◆ 練紅炎
「月に抱かれて、
その声は小夜啼鳥の様に」
(マギ夢 「CRYSTAL GATE-The Goddess of Lightー」 より)
――――煌帝国・禁城
この日、エリスティアはシンドバッドと一緒に煌帝国に視察に来ていた
表向きは、「外交的な今後についての視察」だが、
裏を返せば「お互いにけん制をかけにきただけ」だった
本来、こういう時は八人将の1人・ジャーファルなどが担当するのだが・・・・・・
生憎と、貯まっている仕事がはけずに、臨時でエリスティアが同行する事となった
しかし・・・・・・
エリスティアにとって煌帝国は、以前の事がありあまり近寄りたくない場所であった
そう――――以前、“不思議な気配”を探してシンドリアを出奔していた時、諸々の経緯から第七迷宮・アモンに入る事となった
それはいいのだが・・・・・・
いざ、脱出となると何処へ飛ばされるか分からないのが迷宮の特徴であり
エリスティアは何故か、ルフに導かれるようにして煌帝国に飛ばされ――――彼と出逢ってしまった
煌帝国第一皇子・練紅炎
エリスティアが飛ばされた先は、煌帝国の首都から少し離れた山間だった
助けてくれたのは、近くの村に住む蘭朱という少女であり
助けてくれたお礼に、お世話になっている間は彼女の母親用の薬を調合する事にした
その時、必要な材料である竜胆を探して“青藍の丘”にいつも行っていたのだ
そこは、この辺ではあまり知られていない珍しい花の咲く丘だった
だが、地元人はあまり近づかないと言われており、なんでも その花には毒素があると言われていたからだった
以前、その花を薬草と聞いて口にした者が死んだという
その為、地元人はその丘の花を恐れた
それに、その丘に行くには深い森を抜けなければならなかった
故に、誰かが居るなどと思わなかったのだ
それなのに――――・・・・・・
その丘の傍で出逢ってしまった
練紅炎に
“会うはずのない”もう1人の“契約者”となりうる人物――――・・・・・・
シンドバッドに会った時、彼以外はいないと思った
だから、彼と“契約”した
なのに
なぜ、今になって“もう1人”に逢わせるのか――――
全てはルフの導きだと分かっていても、納得いかなかった
そうして何度も逢う内に、もう一つの感情が生まれてしまった
でも、エリスティアはその“感情”を頑なに否定した
自分には『先の時間以外の全てを捧げると誓った』シンドバッドがいる
認めてしまったら、もう終わりだと思ったから――――
それでも、紅炎はエリスティアの中にどんどん入って来た
そして――――あの日 あの夜
彼から、“求婚”を受けた
受けられない“求婚”
先の未来を約束出来ない自分にとって苦痛でしかなかった
だから、シンドバッドからの“プロポーズ”も断っていた
それなのに――――
二人は似ていた
外見がというのではなく、心の中が
それでいて、正反対だった
シンドバッドは“先の未来”を“生きて一緒に”見つけてみせると言った
そして、紅炎は――――
『お前の命が終わる時、共に死んでやる。 その代わり、俺が死ぬときはお前の命を貰う』
そう言ったのだ
シンドバッドは“生”を
紅炎は“死”を
エリスティアにくれるという
共に生きる未来と、共に死ねる未来
一体、どちらが幸せなのだろうか
考えても、答えなど出てこなかった
だから、エリスティアはお礼を中断してまで、煌帝国を離れた
離れればきっともう二度と逢わないと思ったからだ
それ、な、のに――――・・・・・・
チーシャンから移動中に遭遇した盗賊の砦でも助けてもらってしまった
これが“ルフの導き”なのだろうか
どうあがいても、逢ってしまう運命なのだろうか
そして今―――――
「練紅徳陛下、私はシンドリア王国の王をさせてもらっているシンドバッドという。 宜しく頼む」
そう言って、シンドバッドが紅徳に向かって礼をした
紅徳自身も今は争う気はないのだろ
「シンドバッド王、遠路はるばるよく来られたな。 疲れたであろう、今宵はゆっくりと休むがよい」
「ありがとうございます。 陛下のお心遣い感謝します」
エリスティアは、黙ったままシンドバッドの後ろで頭を下げたまま動かなかった
こういう場合、同席するならば言葉を挟まず、叩頭の姿勢で待つのだ
ふいに、ちらりと紅徳の視線がエリスティアに向けられた
「・・・・・・いつもの、政務官ではなさそうだな」
と、微かに興味を示したようなその言葉に、シンドバッドがにっこりと微笑むと
「ああ、ジャーファルはこの度は国を離れられない事情がありまして、代わりに彼女を――――“私のルシ”です」
“ルシ”
その言葉に、興味を持ったのか・・・・・・
紅徳が「ふむ・・・・・・」と少し考え
「噂は聞いている、シンドリア王国のシンドバッド王に仕えるという、“この世界唯一の存在”である“ルシ”がいるとな。 なるほど、この目で見るのは初めてだ」
そう言って、紅徳が目を細めた
「エリス」
シンドバッドに促されて、エリスティアが一歩後ろへ下がって叩頭する
「――――お初にお目にかかります。 “シンドバッド王のルシ”を務めさせていただいております。 エリスティア・H・アジーズと申します」
そう言って、すっと顔を上げた
「ほぅ・・・・・・」
エリスティアを見て、紅徳が俄かに微笑んだ
「美しいな。 異国の女とはいえ、その美しさは我が国でもめったに目に掛かれるものではない」
「・・・・・・ありがとうございます」
「丁度良い、朕も紹介したいものがおる――――紅炎」
え・・・・・・
ぎくりと、エリスティアの顔が強張った
だが、運命とは残酷だった
紅徳に呼ばれ、すっと横から出てきたのは――――
「朕の息子であり、この煌帝国第一皇子・紅炎だ」
それは、今一番逢いたくなかった紅炎だった
だが、紅炎は一度だけシンドバッドを見た後、すっと拱手の手をすると
「煌帝国征西軍大総督を任されている、練紅炎という。 シンドバッド王、そして――――」
あ・・・・・・
エリスティアと、紅炎の目が合う
「・・・・・・・・・・・・っ」
だめ・・・・・・っ
紅炎が発するよりも先にエリスティアが口を開いた
「――――シンドバッド王、私は先に下がらせていただいても宜しいでしょうか?」
「エリス?」
エリスティアの違和感に気付いたシンドバッドが一度だけ紅炎と紅徳を見て
「わかった、先に部屋へ戻っていろ。 俺も後で行く」
「・・・・・・ありがとうございます」
その言葉に、ほっとして足早に謁見の間を出た
まさか、あの場で紅炎を紹介されるなんて思いもしなかった
あれではまるで――――
逃げる様に謁見の間を飛び出したエリスティアは足早に宛がわれた部屋へ向かった
早く、早くも部屋へ行かなくては―――――
誰かに会ったら、面倒な事になるからだ
誰にも声かけられない様に、急ぐ
あの角を曲がれば――――
そう思った時だった
不意に、後ろから伸びてきた手がエリスティアの手を掴んだ
「――――っ」
びくっとして振り返ると、そこにいたのは・・・・・・
「え、炎・・・・・・」
それは、謁見の間にいる筈の練紅炎だった
紅炎はなにも言わずに、エリスティアの手を引っ張ると、目的の部屋とは真逆の方へと歩き出した
「ちょっ、ま、待って、炎! 放し――――」
「放して」という前に、突然頭の上から衣を掛けられたかと思うと、横抱きに抱き上げられた
ぎょっとしたのは、エリスティアだ
「な、なにを――――」
「――――静かにしていろ」
有無を言わさないその言葉に、エリスティアがぐっと押し黙る
ここで騒げば人が来る
人が集まって困るのはエリスティアの方だ
仕方なく、押し黙ると・・・・・・
紅炎に頭を撫でられた
「・・・・・・・・・・・・っ」
それが恥ずかしくて、顔が熱を帯びてくるのが分かった
その時だった
「あれ? 兄上?」
聞き覚えのある声が聞こえてきた
紅炎の弟の紅覇だった
「どうかされたんですか? そちらの――――」
「紅覇、俺は急いでいる。 用事なら後にしろ」
「え? あ、は、はい」
紅炎の気迫に押されたかのように紅覇が黙る
そのまま紅炎は振り返ることなく私室の方に向かって行った
残された紅覇は、ぽかーんとしたまま
「なぁ、今のって・・・・・・」
と、紅覇に付き従う侍女の純々、仁々、麗々を見た
3人も顔を合わせて
「多分、エリスティア様でした、よね・・・・・・?」
と、呟いたのだった
**** ****
――――煌帝国・禁城 紅炎私室
ばんっと、乱暴に扉を開けると傍にいた衛兵に人払いをさせる
そして、部屋の扉にがちゃんっと鍵をかけた
「ちょっ、ちょっと! 炎!!」
じたばたと暴れるエリスティアを抱えたまま、紅炎はすたすたと自身の寝室へと向かうとそのまま、彼女を寝台に上にどさっと下ろした
「きゃっ・・・・・・!」
衣を掛けられていて状況が全く掴めなかったエリスティアが、慌ててその衣を剥ぐ
と、己が連れて来られた場所を見て唖然とした
そこはどこからどう見ても、宛がわれた部屋ではなく、紅炎の私室だったからだ
「なん―――んんっ」
「なんで」という言葉は、あっという間に突然降って来た紅炎からの口付けで塞がれた
「ン・・・っ、待っ・・・・え、ん・・・・・・っ」
抵抗しようと手を振り上げるが、あっさり紅炎の手に阻まれてしまう
まるで、今まで逢えなかった分を取り戻すかのように、何度も何度も角度を変えて口付けられる
「エリス――――」
甘く名を呼ばれて、エリスティアの肩がぴくんっと動いた
「・・・・・・ぁ、っ・・・待っ・・・・・・」
「待てない」
そう言って、紅炎が更に深く口付けてくる
「ンン・・・・・ぁ、っ・・・・え、ん・・・・・・っ」
どんどん深くなる紅炎からに口付けに、たまらずエリスティアが紅炎の衣をぎゅっと握りしめた
それで気分をよくしたのか、紅炎が更に角度を変えて何度も口付けてきた
「ぁ・・・・・・ふ、ぁ・・・・・・んっ、・・・は、ぁ・・・・・・」
舌と舌が絡み合い、唾液が混ざり合う
エリスティアの唇の端からは飲み込みきれなかった唾液が流れ落ちた
暫くすると、紅炎がゆっくりと名残惜し気に離れた
二人の間を銀糸が伝う
エリスティアのアクアマリンの瞳には涙が滲んでいた
やっと解放された時には息も絶え絶えになっていて、ほのかに頬が桃色に染まっていた
紅炎はエリスティアの頬をそっと撫でると、ふわりと微笑んだ
瞬間、その笑顔にエリスティアの胸が大きく跳ねた
こんな優しい笑みを浮かべる人だっただろうか?
そう思った瞬間、伸びてきた紅炎の手がエリスティアを抱き締めた
「エリス――――逢いたかった」
そう囁かれて、エリスティアの身体がぴくんっと震えた
耳元に紅炎の吐息を感じる
熱い・・・・・・
紅炎の腕の中で、エリスティアの鼓動が激しくなっていく――――
駄目なのに
自分はあの時シンドバッドを選んだのだ
だから、自分には紅炎にこんな風にされる資格はない
筈、なの、に――――
気付いてしまう
気付かされてしまう
“ルフ”が喜んでいる事に―――――
彼の纏う“ルフ”が喜んでいるのが分かる
そして、自分が纏う“ルフ”も――――・・・・・・
これでは自分の心臓の音が彼に伝わってしまう
そう思って、離れようと試みるが・・・・・・
紅炎がその手を離す事は無かった
むしろ、もう離さないというぐらい強く抱きしめられた
その腕の強さに、紅炎の想いを感じる
炎・・・・・・
まるで今まで頑なに氷の様に閉ざしていた筈の扉を無理やりこじ開けられたかのような
全てを、解放されたかのように
紅炎への封印したはずの“想い”が溢れ出てくる
その温もりに、優しさに甘えたくなってしまう――――
駄目なのに・・・・・・
駄目だと分かっているのに・・・・・・
これは裏切りだ
シンドバッドへの裏切り行為になる
だから駄目なのに
でも・・・・・・
それでも、今は・・・・・・今だけ、は――――
――――少しだけ、許して下さい
貴方が愛しくて仕方がないのです
エリスティアが、躊躇いがちに紅炎の背中に手を回す
すると、紅炎が嬉しそうに微笑んだ
「・・・・・・・・・・・・っ」
その顔に思わずエリスティアの心臓が、どきん・・・・・・っと、跳ねた
「あ・・・・・・」
そんな顔をしないで欲しい
勘違いしてしまいそうになる
その表情は反則だと思った
エリスティアの顔がほのかに朱色に染まる
それを満足げに見つめて、紅炎は優しくエリスティアのストロベリー・ブロンドの髪を撫でた
それから、その小さな耳に口を寄せると
「エリス――――今、お前が欲しい・・・・・・」
「・・・・・・っ」
紅炎からのその言葉に、エリスティアがかぁっと更に頬を赤く染めた
その言葉が何を意味するのか――――
それが分からないほど、エリスティアも鈍くはない
でも・・・・・・
脳裏にシンドバッドの顔が浮かぶ
「わ、たし、は・・・・・・」
「エリス」
不意に、強く名を呼ばれた
あ・・・・・・
その瞬間、紅炎から口を塞がれた
まるでその先の言葉は聞きたくないという風に
「ん・・・・・・っ」
角度を変えて、何度も口付けをされる
それは次第に深いものへと変わっていった
まるで己の存在を刻み込むかのように、何度も何度も繰り返される口付け
そうしている内に、いつの間にか寝台の上に押し倒されていた
「だ、だめっ・・・・・・え、・・・・・・んんっ」
「炎」と言おうとしたが、再び口を塞がれる
そして、紅炎はそれに構わず、エリスティアの首筋に吸い付いた
「・・・・ぁ、んんっ・・・・・・」
途端にエリスティアから甘い声が上がる
それを聞いて紅炎の動きが止まった
首元から唇を離すと、そこには紅炎の所有印がくっきりと刻まれていた
紅炎はそれを指先でそっとなぞると、再びそこに唇を寄せた
そしてそのまま、舌を這わせるとエリスティアの身体が大きく跳ね上がった
「――――あっ、・・・・・・っ」
その反応を楽しむかのように、紅炎は執拗にそこを攻め続けた
紅炎の手が、唇が、舌が、身体を這っていく度に身体がぴくんっと反応してしまう
紅炎はエリスティアの着ているドレスの紐をいとも簡単に解くと、彼女の胸を露にした
「あ・・・・・・っ、だ、だめ・・・・・・っ、ああん」
エリスティアが慌てて手で隠そうとしたが、紅炎の方が早かった
彼女の露になった柔らかな膨らみを口に含む
最初は軽く、徐々に深くなっていく
「ンン・・・・・・ぁ、は・・・・・・ああ、だ、だめ・・・・・・っ」
紅炎の口の中で胸の頂が弄ばれていく
もう片方の胸は手で揉みしだかれながら、時折頂点を引っ掻かれたり摘ままれたりしていく
その度にエリスティアの口から甘い声が上がった
そんな彼女に気をよくした紅炎は、口に含んでいる方の胸に歯を立てた
同時に、空いている方の手でもう一方の乳房を強く掴んだ
「――――ああっ!」
すると、一際大きな声でエリスティアが鳴いた
その反応に満足した紅炎はそのまま愛撫を続けた
片方を舐められ、吸われ、噛まれ
もう片方を揉まれる
「・・・・・・っ、あ、やっ・・・・・・ンンっ・・・・・・ぁ・・・」
その度に、エリスティアから甘い声が聞こえてくる
それが可愛くて仕方がなかった
もっとその可愛い鳴き声を聞きたいと思った
紅炎は、エリスティアの花芽に手を伸ばした そこはもう既に蜜で溢れていて、紅炎が触れると同時にエリスティアの腰がびくっと跳ねた
紅炎は花芽を擦るように、指を動かし始めた
「・・・・・・ぁ、だ、だめええ・・・・・・っ、あん、は・・・・・・あ、ああっ!」
すると、エリスティアの身体が再び大きく跳ね上がる
そのまま親指の腹でぐりっと押すように刺激を与えれば、エリスティアの身体が大きく仰け反った
その反応を見ながら、紅炎はエリスティアの中に指を埋めていった 中はとても熱くうねっていて、紅炎の指に絡み付いてくる
その感触を確かめる様に動かしていけば、エリスティアの中がきゅぅっと締まった
まるで逃がさないというかのように
そんなエリスティアの素直な反応に、紅炎の頬が緩む
エリスティアの顔を見ると、彼女は目を閉じ快楽に耐えていた
他の誰でもない、紅炎の手で感じているのだ
その姿に、愛しさが増していく――――
「エリス―――――」
甘く名を呼び、その唇に口付けをする
すると、ぴくんっとエリスティアの肩が震えた
「・・・・・・ぁ、ンン・・・え、ん・・・・・・」
何度も口付けをすると、その度に甘い声を上げるエリスティアが愛おしくてたまらなかった
もっと、彼女の声が聞きたい
もっと、彼女に触れたい
もっと、彼女の頭の中を自分でいっぱいにしてやりたい―――――
欲望がどんどん貪欲なまでに湧きあがってくる――――・・・・・・
紅炎は再び口付けをしながら指を増やして更に激しく動か始めた
ぐちゅっ、くちゃっ、くちゃっ 部屋に響く淫靡な水音
それに合わせるようにして、エリスティアの身体がぴくっぴくっと反応する
それを見て、紅炎は満足げに微笑んだ
そして、一度そこから手を引くとエリスティアの両膝に手を置き、足を開かせた
そしてその間に顔を埋めると、エリスティアがかぁっと顔を真っ赤にして
「・・・・・・ぁ、だ、だめっ! 炎っ、や・・・・・・あんんっ」
だが、そんな事お構いなしという風に、紅炎はその秘所に舌を這わせた
途端にエリスティアの身体が大きく跳ねる
そのまま舌先を尖らせて中へと侵入させていくと、エリスティアから悲鳴のような声が上がった
「――――ああ、ん・・・・ぁ、やんんっ!」
それと同時に、どぷりと大量の蜜が溢れ出す
それを零すまいと紅炎はじゅっと吸い上げた その瞬間、エリスティアの身体が激しく痙攣した
それは達してしまった証だった
それでも紅炎は動きを止めず、執拗にそこを攻め続ける
舌を出し入れしながら、時に甘噛みをして
「・・・・・・ぁ、ああ・・・、も、もう・・・・・・は、ぁ・・・・・・ああっ・・・・・・」
そうしている内に、エリスティアの口から甘い声が上がる回数が増えてきた
同時に、そこがひくつき始める
紅炎はそこに再び指を今度は三本同時に入れた
「――――――ああっ」
突然増えた質量にエリスティアの口から甲高い声が上がり、再び絶頂を迎えた
しかし、紅炎はそれすら許さず、指を動かし続けた
中でばらばらに動かされたり、抜き差しされたりして
「・・・・・・ぁ、や・・・・んんっ、あんん、・・・・・・は、ぁ・・・・・・え、炎・・・・・・っ」
その度に、エリスティアの腰がびくんびくんっと跳ね上がる
やがて中が十分に解れた頃を見計らい、紅炎は自身の剛直を取り出した
そして、一気に最奥まで貫く
「―――――っあ!」
その衝撃に、エリスティアの背中が大きく仰け反った
紅炎はそのまま抽挿を始めた
最初はゆっくりとした動作で、徐々に早くなっていく
ぱんっぱんっと肌がぶつかる音が部屋中に響き渡たった
エリスティアの中は熱くうねり、紅炎のモノを締め付ける
それがたまらなく気持ち良かった
紅炎は夢中になって腰を打ち付けた
エリスティアは、耐えられなかったのか・・・・・・
そんな紅炎の首にしがみ付くように腕を回していた
「ぁ・・・・・・んっ、は・・・・・・ぁん、・・・・・・え、ん・・・・・っ」
時折、耳元で聞こえるエリスティアの声が艶っぽく、紅炎は興奮を抑える事が出来なかった
より一層激しくなる律動する度に生まれる快感に、エリスティアの思考は次第に溶けていく様だった
「ああ、だ、だめえ・・・・・・っ、そ、それ以上、は・・・・・・ああんっ」
エリスティアの限界が近い事を察すると、紅炎はさらに強く打ち付け始めた
その激しい動きについていけなくなったエリスティアの足が、ガクガクと震え始める
それを見た紅炎は、一旦自身をギリギリまで引き抜いたかと思うと
一気に最奥を突いた
その瞬間――――
「―――――ああっ!」
エリスティアの身体が一際大きく仰け反った
次の瞬間、中が強く締まり、紅炎はエリスティアの中に熱い飛沫を吐き出した
その熱さに、エリスティアもまた身体を震わせながら果てた
紅炎は最後の一滴までも残さない様に何度か軽く動かすと、そのまま自身を引き抜いた
するとそこから大量の白濁液が零れ落ちた
それを目にすると、紅炎は再び自身が熱くなるのを感じた
「エリス――――・・・・・・」
甘く彼女の名を呼び、紅炎はエリスティアに覆いかぶさるとそのまま口付けをした
何度も何度も繰り返される口付け――――
まるで何かを確かめるかのように繰り返されるその行為に、エリスティアの思考はどんどん麻痺していった
「ンン・・・・・・っ、ぁ・・・は、ぁ・・・・・・っ」
角度を変え、深く激しく貪るような口付けが降ってくる
知らず、エリスティアの手が紅炎の背に回されていた
「エリス――――愛している。 お前だけが、俺を満たしてくれる――――・・・・・・」
甘くそう囁やかれ、エリスティアの瞳が微かに涙ぐんだ
そして、唇を離すと 互いの唾液が糸を引く
それを舐めとるように、紅炎はエリスティアの目尻に口付けを落とした
それから、ぎゅっと愛おしそうにエリスティアを抱きしめる
「ああ、やっと、お前をこの手の中に――――この日をどれほど待ち望んだことか」
エリスティアは、何も言わなかった
否、言えなかった
ただ黙って紅炎の胸に顔を埋めていた
まるで、助けを求めるかのようにその背に手を回す
「エリス・・・・・・?」
そっと、紅炎がエリスティアのストロベリー・ブロンドの髪を優しく撫でた
すると、小さな声で
「炎の、ばか・・・・・・」
と、エリスティアが呟いた
そんなエリスティアが余りにも可愛すぎて、紅炎は思わず笑ってしまった
願わくば
このまま彼女をここに閉じ込める事が出来たならば どんなによかったか――――・・・・・・
でも、外で自由にしていてこそ、紅炎が愛したエリスティアの姿だった
だから、もう少し もう少しだけ“自由”を与える
だが、いつかは必ず―――――・・・・・・
は~い、ついに?笑
紅炎のR18来ましたぞ~~~~はっはっは
2023.03.19