮のずっと奥

神聖なる大国見山の奥にある源流の傍にある

 

布留川の上流に位置する“布留の滝”と呼ばれる場所だ

古くから霊場として知られている場所であり、かつて石上神宮の元宮であったという伝説の残る場所である

 

この地はかつて天叢雲剣を持っていた八岐大蛇が剣となって降臨したとの伝承が伝わっており、また、白龍伝説の残る地でもあった

 

時間は既に、夜も更け空には星が舞っている

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

春が近くなったとはいえ、まだ夜の山は寒い

だが、誰かを連れたって行っていい場所ではない為、鶴丸や山姥切国広に同行は頼めない

それは、勿論一誠も同じことだ

 

前日から食事も取らない

これもいつもの事だ

 

沙紀は、山腹で巫女から松明を受け取ると、一人大国見山に奥に足を踏み入れた

山の奥地は暗く、自分が持つ松明しか灯りがない

 

「はぁ・・・・・・」

 

吐く息が白くなる

 

こからは、明日の朝まで一人だ

誰も来ないし、来られない

 

結界が施されているので、危険がないのは分かっているが――――

 

「りんさん・・・・・・」

 

最近はいつも傍に他の皆がいたから、一人だとどうだったかを忘れそうになっていた

 

こんな弱気じゃ駄目だわ・・・・・・

こんなこといつもの事・・・・・だったじゃないか

 

だから――――平気な、筈、なの、に・・・・・・

 

どうしてか、心細く感じてしまう

 

瞬間、ひゅうううっと風が吹いた

 

「・・・・・・・・・・・・っ」

 

風が冷たい

沙紀は腕を摩りながら、大国見山に奥地にある“布留の滝”までやってくると

松明の火を、左右にある篝火に移した

 

瞬間――――“布留の滝”の周辺だけ、明かりが灯る

沙紀は松明の火を消すと、羽織っていた上着を脱ぐと、傍に掛ける

 

禊用の衣だけを纏い、滝壺から少し離れた水場に足を入れた

そして、そのまま静かに中央へとそのまま歩いてゆく

 

ぱしゃんと、闇の中 音だけが響いた

 

吐く息が白くなり、水が沙紀の身体を凍らせる

それでも、沙紀はそれが“冷たい”とは感じなかった

 

こうして、身を清める事により一層霊力ちからが研ぎ澄まされるのだ

沙紀は静かに目を閉じる

 

それでも、風の音、木々の鳴く音、水が落ちる音などが耳に入って来る

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

平気だと思った

ずっと何年もしてきた事だから、平気だと思っていた

けれど――――・・・・・・

 

“寂しい”と

 

そう感じてしまった

きっと、“審神者”として“本丸”で皆の温かさに触れ、感化されてしまったのかもしれない

 

一人でいる事が、こんなにも“寂しい”だなんて――――・・・・・・

 

今まで感じたことのない“この感情”に、どうしたらいいのか――――

これでは身を清めに来た意味がない

 

「――――りんさん」

 

ふと、そう言葉にした時だった

 

 

「――――呼んだか? 沙紀」

 

 

突然、ふわっと風が吹いたかと思うと、どうやって現れたのか――――鶴丸と山姥切国広の2振が目の前にいた

 

 

「・・・・・・え?」

 

 

沙紀には一瞬何が起きたのか分からなかった

この時の沙紀の顔は、きっと間抜けにもぽかーんとしていたに違いない

 

「あ、えっと・・・・・・???」

 

事態が掴めず、沙紀が首を傾げる

いや、ここは1人で身を清める為の“布留の滝”だ

そこに、何故彼らがいるのだろうか・・・・・・?

 

沙紀が大きくその躑躅色の瞳を見開きながら、一歩後退った

が――――

 

ばしゃん!! という音と共に、鶴丸の手が沙紀の腰に回されたかと思うとそのままぐいっと抱き寄せられた

 

ぎょっとしたのは沙紀だ

 

「あ、ああ、あの・・・・・・っ」

 

しどろもどろになりながら、何とか声を発しようとするが――――

何を言って何処から突っ込んでいいのか分からない

 

すると、すっと後ろから山姥切国広の手が伸びてきたかと思うと、そっと沙紀の肩に触れた

 

ますます、訳が分からなってきた沙紀は、取りあえず慌てて

 

「あ、あの・・・・・・っ、今は“清めの儀式”の最中でして――――」

 

「知ってる、なぁ? 国広」

 

そう鶴丸が山姥切国広に同意を求める

と山姥切国広も小さく頷き

 

「ああ、そうだな。 “清めの儀式”だから、俺達はここへ呼ばれた」

 

「呼ばれた・・・・・・?」

 

って、どなたに!!?

 

はっきりって、最早沙紀はパニックになっていたかもしれない

だが、そんな沙紀にはお構いなく、鶴丸がそっと沙紀の髪に触れてその髪に口付けを落とす

 

「・・・・・・っ待っ・・・」

 

「待たないといったら?」

 

そう言って鶴丸がにやりと笑みを浮かべると、そのまま沙紀の唇を指でなぞった

 

あ・・・・・・

 

この先に何が来るのか分かり、沙紀が慌てて鶴丸から離れようとするが――――

がっちり掴まれた腰はびくともせず、そのまま口付けが降って来た

 

「――――っ」

 

流石の沙紀も、慌てて抵抗しようとするが――――

後ろから、山姥切国広の唇がそっと自分の首に触れるのが分かった

 

「・・・・・・ぁ・・っ、んんっ」

 

水の冷たさのせいか、二人の触れてくる感触が酷く敏感に感じる

 

だめ・・・・・・

ここは・・・・・・

 

この場所は“神聖な場所”なのだ

なのに――――・・・・・・

 

身体が言うことをきかない

されるがまま、二人からの口付けを受け入れてしまう

 

「あ・・・・・・は、ぁ・・・・やめ・・・・・・っ」

 

「沙紀―――こっち向け」

 

そう言って、鶴丸の口付けがどんどん深くなっていく

そしてそれだけではなかった

山姥切国広の唇が首筋から背中へと動いていく

 

「ぁ・・・・・・っ、ンン、っ、だ・・・・・・だめ、ここ、は――――」

 

ばしゃんっと 水が跳ねる音が酷く大きく聞こえる

一体、何が――――

 

起きているのか

もう、理解出来なかった

 

すると、鶴丸がさも当然の様に

 

「知っているか、沙紀――――俺達も・・・曲がりにも“神”なんだぜ?」

 

「そ、それ、は――――・・・・・・」

 

そうかもしれない

そうだけれども――――・・・・・・

 

「だから、俺達の神力を与えてくれと言われたんだ――――」

 

いわれた・・・・・・?

だれ、に・・・・・・?

 

頭が働かない

神聖力を与える――――それはつまり・・・・・・

 

「――――“この場所”で俺達に身を委ねろ」

 

「そ・・・・・・」

 

「そんな事――――」と言おうとした瞬間、更に鶴丸からの口付けが激しくなった

まるで、沙紀の言葉を奪うかのように激しくなるそれに、沙紀は逆らう事すら出来ずにいた

 

「ンン・・・・・・ぁ、り、りん、さ・・・・・・っ」

 

次第に感覚が麻痺しそうになる

 

いつの間にか、唇同士が深く重なり合う様になっていた

鶴丸は角度を変えながら、何度も沙紀のそれに己のそれを重ねてゆく

 

次第に舌と舌が重なり、逃れられない迷路に迷い込んだかのように、複雑に絡み合っていく

 

「ん・・・・・・ふ、ぁ・・・っ、り、んさ・・・・・・ん・・・っ」

 

合間に零れる沙紀の熱の籠もった吐息交じりの声が鶴丸のそれをもっと加速させていった

それと同時に、山姥切国広の手が禊用の衣が濡れて殆ど露になっている胸元に触れてきて、優しく揉まれた

 

「・・・あ・・・・・・っ」

 

ぴくんっと沙紀の肩が震えた

水に濡れているせいで余計に敏感になっているのだ

 

「・・・・・・なぁ、あんたのここ―――柔らかい」

 

山姥切国広の言葉に、沙紀がかぁっと顔を赤く染めた

 

「あ、あの、待っ・・・・・・んんっ」

 

「・・・・・・無理だ、あんたに触れたら・・・・、止められる自信がない」

 

そう言いながら、山姥切国広は沙紀の首筋に口付けた

ちゅっという音と共に、首筋に赤い花が残る

 

そして、山姥切国広の指がそっと沙紀の双丘に触れてきた その指先が頂点に触れる

そこは既に固くなっていた

 

そんな所を弄られて、沙紀の身体がぴくっと反応する

 

「ぁ・・・・・・だ、だ、め・・・・・・やまん、ば、ぎり、さ・・・・・・っ」

 

沙紀の身体は、既に全身で2振を感じ始めていた

駄目だと分かっていても、身体は正直だった

 

沙紀の躑躅色の瞳に、うっすらと涙が浮かぶ

すると、鶴丸はその涙を舌で拭うと、そのまま瞼に口付けた

 

「沙紀・・・・・・ここには俺達以外いない。 啼いてもいいんだぜ? 声、聴かせてくれ――――」

 

耳元で囁かれる甘く低い声に、ぞくりと身体が粟立つ

 

こんな、こと・・・・・・

駄目だと分かっているのに・・・・・・身体が自分の身体ではない様に動かない

 

そうしている内に、山姥切国広の手がそっと沙紀のその透けて見える薄桃色の蕾に触れた

くりゅっと、山姥切国広の指がそこを強く摘まむ

 

「ぁ・・・・・・っ、は、ぁ・・・・・・んん、だ、だ、め・・・・・・っ」

 

びくっとして、沙紀の背が仰け反った

同時に、鶴丸の口付けが一層激しくなってくる

 

口内を犯していくような激しい口付けと、胸への愛撫に、沙紀はもう何も考えられなくなっていた

 

すると、今度は鶴丸の唇が離れたかと思うと、今度は山姥切国広の唇が重ねられた

それがもう、沙紀には抵抗する事も出来ない程深くなっていく

 

「ンン・・・・・・っ、ぁ・・・・やま、ば、ぎりさ・・・・・・」

 

その間にも、山姥切国広の指は沙紀の胸の頂点を執拗に攻め続けた

 

最初はゆっくりと触れていたのだが、次第に強くつまんでくるようになった

それが更に沙紀の感覚を刺激してくる

 

「――――ぁ・・・・・・、っ、ンン・・・・は、ぁ・・・・やっ・・・・・・」

 

しかも、いつの間にか鶴丸がもう片方の胸に触れていた

禊用の衣など、着ていても意味すら持たず

 

直に柔肌に触れられているのと同じだった

両方の頂を同時に違う刺激で責められ続け、沙紀は気がおかしくなりそうだった

 

だめ・・・・・・っ

これ以上されたら、わた、し――――

 

だが、そんな沙紀の思いとは裏腹に、鶴丸は沙紀の胸に顔を埋めると、その頂を口に含んできた

 

舌先で転がされ、時には甘噛みされる

それだけでなく、鶴丸は空いている方の手を沙紀の太腿へと滑らせてきた

 

「あっ・・・・・・りん、さ・・・・・・っ、だ、だめ、そこは――――」

 

沙紀が慌てて脚を閉じようとするが、鶴丸の方が一枚上手だった

そのまま、そっと足の付け根に触れてくる

 

そこは既に濡れていて、まるで洪水のように溢れ出していた それを鶴丸が指で掬う

それを鶴丸が舌で舐める

 

そんな事を繰り返しているうちに、鶴丸のそれは更に熱を帯び始めた

山姥切国広も、いつの間にか片方の手で胸を攻めながら、もう片方の胸をしゃぶっていた

 

いつの間にか胸を曝け出すように前が開かれており、胸の先端は紅く染まり、ピンッと立ち上がっていた

 

胸だけで感じてしまっている――――そう思うと、沙紀の顔が羞恥で朱に染まっていく

 

しかし、もう2振の行為に抗う事は出来なかった

山姥切国広の舌使いに

 

「は、ぁ・・・・・・んっ、や、・・・・・・ぁ・・・・」

 

沙紀の口から甘い吐息が零れる

それと同時に、鶴丸の手が沙紀の秘部をなぞり始めた

 

「あぁ・・・・・・っ、ん、ぁ、はぁ・・・・・・だ、めぇ・・・・・・っ」

 

濡れているせいか、くちゅくちゅという水音が聞こえてきて、沙紀は恥ずかしさに顔を赤絡めて目を背けた

 

だが、山姥切国広からの刺激で、それもすぐに分からなくなってしまう

 

指で花弁を押し広げられ、中にある花芽を探られる

 

「ぁ・・・・・・っ、り、んさ・・・・・・そこ、やンン・・・・・・っ」

 

その度に、沙紀の腰がぴくんっと跳ね上がった

そして、鶴丸の指先が花芽を捉えて擦ってきた

 

その瞬間、沙紀の身体が大きく仰け反った

 

「――――ああっ!」

 

ばしゃん! と、大きく水音が跳ねる

その音が酷く大きく聞こえた

 

今までで一番強い快感が襲ってくる

 

もう、限界まで来ているのだ

 

すると、山姥切国広の手の動きが更に激しくなった 沙紀の弱い所ばかり攻めてきて

それが沙紀の身体の限界を更に加速させた

 

身体の奥から何かが込み上げてくる

 

駄目っ、こんな所で――――

 

沙紀の頭の片隅で警鐘が鳴る だが、鶴丸と山姥切国広は容赦なく沙紀を追い込んでいった

すると、鶴丸が耳元で囁いてきた 甘く低い声で「もっと声を聞かせてくれ――――沙紀」、と

 

「そ、んな・・・・・ンンっ・・・・ぁ、はぁ・・・・・・ああ」

 

それに呼応するかのように山姥切国広が胸への愛撫を再開した

 

「・・・・・・あんたの声、聞きたい・・・」

 

舌と唇で同時に胸を攻め立てられる

 

それが、最後の引き金となったのか

次の瞬間――――

 

「――――っ、ああっ!」

 

沙紀の甲高い声を上が、辺り一帯に響き渡った

ぴくぴくっと痙攣しながら達したと分かった

 

沙紀の身体が、そのまま立っていられなかったのだろう――――

ぐらりと揺れた

 

「――――とっ」

 

だが、水辺に沈む前に鶴丸の手が伸びてきて、そのまま横抱きに抱き上げた

それから、ざぶざぶと水をかき分ける様に岸岩に沙紀を寝かす

 

沙紀の着ていた禊用の衣は、すっかり濡れて彼女の全身がくっきりと月に照らされて分かるほどだった

月明かりでもはっきりと見える程、白い肌は光っているようだった

 

それを見た2振はごくりと喉を鳴らす

そこには“余裕”という文字などなかった

 

沙紀も、そんな2振を見て、無意識に身体の奥が疼いているのが自分でもわかった

 

駄目だとわかっているのに

ここは神聖な場所――――神と会う為に身を清める場所だと分かっているのに――――・・・・・・

 

なのに、身体が言う事を聞かない

 

沙紀がなんとか身体を起こすと、彼女の濡れた美しい黒髪がさらりと垂れ下がる

その様は妖艶さを醸し出していて、その光景を見ていた鶴丸と山姥切国広は、自分の中の理性が崩れ落ちていく音を聞いた気がした

 

「りん、さ・・・・・・、やま、んばぎ、さ・・・・・・」

 

肩で息をして、今にも意識が飛びそうなほど朦朧とする頭で彼らの名を呼ぶ

 

ああ・・・そうか・・・・・・

 

ここは、“神と対話”する場所でもある

そして、彼らは“神”

それなら、もう――――・・・・・・

 

「沙紀――――・・・・・・」

 

鶴丸が、ゆっくりと沙紀の髪に触れる

それと同じくして山姥切国広が

 

「あんたは・・・・・・」

 

そう言いながら、彼女の頬に触れた

沙紀は、その手に己の手を重ねると、一度だけその躑躅色の瞳を瞬かせた

 

そのままゆっくりとした動作で、山姥切国広の口付けが降ってくる

鶴丸も沙紀の額や瞼、鼻先や頬に口付けを落としながら、彼女の身体に触れていった

 

山姥切国広も、沙紀の首筋に舌を這わせ始める

すると、沙紀はそれだけでぴくっと反応してしまった

 

それはまるで、もっと触って欲しいと言っているかのようで――――

それが伝わったのか、山姥切国広は彼女の首筋に強く吸い付いた

 

「っぁ・・・・・・、ん」

 

沙紀はその感覚に耐え切れず、思わず声を上げてしまう

しかし、それも直ぐに塞がれてしまった

 

今度は深く甘い口づけだった

 

その間にも、鶴丸は沙紀の胸を揉み始めた 指先で転がすように触れて、時々摘んでみる

 

「あ、ンン・・・・・・っ、ぁ・・・・り、りんさ・・・・・・んんっ」

 

びくんっと沙紀の身体が揺れた

 

だが、逃がさないとばかりに、鶴丸の舌が沙紀の胸に触れる

舌で頂を転がす様に動かすと、また沙紀の口から甘い声が出た

 

「・・・・・・ぁ、あンン、・・・・・・だ、めぇ・・・・・・っ」

 

視界がちかちかしてくる

塗れた身体が敏感に反応する

 

身体の奥が熱い

まだ触れられてもいないのに蜜壺からは愛液が溢れ出ていた

 

それを沙紀自身も分かってしまっていた

だから、もう限界だった――――

 

山姥切国広の愛撫によって、沙紀は一度目の絶頂を迎えているのだ

だが、それでも止まらない 2振の愛撫は激しさを増していった

 

山姥切国広は、胸を攻める手を休める事無く、反対の手で秘部へと手を伸ばしてきたかと思うと

その中へ侵入させる

くちゅくちゅと水音をさせながら掻き回し始めた

 

「ぁ、だめ・・・・・・だ、めえ・・・・・・ンンっ」

 

その度に、沙紀の身体がびくんっと跳ね上がる

既にそこはぐしょ濡れになっていて、沙紀の身体が無意識的に快楽に溺れているのが良く分かった

 

だが、鶴丸はまだ肝心な所には触れない

乳房を口に含みながら、もう片方の膨らみを手で弄ぶ

 

「・・・・・・ぁンっ・・・りん、さ・・・・・・、は、ぁ・・・・」

 

時折、強く吸ったり噛んだりすると、沙紀から可愛いらしい悲鳴が上がる

それが嬉しくて何度も繰り返していた

 

一方、山姥切国広は沙紀の花芽を剥き出しにして親指でぐりぐりと押し潰してきた

 

「――――ああっ」

 

その瞬間、沙紀の身体が大きく仰け反る

同時に、花芽からも強い刺激が襲ってきた

 

あまりの快感に頭が真っ白になり、沙紀の身体が弓なりにしなった

 

そのタイミングを見計らい、鶴丸が沙紀の中に指を差し入れてくる

 

突然の事に沙紀は目を大きく見開いた

 

「あ、ああ、んぁ・・・・・・だ、めぇええ!」

 

そして、一気に奥まで貫かれた

それと同時に、山姥切国広が今までで一番激しく沙紀の中を擦り上げていく

 

そして、鶴丸が沙紀の一番弱い箇所を執拗に攻め立て始めた

 

山姥切国広が沙紀の中で指を動かすたびに、彼女の中がぎゅうっと締まるのが分かる

 

「―――――ああ・・・・・・っ!!!」

 

そして、鶴丸が彼女の胸の頂を甘噛みしながら吸い付くと、沙紀は大きく喘いだ

 

頭の中が真っ白になる

何がどうなって、どうしているのかすら理解出来なくなる程に――――

 

沙紀は、もう何も考えられなくなっていた

目の前にいる鶴丸と山姥切国広の事しか頭に入らない

 

沙紀は、もう自分が何を言っているかすら分からない状態だった

ただただ与えられる快楽に身を委ねる事しか出来ない

 

鶴丸は、そんな沙紀を見て興奮を抑えられなかった

 

彼女の中に埋めた2本の指をばらばらに動かしながら、沙紀が一番感じる場所を探し出す

すると、すぐにその場所を見つけ出した

 

「―――ぁ、や・・・・・・っ、りん、さ・・・・・・そこ、だめ、ぇ・・・・・・っ」

 

そこを重点的に攻めると、沙紀の腰ががくがく震えだした

それを見た山姥切国広は、彼女の脚を左右に大きく広げさせる

 

沙紀が慌てて脚を閉じようとするが、それは叶わなかった

そんな最中にも、鶴丸は容赦なく沙紀の膣内を掻き回していた

 

「ぁ・・・・・・ああ、ンっ、は、ぁ・・・・・・ああ」

 

指で中を突かれる度に、沙紀の口から甘い声が漏れ出る

そして、沙紀の身体が小刻みに痙攣しだした

 

彼女が達する寸前だと悟った鶴丸と山姥切国広は、沙紀の敏感な部分を集中的に責め立てた

同時に、胸への愛撫も再開される

 

「あ、ああ・・・・・・も、もう・・・・・・っ、ああっ!!」

 

そうして、沙紀は二度目の絶頂を迎えた

 

しかし、それでも2振の愛撫は止まらなかった

寧ろ激しさを増していく――――

 

沙紀は立て続けに絶頂を迎えさせられ、次第に意識が遠のいていきそうな感覚に襲われる

だが、それでも尚、快楽を与えられ続けられるたびに、意識がそちらへ引っ張られてしまう

 

そして、とうとう――――

3人の交わりが始まってしまった

 

山姥切国広と鶴丸によって、沙紀は組み敷かれると、そのまま抵抗も空しく足を開かされた

山姥切国広と鶴丸のモノを同時に挿入される

 

沙紀は、あまりの質量の多さに一瞬息が出来なくなってしまう

 

それを見兼ねた山姥切国広と鶴丸は、一度動きを止めて沙紀が落ち着くのを待った

 

だが、それも束の間

今度はゆっくりと抜き差しが始まった

 

沙紀の下腹部がきゅんきゅんとその質量に締め付けられる

 

「あ、ンン・・・・・・は、ぁ、ああ・・・・・・っ」

 

最初は苦しかったものの、直ぐに慣れてきて快楽の方が勝っていくのが分かった

すると、それに合わせる様に山姥切国広と鶴丸の動きが激しくなっていく

 

「や、ま、待っ・・・・・・」

 

無理だと思って沙紀が声を上げるが、その声はあっという間に喘ぎ声にかき消された

 

そして――――

最後は3人で一緒に果ててしまった

 

その後、山姥切国広と鶴丸が沙紀の中から出ていくと、その衝撃だけでまた軽くいってしまった

 

漸く解放されたと思ったら、休む間もなく鶴丸に後ろから抱き抱えられるような体勢を取らされる

すると、今度は山姥切国広が正面から覆い被さってきた

 

そのまま再び秘部へと指が入ってくる

しかも、さっきよりも本数が増えていて、中でバラバラに動かされた

 

「ぁ・・・・・・や、ンン・・・・・・っ、だ、だめぇ・・・・・・っ」

 

その刺激に耐えられず、沙紀は再び喘ぎ始めた

 

鶴丸はというと、いつの間にか沙紀の身体を持ち上げて、自身の上に乗せるような形にする

そして、鶴丸は自身のソレを手に取り、沙紀の蜜壺の入り口に押し当てる

 

「・・・・・・ぁ・・・っ」

 

その瞬間、沙紀の身体がびくんっと跳ね上がった

そして、鶴丸はそのまま沙紀の中へ侵入してきた

 

「んん――――ぁ、ああっ!!」

 

いきなり奥まで突き上げられて、沙紀は背中を大きく仰け反らせる そのまま激しく揺さぶられ始めた 何度も何度も奥を突き上げられる

 

沙紀は、耐えられず目の前にある鶴丸の首に腕を回して必死にしがみついた

すると、鶴丸に耳元で囁かれる

 

甘く蕩ける様な声で――――

 

「――――沙紀、可愛い」

 

そんな事を言われながら、口付けをする

舌が絡み合い、同時に腰を打ち付ける速度も上がっていった

 

その間も、山姥切国広は沙紀の胸の愛撫をやめなかった

舌で転がし、甘噛みして、刺激していく

 

「ぁ、んん・・・・・・も、もう・・・・ぁ・・ああっ」

 

沙紀は、もう頭が真っ白になりかけていた

 

そして、お互いに限界が近づいてきた所で、沙紀は一際大きな悲鳴を上げて達してしまった

それとほぼ同時に、沙紀の中に熱いものが注がれていった

 

ぐったりと、岩肌に横たわる彼女はとても綺麗で美しかった

 

 

 

 

 

 

 

 

   ****    ****

 

 

 

 

 

 

 

 

――――春季皇霊祭遙拝式 当日

 

 

沙紀は、支度をしながら不思議と身体が軽くなっている事に気付いた

昨夜――――あんな事になったのになぜ? と疑問が浮かぶ

 

その時だった、支度を手伝っている巫女の1人が

 

「本日の“神凪”様は、神力に満ち溢れていらっしゃいますね。 昨夜はきっと御禊をかなりされたのですね」

 

そう言ってにっこりと笑う

いわれた本人がぎくっとしつつも、平静を装いつつ

 

「え、ええ・・・・・・そう―――で、すね」

 

と、答えた

すると、ふと、もう一人の巫女が

 

「お顔が赤い様ですが――――暑いでしょうか? 窓開けますね」

 

そう言って、部屋の窓を開ける

見ると、庭先には鶴丸と山姥切国広が二振で何かを話していた

 

「・・・・・・っ」

 

2振を見た瞬間、ますます顔を赤らめた沙紀に、巫女たちが首を傾げた

 

「“神凪”様? どうかされましたか?」

 

「え? あ、いいえ、なんでもありません」

 

そう言って慌てて2振から視線を逸らす

 

そうして、行く先々で「今日はいつも以上に“神力”に溢れていますね」

 

と言われて、沙紀は苦笑いしか浮かべられなかった

 

この時は、知る由も無かった

まさか、二振をたきつけたのが、この石上神宮の主神の布都御魂大神であり、彼らに直接“神力”を注がれていたという事実に――――・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさかのサンドwww

こんな筈では・・・・・・?笑

 

 

2023.03.17