薄雪ノ抄
     ~月来香編~

 

◆ 小竜景光 「籠の中の鳥(後編)」

   (刀剣乱舞夢 「華ノ嘔戀 外界ノ章 藍姫譚」 より)

 

 

「・・・・・・小竜様は、私が何故欲しいのですか?」

 

何気なく出た言葉

ふと、疑問に思ったからだ

 

彼が何を考えて、こんな事をするのか――――

そう思った時、自然とその言葉が出た

 

すると、一瞬 小竜の美しい紫水晶の瞳が見開かれた

が、直ぐに細められ

 

「・・・・・・それをキミが、俺に聞くんだ。 本当に、分からないの?」

 

「それは――――・・・・・・」

 

そこまで聞いて分かってしまった

 

「てっきり、もう気付いていると思っていたのに。 参ったな」

 

そう言う小竜が少し寂しそうに笑う

 

あ・・・・・・

 

違う

こんな顔させたいのではない

 

ただ

ただ、私は――――・・・・・・

 

すっと、無意識に碧衣の手が小竜の頬に優しく触れる

 

「・・・・・・小竜様、そんな顔なさらないでください。 その・・・・・・貴方様にそんな顔をされたら、私――――どうしていいのか・・・・・・」

 

わからなくなる

 

すると小竜は、苦笑いを浮かべて

 

「はは・・・・・、やっぱり碧衣は面白いね。 こんな事・・・・されてるのに――――俺の心配してくれるんだ?」

 

そう言って、小竜の手がいつの間にか碧衣の着ていたシャツのボタンをぷちんっと、ひとつずつゆっくりと外していた

 

ぎょっとしたのは、碧衣だ

 

「こ、小竜様っ・・・・・・!!」

 

碧衣が慌てて小竜の手を掴もうとするが、その手はあっという間に頭の上で押さえつけられた

 

「駄目だよ、碧衣。 ・・・・・・キミは今から俺のものになるんだから――――」

 

「・・・・・・・・っ」

 

本気――――なの?

最初は冗談で言っているものだと思っていた

けれど

 

「ま、待ってくださいっ、小竜――――っ」

 

「小竜様」という前に、その口を塞ぐかのように口付けが降って来た

 

「んん・・・・・・っ」

 

「碧衣――――俺、言ったよね? “俺を求めて”って、だから――――」

 

すっと、もう片方の手が碧衣のはだけた胸元に触れる

 

「・・・・・・ぁ・・・っ」

 

ぴくっと碧衣の肩が震えた

彼女のその様子に、小竜がくすっと笑みを浮かべた

 

「なに? 触れただけだよ? それなのにそれだけ敏感って事なのかな?」

 

「な、に、言って・・・・・・」

 

碧衣には何が何だかもう分からなかった

だが、小竜はお構いなしにその手を、ゆっくりと碧衣の肌をなぞる様に動かした

 

「ん・・・・・・っ」

 

碧衣が微かに声を洩らす

すると、小竜はすっと彼女の耳もとに唇を寄せると小声で

 

「ねぇ、キミは俺にどうして欲しい?」

 

ただそう囁かれただけなのに、声だけで背筋がぞくぞくとする

 

「言わないとわからないよ?」

 

まるで、悪戯っ子の様に小竜がそう囁いてくる

碧衣はぎゅっと目をつぶったまま、首を横に振った

 

碧衣のその反応をみて、小竜が「ふうん」と声を洩らすと、すっと自身の髪を結っていた赤い紐を片手で器用に解く

 

瞬間、小竜の綺麗な金色の髪がさらり・・・と揺れた

不覚にも、その姿に碧衣は息を呑んだ

 

綺麗だと・・・・・・

そう思ってしまったのだ

 

だが、小竜はそんな碧衣を余所に、その赤い紐を使って彼女の手首を頭の上で縛る

 

「あ、あの・・・・・・っ」

 

たまらず、碧衣が声を発するが

小竜は「何?」と言いつつそのまま、その紐ごと寝台に結び付けた

 

「だって、こうしないとキミ逃げるだろう?」

 

そう言うその顔には、まったく悪びれた様子はなかった

むしろ、無邪気な子供の様に笑っている

 

逃げなきゃ

 

本能的に碧衣は思った

だが、固く結ばれた手はびくともしなかった

ぐっと、引っ張ってみるが、解けそうな気配は全くない

 

「こ、小竜様・・・・・・、お、おやめくださいっ」

 

そう言って碧衣が抵抗しようとするが、紐は解けるところか余計に締まっていく

それを見て、小竜がくすっと笑う

 

「無駄だよ、碧衣。 手首、痛めたくなかったら大人しくしてて」

 

そう言って、再び小竜の手が碧衣のはだけた胸元に触れた

ゆっくりとした手つきで、シャツのボタンが全部外されてしまう

 

「あ・・・・・・」

 

羞恥のあまり、碧衣の顔がどんどん赤くなっていく

 

「へぇ・・・・・・」

 

 

碧衣の露になった上半身を見て、小竜は声を洩らした

 

「キミって着やせするタイプだったんだね。 思ってたよりも――――」

 

そう言って、すっと彼女の胸元に手を寄せる

 

「ずっと、さわり心地良さそう」

 

「な、何を―――――あっ」

 

ぴくんっと碧衣の肩が揺れる

小竜の手が、彼女のふくよかな胸に下着の上から触れてきた

 

上からなのに―――――

小竜の冷たい手の感触が伝わってきて、背筋がぞくぞくとしてくる

 

「あ、あの・・・・・・小竜様っ、こんな事やめ―――――」

 

「止めてください」という前に、小竜の唇が碧衣の口を塞ぐように重なった

 

「んん・・・・・・っ、ぁ・・・」

 

「止めないって・・・・・・ん、言った、よね?」

 

そう言って、小竜が何度も何度も角度を変えて口付けしてくる

徐々に、その口付けに熱が籠もりだす

 

「碧衣―――――」

 

甘く名を呼ばれ、碧衣がぴくんっと肩を揺らした

 

「こ、りゅ・・・・・・さ、ンン・・・は、ぁ・・・・・・」

 

次第に、口付けが深いものへと変わっていく

舌と舌が絡まり合う

 

逃れようと、何度も試みたが

小竜の舌は碧衣を捕らえたかのように放してくれない

むしろ、どんどん追い詰められていく―――――

 

「ふ、ぁ・・・・・・こ、こりゅ、さ・・・・・・」

 

「碧衣、もっと口開けて」

 

「え・・・・・・?」

 

頭が朦朧してきたせいか、彼が何を言っているのか分からなかった

無意識に開いた口に、小竜の口付けがもっと深いものへと変わっていく

 

「ンン・・・・・・っ、ぁ、は・・・」

 

「そう―――イイ子だね」

 

そう言って小竜の手が優しく碧衣の漆黒の髪を撫でた

 

頭がくらくらする

思考が追い付かない

次第に、身体の力が抜けていく――――

 

微かに、花の香りが

 

碧衣の様子に気付いたのか、小竜がくすっと笑った

 

「気持ちいいだろう? これ」

 

そう言って、胸元から出した小瓶をことんっと、寝台の横にある台の上に置く

 

「そ、れ・・・は・・・・・・・・?」

 

朧げな頭でそう尋ねると、小竜はしれっとしたまま

 

「ああ、気持ちよくなる薬らしいよ? まぁ、俺は半ば強引に渡されたんだけど。 あの店主の言った事は本当みたいだね」

 

「・・・・・・・・?」

 

小竜の言う意味が分からない

すると、小竜は悪戯する様に

 

「たとえば―――――」

 

そう言って、碧衣の耳元に口を寄せた

 

「こう、囁くだけで―――――」

 

「――――っ」

 

びくんっと碧衣の肩が揺れた

声だけなのに、背筋がなぞられたかの様にぞくぞくとしてくる

 

「こ、こりゅ、う・・・・・・ぁっ・・・」

 

不意に、小竜の唇が碧衣の首筋をなぞるかのように動いた

丁寧に、一か所一か所に花びらを落としていく

 

「ン・・・っ、ぁ・・・あ、ンン・・・・・・」

 

身体がおかしい

全身が酷く敏感に反応する

 

「碧衣――――」

 

小竜の唇が、徐々に鎖骨の辺りまで下がってくる

 

「んッ・・・・・・」

 

不意に、小竜の舌が碧衣の鎖骨を舐めた

 

「ねぇ、碧衣・・・・・・これ、外していい?」

 

「え・・・・・・?」

 

何を――――と問う前に、小竜の唇が器用に碧衣の身に着けていた下着のホックを外していく

はらりと、ホックを外されて胸元が露になる

 

「あっ・・・・・・」

 

かぁっと、碧衣が顔を赤らめた

そんな碧衣を見て、小竜がくすりと笑った

 

「ほら、碧衣見て。 キミのここ大して触れても無いのにもう立ってる。 感じてくれてるんだ?」

 

「・・・・・・・っ」

 

碧衣がますます顔を赤らめた

 

「ち、ちが・・・・・・」

 

「へぇ? 違うんだ? こんなになってるのに?」

 

そう言って、小竜の手が碧衣のそれに触れた

 

「・・・・・・っ、あ・・・」

 

「我慢しないで、声出していいんだよ?」

 

そう言いながら、小竜の舌が碧衣のそれを舐めた

 

「・・・・・・っ、ぁ、や・・・、め・・・・・・っ」

 

「止めないって、言ったよね」

 

そのまま小竜が碧衣のそれを口元に含ませていく

そして、空いている方の手でもう片方の胸を揉みしだきながら攻めていく

 

「ぁ、ああ・・・んぁ、は、ぁ・・・・・・っ」

 

両方の胸に違う刺激が走って、気がおかしくなりそうだった

思考が上手く働かない

まるで、頭の中が麻痺したかのように何も考えられなくなる

 

それを知ってか知らでか、小竜の舌が碧衣の胸の突起を転がす様に動いた

 

「―――――っ、ぁ・・・」

 

瞬間、電撃が走ったかのような感覚に捕らわれる

身体が震えて、気が狂いそうだった

 

「あ、ああ、だ、だ、め・・・・・・っ」

 

このままでは・・・・・・

 

ちかちかと、目の前に光が走り頭の中が真っ白になる

 

「――――ああっ」

 

目の前がフラッシュバックする

 

わ、私――――・・・・・・

 

初めて感じるその感覚に碧衣の思考は追い付けていなかった

すると、小竜は少し驚いた様に

 

「へぇ? あの店主の言った事も間違ってなかったんだ?」

 

そう言って、置いていた小瓶を手に取ると、器用に片手で少しだけ開けていた蓋を全部抜く

 

「香りだけでイケるなら、キミに飲ませたらもっとすごい事になりそうだね。 そう思わない? ねえ、碧衣・・・・・・?」

 

「え・・・・・・?」

 

彼が何を言っているのか

今の碧衣には理解出来なかった

 

すると、小竜はその小瓶の中身を自身の口に含むと、そのまま碧衣に口付けしてきた

 

「んんっ・・・・・・」

 

何かが口の中から流し込まれる

瞬間、かっと全身が熱くなるのを感じた

知らず、息遣いが荒くなる

 

「ぁ・・・・は、ぁ・・・・・・」

 

それでも尚、小竜は口付けを止めなかった

舌を舐め、這わせ、甘噛みする

 

「ん・・・・っ、ぁ・・・・」

 

「碧衣――――」

 

そう甘く名を呼ばれただけで、全身が熱くなる

 

「こ、りゅう・・・さ・・・・・・ンンっ」

 

抵抗する力も入らない

まるで全ての力を吸い取られていく様な感覚に捕らわれる

 

それでも、碧衣の身体が徐々に熱くなっていくのは否定できず

その頬が朱色の染まっていく

 

それを見た、小竜はくすっと笑い

 

「可愛い」

 

「・・・・・・・・っ」

 

まさかの言葉に、碧衣がますます顔を赤くする

 

「こりゅう、さ、ま・・・・・・っ」

 

身体が熱い

この火照りをどうにかして欲しい

 

そう思う気持ちを、恥ずかしいと思いつつも、隠す事が出来ない

 

「こりゅ、さま・・・・・・っ」

 

まるで、彼を求めるかのように碧衣が熱の籠もった声で、小竜の名を呼ぶ

 

それに気分をよくしたのか、小竜がくすりと笑い

 

「碧衣、そんなに俺が欲しいなら――――あげるよ。 ――――キミが望むままに」

 

そう言って、それに答えるかのように小竜の唇が再び碧衣のそれと重なった

何度も、啄むように優しく口付けをする

 

「ぁ・・・・・ンン、こりゅ、さ・・・・ま・・・・・・」

 

それだけでも、碧衣の口から甘い吐息が漏れた

 

唇から首筋へと移動していく 小竜の手がゆっくりと碧衣の髪を撫でた

それが心地よくて、無意識に彼に身を委ねる

 

そんな碧衣の様子を見て、小竜が嬉しそうに笑んだ

そして、再び碧衣の胸に手を添えると、今度は強くそこを攻め始めた

片方の突起を口に含み、もう片方の突起を指で摘んでいく

 

「ンぁ・・・・ああ、・・・・・・んっ」

 

瞬間、碧衣の身体がびくんと跳ね上がった

 

あ・・・また・・・・・・っ

 

ぞくぞくと、背筋に何かが走る

 

「あ、ンン・・・・。 は、ぁ・・・・・・や、んんっ」

 

すると、小竜がくすっとその口元に笑みを浮かべた

 

「碧衣――――気持ちいいんだ?」

 

気持ち、いい?

 

一瞬何を問われているのか、碧衣には理解出来なかった

でも・・・・・・

 

わからない

なぜこう思うのか

 

もっと、触れて欲しいと

もっと、めちゃくちゃにして欲しいと――――・・・・・・

 

そう思う、欲求が捨てられない

 

「こ、りゅう、さ、まぁ・・・・・・」

 

まるで、懇願するかの様に碧衣が小竜の名を呼んだ

 

「碧衣――――」

 

まるでそれに応える様に、小竜は小さく微笑むとその唇を再び碧衣のそれに合わせていく

 

そして、空いている手で彼女のスカートの間をぬって碧衣の太腿に触れた

するり・・・・・・と、内股をなぞるように触る

 

「んっ・・・・・・」

 

ぞくりっと、碧衣の身体が震えた

しかし、それだけでは終わらなかった

 

小竜の手が碧衣の内腿に触れ、更に奥の方へと伸びていき下着の上からそこに触れる

瞬間、碧衣の身体が大きく震えた

 

そこはもう既に湿っていて、小竜の指先が少しだけ布越しに沈み込む

 

「・・・ぁ・・・・・・ンンっ」

 

碧衣の身体がぴくりと反応した

そのまま、小竜の指が布越しに碧衣の秘所をなぞる様に刺激していく

 

「ぁ・・・・は、ぁ・・・・っ、や・・・そ、こ・・・・だ、めぇ・・・・・っ」

 

碧衣の口元から甘い声が溢れ出る

その度に、碧衣の身体が小さく揺れ動く

同時に、碧衣の藍色の瞳が涙で潤んでいた

 

「碧衣・・・・・」

 

そう呟くと、小竜は碧衣の目尻に優しく口付けを落とす

 

そのまま碧衣の胸を弄っていた手が離れると、しゅるっと、寝台に括りつけていた碧衣の拘束を解いた

そして、小竜は碧衣の腰辺りに手を添えて抱き寄せる様にそのまま持ち上げたのだ

 

突然の事に、碧衣が驚いたのは言うまでもなく――――

 

「小竜さ・・・・・・っ」

 

思わず声を発しようとした

だが、そんな余裕など与えてくれなかった

 

小竜は、そのまま碧衣を自身の膝の上に座らせるような体勢にする

必然的に碧衣の脚は大きく開かれ、恥ずかしい部分が小竜の前に曝け出された

 

咄嵯の出来事に、碧衣が慌てて閉じようとするも――――

小竜が間に居る為それは叶わない

 

羞恥心からか、碧衣の顔がますます赤くなる

 

「や・・・・っ、見ないでぇ・・・・・・っ」

 

恥ずかしい・・・・・・っ

こんな姿――――・・・・・・

 

余りの恥ずかしさに、碧衣が顔を逸らす

 

すると、小竜がくすっと笑いながら碧衣の耳元で甘く囁くようにその名を呼んだ

 

「碧衣・・・・・・俺を見て」

 

「・・・・・・・っ」

 

瞬間、碧衣の身体がびくっと大きく震えた

声がでそうになり、咄嗟に碧衣が自信の手で口元を抑える

 

だが、小竜はゆっくりとした動作で碧衣のそこに手を伸ばした

少し触れただけで、碧衣のそこは既に濡れていた

 

小竜は碧衣のそこをゆっくりとした動作で優しく撫でていく

優しく、それでいて執拗に指先で、碧衣のそこを愛撫する

 

割れ目に沿って指先を這わせていくと、碧衣が我慢しきれなかったのか口元を押さえている手の隙間から甘い声が洩れた

 

「・・・・・・っ、ぁ・・・や、ンン・・・・」

 

びくっ、びくっと碧衣の身体が震える

 

もう、碧衣には何が自身の身体で起きているのか、理解出来なかった

小竜の指がそこに絡まるたびに、全身が震える様な刺激が走る

時折聞こえてくる音が、碧衣の羞恥心を更に煽った

 

だが、小竜は止める所か、更に指をぐっと中に押し込んできた

もはや、彼女の下着は機能していないも同然だった

 

「・・・・・・っ、ああっ」

 

びくんっと、碧衣の身体が大きく震えた

 

時折、指先に蜜を絡ませて陰核に擦り付ける

すると、碧衣の身体が面白い程に反応した

 

小竜は小さく笑みを浮かべると、そのまま碧衣の中に指を沈めていった

 

「あ、ああ・・・・・・っ、ンン・・・ぁ、だめ、だ、めぇ・・・・・・っ」

 

碧衣の中で指を動かす

碧衣の中はとても熱くて、柔らかかった

 

そして、小刻みに動かしているうちに、ある一点に触れた瞬間――――

碧衣が今まで以上に身体を大きく震わせた

 

「ああン・・・・・・っ、は、ぁ・・・・・・、ああ・・・・・・っ」

 

同時に碧衣の口から甘い声が溢れる

小竜はその反応を見ると、くすっとその口元に笑みを浮かべる

 

「・・・・・・ここが、いいんだ?」

 

そう言って、同じ場所を攻め始めた

その度に碧衣の声が大きくなる

 

「やっ、だめ・・・・、だ、めぇ・・・・・・っ ああっ」

 

小竜は、碧衣の反応を見ながらその場所を刺激し続けた

何度も、何度も 碧衣が感じる部分を重点的に攻め続ける

 

「ンぁ・・・・・、ああ、は、ぁ・・・・・・ん・・・っ」

 

その度に碧衣からは艶やかな声が漏れた

碧衣の身体が小刻みに震える

 

それでも小竜は指の動きを止めなかった

それどころか、指を増やしたのだ

 

一気に二本もの指を入れられ、碧衣の身体がまた震える

だが、今度はそれだけではなかった

 

小竜は碧衣の中の奥深くへと指を進めたのだ

そして、碧衣の一番敏感な部分に触れる

 

びくんっと、碧衣の身体が今までにない程大きく震えた

 

「ああ・・・・・・っ」

 

瞬間、あまりの強い快感に碧衣の思考は真っ白になる

 

気がおかしくなりそうだった

目の前がちかちかと、またフラッシュバックする

 

その感覚から逃れようと身を捩るが、小竜はそれを許さなかった

小竜が碧衣のそこを強く押すと、そこからはどんどんと蜜が溢れ出し、小竜の指を濡らしていった

 

それが碧衣にもわかった

しかし、小竜はそれを止める事なく碧衣の秘部を責め続けていった

 

碧衣の身体がびくびくっと反応する

 

耐えられなかったのか、碧衣は必死に小竜にしがみつく様に抱きついた

ぽろぽろと、彼女の美しい藍色の瞳から涙が零れ落ちる

 

「碧衣・・・・・・」

 

そっと囁くように愛おしそうに彼女の名を呼ぶ

そして、その瞼に口付けた

 

「俺に、委ねて――――、俺にものになってよ・・・・・・碧衣」

 

「・・・・・・・っ」

 

小竜の言葉を聞いた瞬間、碧衣の藍色の瞳が大きく見開かれた

 

「小竜さ、ま・・・・・・わ、たし――――・・・・・・」

 

碧衣は、自分で自分が分からなかった

こんなことされて――――それなのに、彼を憎む気持ちは生まれてこなかった

 

むしろ――――・・・・・・

 

どうして?

何故、こんなに胸が苦しいのだろう

彼の事が気になってしまうのだろう――――

 

頭がくらくらして、何も考えられなくなる

小竜の言う通り、彼に全てを委ねてしまいたいと思っているのだろうか?

 

今の碧衣には分からなかった

けれど――――

 

一つだけはっきりしている事がある

それは、他の誰でもない小竜が・・・・・・“小竜景光”が欲しい――――

 

小竜様が、好き・・・・・・

 

碧衣は、無意識のうちに小竜の首筋に唇を寄せていた

そのまま優しく口付けを落とす

 

「碧衣・・・・・・?」

 

小竜は一瞬驚いた表情を見せたものの、すぐに嬉しそうな笑みを浮かべた

 

「小竜様・・・・・・貴方様を――――」

 

その先の言葉は不要だった

どちらからともなく、唇が重ねられる

 

「ん・・・・・・、こりゅ、さ・・・ま・・・・・・」

 

「碧衣――――・・・・・・」

 

確かめ合う様な口付け――――・・・・・・

それはとても神聖な儀式のようで

まるでこうなる事が、運命だったかのように思ってしまう

 

「碧衣、俺のものになってくれる?」

 

囁かれたその言葉に、碧衣が顔を少し朱に染めながらこくりと頷いた

 

すると、小竜が嬉しそうな笑みを浮かべ碧衣の頭を優しく撫でた

そんな小竜を見て、碧衣も自然と笑みが浮かぶ

 

再び重ねられた口付けが深いものになるのに、時間はかからなかった

舌と舌が絡まり合い、互いが互いを求める様に口内を犯していく

その度に、ぴちゃ、ちゅっと厭らしい水音が響いた

 

互いの唾液を交換しあい、飲み込む

そうする事によって二人の心は満たされていき、幸福感に包まれた

 

そうやって暫くの間深いキスを繰り返していた二人だったが、やがてゆっくりとした動作で離れた

どちらのものとも分からない銀糸が、名残惜しげに切れる

 

そして、小竜はそのまま碧衣を押し倒した

碧衣は抵抗しなかった

 

これから起こるであろう事を察し、恥ずかしそうに頬を朱に染めながら小竜を見上げる

小竜は碧衣に覆い被さると、その首元に顔を埋めた

 

ちゅっ と吸い付くような音を立て、紅い華を散らしていく

そして、碧衣の耳元まで来るとその耳たぶを甘噛みした

 

「ん・・・・・・っ」

 

微かに、碧衣の身体がびくんっと震える

それを満足気に見ると、今度は碧衣の白い肌に手を伸ばした

 

小竜はその白く透き通った素肌に触れると、そっと手を這わせた

柔らかい感触を楽しむように何度も揉んでいく

 

「・・・ぁ・・・・・・っ、は、ぁ・・・んんっ」

 

その度に碧衣の口から艶やかな声が上がる

小竜の手が、碧衣の胸に沈むと同時に、碧衣の身体が小さく跳ねた

 

碧衣の反応に気を良くした小竜は、さらに激しく攻め始めた

碧衣の胸を鷲掴みにし、ぐにゃっと形が変わる程強く握ったり、先端を指先で摘まんで擦るように動かす

その度に、碧衣から甘い声が漏れる

 

そして、もう片方の手で碧衣の下腹部に触れ、直接そこを刺激し始める

碧衣のそこは先ほどの行為ですっかり濡れており、小竜の指が動く度にくちゅくちゅと厭らしい音を鳴らした

 

その音にかぁ・・・・っと、恥ずかしそうに碧衣が顔を赤らめる

だが、それと同時に次第に碧衣の漏らす声が大きくなっていった

 

その様子に気づいた小竜が碧衣の顎を掴み、自分の方へと向かせる

 

「碧衣、こっち向いて」

 

「え・・・・・・?」

 

意味が分からず、碧衣が小竜の方を向いた瞬間、口付けが降って来た

そして、そのまま深く口付ける

 

「んん・・・・・・っ、こりゅ、さ・・・」

 

小竜は碧衣の口内に舌を入れると、彼女の舌と絡め合わせる様に、何度も何度も彼女の口内を犯した

その間にも、小竜は碧衣への刺激を止めなかった

 

秘部を弄っていた手が徐々に上へ上がっていき、碧衣の敏感な部分を刺激する

碧衣のそこはすでに洪水状態になっており、溢れ出した蜜が太股にまで伝っていった

その感覚にすら感じてしまうのか

 

「・・・・・・ぁ、ンン・・・、は、ぁ・・・・んっ」

 

碧衣が甘い吐息を漏らす

その反応に小竜は笑みを浮かべると、碧衣の中に入れていた二本の指を一気に引き抜いた

 

突然の事に、碧衣の身体がびくんっと大きく跳ねる

 

「・・・あぁ・・・・・っ」

 

瞬間、抜いた個所から蜜が更に溢れ出した

 

「そろそろいいかな・・・・・・」

 

そう言いながら、舌で自身の指に絡みついている彼女の蜜を舐めとる

 

その仕草に、碧衣の顔が今までにないくらい羞恥の色に染まった

それを見た小竜が妖しい笑みを浮かべる

 

碧衣の両膝に手をかけると、そのまま左右に開いた

碧衣は抵抗しなかった

 

ただただ恥ずかしさに顔を朱に染め、小竜から視線を逸らしていた

すると、小竜はそっと碧衣の耳元に唇を寄せ

 

「碧衣――――痛かったら、俺に捕まって。 爪立ててもいいから――――」

 

そう言った瞬間、碧衣の中に何かが入って来た

瞬間、びりりっと下腹部に痛みが走る

 

「・・・・・・っ、いっ・・・・ああ・・・・・・っ」

 

入ってきたものがゆっくりと奥まで入り込んでくる

あまりの質量と圧迫感に、一瞬呼吸の仕方を忘れそうになる

 

「碧衣・・・・あんまり、絞める、な・・・・っ」

 

「そん、な・・・・・・っ、しらっ・・・ああ!!」

 

耐えられず、碧衣が小竜の背に回していた手に力が籠もる

爪を立てまいと、必死に思うが余りの激痛に耐えられなかった

 

「ん、んん――――っ」

 

思わず、小竜の肩に爪を立ててしまう

 

「あ・・・・・・っ、ごめ・・・」

 

「ごめんなさい」と謝ろうとした碧衣に、小竜は安心させる様に優しくその頭を撫でた

 

「俺は平気だから、もう少し我慢、して・・・・・・っ」

 

そう言って、碧衣が落ち着くまで待つ 暫くすると、少しだけ締め付けが緩んだ

小竜は少しだけ息を吐くと、ゆっくりと彼女を労わる様に中に押し込んでいった

 

「・・・・・ぁ、んん・・・っ」

 

それでもまだ痛いのか

碧衣が我慢する様に小竜にしがみ付く

 

「・・・・・っ、碧衣、もう全部、入った、から・・・・」

 

小竜のその言葉に、碧衣が涙ぐみながらこくこくと頷く

そして、小竜の首に腕を回しぎゅうっと抱きついてきた

 

そんな碧衣に愛おしさが込み上げてくる

 

小竜は碧衣を抱きしめ返すと、彼女の額や頬に口付けを落としていった

そうしている内に、少しずつではあるが碧衣の緊張が解れていくのが分かった

 

碧衣が落ち着いた事を確認すると、小竜はゆっくりと腰を動かし始めた

最初は彼女の反応を見ながら、徐々に動きを大きくしていく

 

「ぁ・・・・あ、ンン・・・・・っ、は、ぁ・・・・あっ」

 

その度に碧衣の口から甘い声が上がった

 

碧衣の声が大きくなり始めると同時に、小竜の動きが激しくなっていく

碧衣の中はとても熱く、小竜自身をきつく包み込んでいた

それがとても心地よくて、気を抜くとすぐに果ててしまいそうになる

 

だが、今はそれよりも碧衣との快楽をもっと味わいたい

 

そう思った小竜は碧衣の感じる場所を探すように、何度も何度も碧衣の奥を突き上げた

その度に、碧衣の声が大きくなる

 

「あっ・・・・・・ま、待っ・・・・ンン、そこ、は、ぁ・・・・ああンっ」

 

「・・・・・・っ、ここが、いいのかな?」

 

小竜の息遣いも次第に荒くなっていく

 

でも、止められなかった

もっと彼女を――――碧衣を感じたいという欲求がどんどん大きくなっていく

 

もっと

もっともっと――――碧衣を感じたい

 

「碧衣・・・・・・っ」

 

そうやってお互いを求め合う内に、小竜の限界が近づいてきた

それに気づいたのか、碧衣が小竜の背に回した手に力を籠める

 

そう――――まるで“離さないで”というかの様に

 

その行動に、小竜の心が満たされていく――――・・・・・・

 

やっと、彼女と心がひとつになれた気がした

碧衣も同じ気持ちでいる事が嬉しかった

 

その想いに応えるべく、小竜はさらに激しく碧衣を攻め立てた

碧衣の身体が大きく跳ねる 同時に小竜自身を強く締め付けた

 

限界を迎えた二人はほぼ同時に達したのだった――――・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   ****    ****

 

 

 

 

 

 

 

 

――――どのくらいそうしていただろうか・・・・・・

小竜が目を覚ますと、自分の腕の中ですやすやと眠る碧衣の姿があった

 

その寝顔が余りにも可愛くて、思わずくすっと笑ってしまう

 

そっと、空いている方の手で碧衣の髪を優しく撫でた

彼女の美しい漆黒の髪がさらさらと、小竜の指の間から零れ落ちていく

 

碧衣の温もりを感じる事が出来るこの距離が幸せだと思った

本当はならば、もう少しこうしていたい

 

このまま、ずっと時が止まればいいのに――――

とさえ、思ってしまう

 

「でも、まあ・・・・・・」

 

幸い今の近侍は自分だ

他のやつらが基本、アクシデントでもない限り来ることはない

 

それなら――――・・・・・・

 

そう思ってそっと、彼女の髪をひと房手に取りその髪に口付ける

 

 

 

     もう少し、このままで――――・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

めっちゃ長くなったwww

久々に1万字超えwwww

前戯が無駄に文字数食いすぎた・・・・・・・🤣🤣🤣

 

 

2023.01.24