◆ 五条悟&伏黒恵夢
「be caught between」
(呪術廻戦夢 「深紅の冠 ~神漣奇譚~」 より)
―――都立呪術高等専門学校・東京校 廊下
その日、凛花は夜蛾正道に用事があって高専を訪れていた。とりあえず用件が終わり、廊下を歩いていると――、
「凛花さん……っ」
不意に誰かに呼び止められた。不思議に思い、振り返ると――そこには伏黒恵がいて……。凛花は深紅の瞳を瞬かせて、
「恵君? どうかし――」
と、そこまで言いかけた時だった。突然、がしっと手を握られたのだ。一瞬、凛花が「え?」となる。だが、伏黒は気にした様子もなく、ぐっと凛花に近づく。そして、真面目な顔で、じっと凛花を見つめてきたのだ。
その瞳が余りにも真剣な眼差しで、思わず凛花がどき……っとする。
「あ、の……恵く……ん?」
凛花が言葉を紡ごうとした、その時だった。突然伏黒が、ぐいっと凛花を引き寄せたかと思うと、そのままぎゅっと抱きしめたのだ。
凛花が思わず、ぴくんっと身体を震わす。だが、伏黒は構う事無く、抱き締める手に力を籠めた。
「めぐ……っ」
かぁっと、知らず顔が朱に染まる。凛花が慌てたように、声を紡ごうとした時だった。伏黒が凛花の耳元に唇を寄せたかと思うと――、
「凛花さん――俺、今はまだ凛花さんから見たら子供かもしれませんけど、後、数年もしたら、きっと凛花さんに釣り合うような大人になって見せますから。だから――五条先生ではなく、俺を選んでくれませんか?」
「え……」
唐突に紡がれたその言葉に、凛花がその深紅の瞳を大きく見開く。すると、伏黒はそっと凛花の頬に触れると、優しげに微笑んだ。
「俺……ずっと、初めて逢ったあの日から、凛花さんの事が――」
「はい、そこまでー!」
と、何処からともなく声が聞こえたかと思うと、突然ぐいっと凛花は肩を後ろから引っ張られた。そして、そのまま伏黒から引き離されたかと思うと、何故か引っ張って来た相手に後ろから抱きすくめられたのだ。
ぎょっとしたのは凛花だ。慌てて顔を上げると、そこにいたのは――。
「さ、悟さん……っ!?」
そこにいたのは、笑顔の五条悟だった。いや、正確には顔は笑っているが、目が笑っていない。凛花が唖然としていると、五条は気にした様子もなく、凛花を抱き締める手に力を籠めながら、伏黒を見た。そして……。
「恵、僕の凛花ちゃんに何か用かな?」
と、伏黒をけん制するかのように、そう言葉を紡ぐ。すると、伏黒も負けじと五条を睨むかのような鋭い目で見た。
「五条先生。先生は、今はもう凛花さんとは何の関係もありませんよね? 邪魔しないで貰えますか?」
「何言ってるのかな、恵は。凛花ちゃんは僕の婚約者だよ?」
「それはこちらの台詞ですよ。先生と凛花さんの婚約は、既に破棄されてますよね? 俺、知ってますから」
ばちばちばち!と、一触即発の空気が繰り広げられていた――凛花の頭上で。当の凛花はというと……何が起きているのか理解出来なくて、首を捻っていた。
そして――それからというもの五条と伏黒は、顔を合わせれば凛花を挟んで、たびたび言い争いをしだした。しかもその内容が、凛花は誰のものだとか、自分の方が相応しいとか、そういう内容ばかりで……。いつも、間に挟まれてそれを聞かされる凛花は、もう、恥かしいを通り越して、半分呆れていた。
そもそも、何故こんな事になっているのか。理解に苦しむ。五条はまだしも、伏黒はこんなぐいぐいくるような性格ではない、筈? なのだが……。一体2人の間に何がったのか……。
*** ***
―――都立呪術高等専門学校・東京校 準備室
今日も今日とて、2人は凛花を間に挟んで、言い争っていた。
「恵ぃ~。凛花ちゃんは僕しか見えてないんだから、そろそろ諦めたら?」
「そういう五条先生こそ、その手を離したらどうですか? 凛花さんが嫌がってますよ」
「……」
「何言ってんの。僕の凛花ちゃんが、僕に触れられて嫌がる訳ないでしょ」
「それは先生の思い込みだと思います。凛花さんは、先生のものじゃありませんので」
「……」
「恵は知らないでしょ、凛花ちゃんの感じやすい場所。ま、僕は知ってるけどね」
そう言って、突然五条が凛花を抱き締めながら、ちゅっと耳朶に口付けをしてくる。瞬間、「ぁ……」と、声が洩れてしまった。そんな凛花を見て、五条が伏黒に勝ち誇った様な顔をする。
すると、伏黒がむっとして、ぐいっと凛花の腕を掴んだ。そして事もあろうことか、そのまま凛花を引っ張ったかと思うと、その唇に口付けをしてきたのだ。
「……っ」
まさかの伏黒からの口付けに、凛花が驚いたかのように、思わずその深紅の瞳を見開く。
すると、次の瞬間。がしっと、今度は五条に肩を掴まれて、そのままぐいっと引き離されたかと思うと、今度は五条の手が凛花の顎に掛かったかと思うと、そのまま唇を奪われたのだ。
「……っ、さと……っ」
しかも、それは触れるだけのものではなく、深く深く口付けるものだった。凛花が慌てて、手を突っ張って五条を引き離そうする。しかし、いつの間にか腰を掴まれていて、それはびくともしなかった。
しかも、とんっと、軽く身体を押されたかと思うと、そのまま壁へと押し付けられる。そして、そのまま深く口付けをされながら、五条の手が凛花の身体を這い始めたのだ。
「ん……っ」
思わずびくんっ、と身体が跳ねる。慌ててその手から逃れようとしたのだが、その前に五条の舌がぬるりと口内へと入って来た。そのまま歯列をなぞられ、舌を絡めとられると、そのまま深く口付けられる。
くちゅ……と、水音が響き、凛花の唇から飲み込めなかったどちらのともつかないものが伝い落ちた。
「……っぁ……、待っ……」
「駄目だよ、凛花。見せつけてるんだから」
そう言ったかと思うと、今度は五条の手が、凛花の上着の隙間から入ってきて、ブラウスの上から、そのふくよかな胸に触れてきたのだ。
「……ぁ、ん……っ、だ、駄目……」
ぴくんっと、凛花が思わず、身体を震わせる。
め、恵君、が……見てる、の、に……。
直ぐ傍で伏黒がこちらを見ている視線を感じた。こんな姿を見られるなんて、とてもじゃないが、凛花には耐えられなかった。だが、五条の手は止まってはくれない。それどころか、するりとブラウスのボタンを外していくと、その隙間から中に手を入れて来たのだ。そして――。
五条の指が直に凛花の肌に触れたのだ。その瞬間、思わず凛花の身体がびくんっと大きく跳ねる。
「は……ん……っ」
その刺激に、慌てて口を引き結べば、今度は五条の手が胸全体を揉みし抱くように触れてきたのだ。強くもなく弱くもない絶妙の力加減で胸を揉まれ凛花の口から吐息混じりの声が洩れる。
「や……ぁ……っ」
「嫌じゃないでしょ? 凛花は、こうされるの好きだよね。だってほら、もう乳首立ってきてる」
言いながら、五条の指先が突起した胸の先端をきゅっと摘まんで来たのだ。その瞬間――。
「……ぁん……っ!」
びくんっ、と一際強く身体を震わせて、凛花が思わず甘い声を発してしまう。それに気を良くしたのか、今度はその胸の先を指先で弄りだした。そしてそのままくりくりと円を描くように指先で弄ったり、きゅっと摘まんだりしてくる。
その度に凛花がぴくっぴくっと身体を震わせた。だが、同時に身体を離そうとしていた筈の手は、いつの間にか五条に縋るかのように服を掴んでいて……。そして、その口からは甘い吐息が洩れていた。
それを目の当たりにして、伏黒がぎり……っと唇を噛み締めると、
「……っ、いい加減にして下さい! 凛花さんが嫌がってるじゃないですか!」
「ん? ああ、ごめんごめん。見せつけ過ぎちゃったかな?」
悪びれた様子もなく、五条の手が凛花の胸をやわやわと揉みし抱きながらそう言う。すると、その動きに合わせてぴくっぴくっと、凛花の身体が跳ねるのを、伏黒は悔しそうに見つめていたが、次の瞬間、ばっと五条を無理矢理引っ剥がした。
そして、制服の上着を脱いで、凛花に掛けてやる。
「……だから言ってるじゃないですか、凛花さん。五条先生は止めた方がいいって」
「いやねえ。人のもの盗ろうとしてる恵には言われたくないなあ」
「貴方のものじゃありませんから」
じとっと、伏黒が五条を睨む。だが、五条の視線は凛花にだけ注がれていて……。そして、するりとその頬に手を這わせると、そのまま凛花に深く口付けたのだ。
頭が先程の行為でぼんやりしている凛花に、それを避ける術はなく――途端、凛花の唇から吐息混じりの声が洩れた。
「……っ、ぁ……」
「ほら、凛花も気持ちいいってさ」
勝ち誇った様にそういう五条に、伏黒がイラっとしたのか、凛花の手を掴んでぐいっと引っ張ってきた。まさかのその予想外の行動に、凛花はそのままバランスを崩してしまった。
しかし、その身体をすかさず五条の手が支える。そして、まるで抱きかかえるようにして、引き寄せられると、更に深く口付けられてしまったのだ。
「さと、る、さ……んんっ」
口内を五条の舌が蹂躙してくる。そして同時に、五条の指先がまるで弄ぶかのように胸の突起を弄りだしてきたのだ。その刺激に、凛花はいやいやと首を振りながら逃れようとしたが、身体に力が入らずに、そのまま五条に身を任せるしかなくて……。
そんな凛花の姿を伏黒が見つめる。そして、そんな2人の姿に苛立ったように舌打ちをすると、突然、ばっと凛花の頭に手を伸ばしてきたかと思うと、強引に凛花の唇を奪い取った。
「……っ、めぐ……んっ」
まさかの伏黒の行動に、凛花が驚いて目を見張る。だが、伏黒は気にした様子もなく、強引に凛花の唇を貪った。しかも五条のそれとは違う、噛み付くかのような口付けに、凛花の唇からくぐもった声が洩れる。
五条もそんな伏黒の行動は予想外だったのか、驚いたように一瞬動きが止まってしまう。だが……直ぐに我に返ったのか、お返しとばかりに伏黒がしているキスよりも更に深く唇を重ねてきたのだ。
そしてそのまま舌を絡めとると、まるで引き離すかのように強く吸い上げたのだった。
ようやく2人から解放された凛花の身体からがくっと力が抜け、五条にぐったりともたれ掛かってしまう。しかし、その身体はまだ五条の腕の中にあった。
流石にこれ以上はまずいと思ったのか、伏黒が小さく舌打ちをする。そんな伏黒を見て、五条がにやにやと笑った。そして……ぺろっと、不意にそのまま五条の舌が、凛花の耳朶を舐めたかと思うと、耳の中へと舌を入れてきたのだ。
思わずびくっと凛花が身体を震わせる。
「ん……っ、ぁ……は、ンン……っ」
くちゅ……という音がダイレクトに聞こえて来て、凛花は思わず耳を塞ぎたくなった。だが、そんな事を五条にさせてくれる筈もなく……。ぎゅっと五条の腕を掴んだまま、凛花が堪らず声を洩らす。
と――その時だった。
突然、伏黒の手が伸びてきたかと思うと、再び唇を奪われた。しかも、先程とは違い、今度は凛花の唇を味わうかのように深く口付けられる。
そして、不意に舌が入り込んで来たのだ。ねっとりとまるで別の生き物の様に口内を蹂躙され、舌先が絡められる。
「……ぁ……ン……っ、は、ぁ……っ、め、ぐ……っ」
ぴちゃ……という音が頭に直接響いてくるような口付けに、凛花は思わずぎゅっと五条の服を掴んだ。だが、そんな凛花を更に追い詰めるように、伏黒の指先が凛花の耳朶を弄り始めたのだ。その刺激に思わず凛花がびくんっと身体を震わせる。
すると――突然、五条の手がするりと凛花の背中を撫でたかと思うと、そのままその手がブラウスの中へと入って来たのだ。
そして、ブラジャーのフロントホックを外される。それと同時に伏黒の唇が解放されたと思うと、今度は五条の手が胸に触れてきた。同時に耳への刺激も強くなり、耳朶を口に含まれたかと思えば軽く歯を立てられたのだ。
「ぁ……んっ、ゃ……」
その甘い刺激に思わず凛花が身体を震わせる。
と……その瞬間だった。突然伏黒の手の動きが変わったかと思うと、凛花のスカートの中に手を入れてきたのだ。そして、そのままゆっくりと太腿を撫でながら、下着越しに秘部へと触れてきた。
「ぁ……っ」
途端に、びくん!と凛花が身体を震わせる。
「ま、待っ……めぐ――ぁあ、ん……っ」
くちゅ……と濡れた音が響き渡った。更に、つぷり……と自分の秘部から何かが溢れ出す感覚がして、凛花は羞恥で思わず赤面してしまう。
そして次の瞬間には、今度は五条に深く口付けられてしまっていて――同時に胸も強く揉みし抱かれたかと思えば、優しく太腿を撫でられ、その刺激に堪らず凛花は身体を捩った。
「は……ぁん……っ、おね、い……待っ……ぁ、んん……っ」
懇願する様に、凛花が何とかそう言うが、五条はくすっと笑みを浮かべると、
「駄目。待てない」
そう言って、更に凛花の唇を貪るかのように、口付けてきた。
伏黒はというと、凛花の秘部に下着越しに撫でながら、そのまま凛花の胸の突起をその舌で転がしていく。
「無理ですよ……凛花さん……」
そう言いながら、何度も何度も胸の突起を舐め上げられる。そしてそれと同時に、五条の手がまるで揉み解すかのように凛花の胸を愛撫していく。
「ぁあ、ん……っ、だ……めぇ……っ、は、ぁ……ン……ああっ」
それぞれ全く違った刺激が同時に訪れ、それが合わさってより一層強い快感となり凛花に襲い掛かってくる。
もう……駄、目……っ
そう思った瞬間だった。凛花の身体がぶるっと震え、びくんっと一際大きく身体が跳ねたかと思うと、そのままぐったりと五条に身体を預けてしまったのだった。
そんな凛花を見て、ようやく伏黒が唇を離す。そして、ゆっくりとぐったりとしている凛花の身体を壁際にもたれ掛かれるようにしたのだ。
「凛花さん……っ」
凛花の名を呼びながら、伏黒が五条とは反対側から凛花の身体を抱き締めた。そしてそのまま貪るかのように口付けてくる。
「ンン……っ、は、ぁ……ん……っ」
そのまま、彼女の口内を味わうかのように舌を差し入れて絡めていく。堪らず、凛花が吐息を洩らした。それと同時に、伏黒は再びスカートの中に手を入れてきて、下着越しに秘部を優しく撫でてきたのだ。
すると、じわりとまた濡れてきてしまい、それをきっかけに、伏黒が凛花の太腿を撫でながら手を上へと滑らせた。そしてそのまま下着の中へと指を差し込んだかと思うと、今度は直接秘部に触れてきたのである。
「ぁ……ゃ、ぁ……んんっ」
ぴくんっと、凛花の身体が跳ねた。くちゅり……という音が聞こえてきて、思わず凛花は恥ずかしさで顔を背ける。しかし、そんな凛花を逃さないとばかりに2人の唇が交互に再び重ねられた。そして、同時に伏黒の手が凛花の秘部をゆっくりと愛撫していく。
「ぁあ……っ、ゃ、あん……っ、は、ぁ……あ、あ……っ」
その刺激に堪らず、凛花が身体を捩った。
しかし……その瞬間だった――。
突然、2人の唇が離れたかと思うと、そのまま五条によって身体を反転させられたのだ。そして、今度は壁に押し付けられるかのように、後ろから抱き締められる。
一瞬、凛花がぎくりと、顔を強張らせた。
だが、五条の手がそのままスカートの中に入れられると、太腿から脚の付け根へと手が這う様に動かされるのだ。
「ぁ……は、ん……」
そして下着越しに何度も撫でられたかと思うと、そそのままぐっと指を押し込まれたのだ。くちゅ……という音が響き渡ったかと思うと、凛花が思わずびくんと身体を跳ねさせた。しかし、そんな凛花には構わずに、そのままぐりっと下着越しに更に強く秘部を押される。
「あ……ん……っ」
その刺激に堪らず、凛花は甘い声で喘いでしまうのだった。
すると今度は、背後から伸びてきた手がブラウスのボタンを外して前を開くと、露になった胸を揉みし抱いてきたのだ。
「ぁ、ああ、ん……っ、は、ゃ……ぁ……っ」
同時に首筋や耳にも口付けが落とされる。そしてそのまま耳の中に舌を差し込まれ、ぴちゃ……という音が直接響いたかと思うと、今度はそのまま耳の中にも舌が差し込まれた。
「ン……っ、ぁ……は、ぁ……さと、る……さ……っ」
その刺激に、思わず凛花は身体を捩ろうとしたのだが、後ろから抱き締めている五条の腕がそれを許してくれなかったのである。
そしてそんな五条とは反対の耳には、反対側から伏黒が唇を寄せてきた。そしてその唇がまるで噛み付くかのように耳朶に歯を立ててきたのだ。その甘い痛みに、びくんと身体が跳ねる。
「ゃ、ん……めぐ……っ、ぁあ……っ」
同時に胸への愛撫も再開されてしまい……更に秘部を下着越しに刺激され続けて、凛花はもう何も考えられなくなった。
そしてそのまま、2人の愛撫によって何度も絶頂に達してしまったのである。
しかし、それでも2人は凛花の身体を離そうとはせず、むしろより激しく攻め立ててきた。
「ゃ……っ、も、もう……む、り……ぁあっ」
そう凛花が訴えても、2人の手は止まる事はなかった。
そしてそのまま、再び絶頂に達してしまったところでようやく解放されたのだ。だが……まだ終わりではなかった。
今度は五条によって身体を反転させられると、今度は前から伏黒に抱き寄せられたのだ。そしてそのまま唇を塞がれる。
「駄目ですよ。凛花さん……」
そう言って、伏黒が舌を絡めてくる。歯列をなぞり、舌同士を絡ませてくる。互いの唾液が混じり合い、凛花の口から飲み込みきれないそれが零れ落ちた。
「ん……ふ、ぁ……っ、めぐ、み、く……っ」
息苦しさと、徐々に頭の芯から痺れていくような感覚に支配されていく。
次第に何も考えられなくなっていき、気が付けば凛花の手が伏黒の制服をぎゅっと握っていた。
すると、今度は後ろから五条の手が回ってきて、スカートのファスナーを降ろされたかと思うと、下着越しに秘部に触れてきたのだ。そしてそのまま下着の隙間から指を差し込み、直接触れてくる。その刺激に思わず凛花がびくんっと身体を震わせた。
「ぁ……待っ……さと――」
「待たないって、言ったよね」
五条に耳元で囁かれると同時に、五条の長い指が凛花の中へと挿入ってきた。その刺激に思わず凛花が身体を捩ったが、それを逃さないとばかりに伏黒が更に強く抱き締めてきたのだ。
そしてそのままゆっくりと指を動かし始める。最初は一本だけだったのだが、すぐに二本三本と増えていき……やがてそれがバラバラに動かされる様になる。
「ぁ……ああ、ン……っ、は、ゃ……ぁ……っ、さと、る、さ……っ」
その度にくちゅ……という音が聞こえてきて、凛花は恥ずかしさでどうにかなってしまいそうだった。だが、そんな凛花の羞恥心とは裏腹に、身体は正直に反応してしまう。
そして、そのまま何度も絶頂を迎えさせられた後……、今度は伏黒によって壁に押し付けられたかと思うと、後ろから抱き締められたのだ。そしてそのままスカートを捲り上げられ、直に秘部に触れられる。
既にそこはぐっしょりと濡れており、まるで漏らしてしまったかのようになっていたのだが、それでも構わずに伏黒の指は凛花の敏感な部分を責め立ててきたのである。
「ぁ……っ! ん……は、ぁあ……ん……っ、ゃ……だ、め……ぁあ……っ」
凛花が堪らず声を上げると、伏黒はそっと、耳や首筋に口付けてきた。
同時に五条には胸を揉まれて、その度に甘い声が漏れてしまいそうになるのを必死に耐えていたら、今度は後ろから秘部を愛撫されていた伏黒にまで胸を揉まれ始めたのだ。
そしてそのまま耳を食まれたかと思うと、くちゅりと舌を差し込まれたのだ。その間にも、更に下着の隙間から五条の長い指が入り込んできて……凛花の敏感な部分に触れてきていた。
「は、ぁ……ん……っ、ゃ、ぁ……ああ……ン……っ!」
その刺激と快楽に耐え切れず、再び絶頂に達してしまったところでようやく解放されたのだった。
だが、それでもまだ終わりではなかった。むしろここからが本番だと言わんばかりに五条の手が凛花の肌の上を滑るようにしながら服を脱がしていく。それを止めようとしたのだが、既に凛花の身体にはほとんど力が入らなく、そのまま五条によって上着とスカートを脱がされてしまった。
そして今度は伏黒の手が下着に伸びてくる。
だが、それを制止する間もなく……あっという間に下着を剥ぎ取られてしまい、凛花は一糸まとわぬ姿になってしまったのだ。そんな凛花の姿に興奮したのか、2人の目がぎらりと光ったように見えたのだが、それはきっと気のせいではないのだろう。
そしてそのまま、再び五条によって身体を反転させられると、今度は前から抱き寄せられるようにして五条に唇を塞がれる。
そのまま口内へと舌を差し込まれ、歯列をなぞられたかと思うと、今度は舌を絡められ、強く吸われた。
その間にも抱き締められて胸を揉まれてしまい……更に太腿にまで手が伸ばされて撫で回されてしまう。そして脚を開かされて、片脚だけを持ち上げられるようにして脚の間に身体を入れられてしまった為、凛花は身動きが取れなくなってしまったのだ。
そんな状態で何度もキスされて……おまけに秘部に指を這わされてしまえばもう限界だった。
だが、そんな状態になってもまだ終わりではなかった。今度は後ろから伏黒が凛花の腰を掴むようにして、そのまま彼女の秘部へと顔を埋めてきたのだ。
そしてそのままぺろり……と舐められてしまい――、
「ぁあ……ん……っ、は、ぁ……待っ……、めぐ……ぁ、ああ……ゃ、あ……っ」
思わず凛花は身体を捩った。だが、それでも逃してもらえず……それどころか更に激しく責め立てられてしまった為、堪らず甘い声を上げてしまったのである。
しかしそんな凛花の反応を楽しむかのように、今度は五条によって耳を甘噛みされながら囁かれた。
「……凛花……俺以外に感じてるんだ?」
「……ぁ、ン……」
嫉妬にも似たその言葉に、凛花がびくりと反応する。だが、その刺激にすら感じてしまってしまい、またも甘い声が出てしまった。
そしてそのまま背後から抱き締められるような形で、再び五条に何度も口付けられてしまう。その間もずっと五条に胸や秘部への愛撫は続けられていた。
伏黒も、凛花の秘部に舌を這わせながら、時折その上にある蕾に吸い付いたり、軽く歯を立ててみたりしてくる。
「凛花さんのここ……凄く甘いです」
「……っ、ぁ……は、ぁん……っ、あ……ンン……ゃ、ぁ……っ、言わな……で……っ」
伏黒の舌に敏感に反応してしまい、堪らず凛花が甘い声を洩らす。同時に、五条の長い指が凛花の秘部に挿入ってきたかと思うと……ゆっくりと動き始めた。そして、伏黒の舌が敏感な部分に触れてきて、
「ぁあ……ん……っ!」
その刺激に思わず凛花の身体が跳ねる。そして一緒に両方の胸も愛撫されてしまい……。
その瞬間だった。突然、五条の指が凛花の中のある一点に触れた途端、今までとは比べ物にならない程の強い快楽が全身を駆け巡ったのだ。まるで電流が走ったかのような感覚に凛花は目を見開きながら身体を仰け反らせたのだが、それでも2人は止める事なくそこばかりを集中的に責め立ててきたのである。
「ぁ、ああ……っ、は、ぁんン……っ、ゃ、ぁあ……っ」
更に、いつの間にか四つん這いの様な体勢にされてしまっていて……後ろから五条によって秘部を愛撫されている上に、目の前には伏黒がいて、彼は凛花の唇を貪るように口付けながら胸を愛撫していた。
そしてそのまま、今度は2人の手で同時に攻め立てられてしまう。
その刺激に耐え切れず、結局凛花は何度も絶頂を迎えさせられてしまったのだった。
だが、やはりそれでもまだ終わりではなかった。
「ぁ……ん……っ、も、もう……やめ……っ、ぁあ!」
「もっと凛花さんを愛させて下さい」
今度は、伏黒に正面から抱き締められながら口付けられてしまい……そのまま舌を絡められてしまう。同時に、背後からは五条に胸を愛撫されてしまい、更に秘部には伏黒の指が挿入ってきていたのだ。
「ゃ、あ……っ、ぁ、あん……っ、は、ぁ……っ、ぁ、ああ……っ」
2人同時に攻められて、凛花は堪らず甘い声で喘ぎ続けた。その間にも、2人の手は止まらずに動き続け、やがて凛花は再び絶頂を迎えてしまったのだ。
だがそれでも尚、行為は続けられてしまい、凛花は何度も快楽に溺れていったのである。
「ねぇ、凛花。……そろそろ俺、もうオマエの中に入りたいんだけど」
「ぇ……」
朧気な意識の中でそう五条に囁かれたと思った瞬間――彼の手が凛花の太腿に撫でる様に触れたかと思うと、そのままぐいっと片脚を持ち上げられた。思わず立っていられなくなり、凛花がバランスを崩しそうになるが、後ろにいた伏黒が支えるように抱き締めてきたのだ。
と、思ったら、そのまま唇を奪われる。一瞬の間に、舌が入ってきて、凛花の歯列を舐め、下顎をなぞり、舌を絡ませられて、吸われ、甘噛みされた。
「ん……ふ、ぁ……っ、ぁ……んん……めぐ、み、く……っ」
堪らず声が洩れると、伏黒が嬉しそうに笑いながら、「凛花さん……」と、甘く名を呼んできた。その時だった、五条が凛花の首筋に舌を這わせてきたのだ。そして、五条の所有物だと言わんばかりに、赤い痕を残していく。
「ぁ……ンン……っ、さと、る……ぁ、ん……っ」
「凛花、俺ともキスしよ」
そう言ってきたかと思うと、今度は五条に口付けられた。角度を変えて何度も何度も口付けられて、徐々に思考が麻痺していく。頭がぼぅ……として、何も考えられなくなる。
「ほら、口開けて」
言われるままに、口を少しだけ開けると、そこから五条の舌が入り込んできた。
「んん……っ、ぁ、はぁ……ン……ふ、ぁ……っ、さと……る、さ……っ」
舌と舌が絡み合い、お互いの唾液を交換し合う。
「凛花……っ」
名を呼ばれた瞬間――下腹部に違和感を覚えたと思ったと同時に、一気に五条のそれが凛花の中を貫いたのだ。
「ああ……っ!」
突然入って来た圧迫感に、凛花が悲鳴の様な声を上げる。急に入って来たそれは、子宮口まで既に到達しており、そのままぐりぐりと入り口を抑えてくるではないか。
余りの衝撃に一瞬意識を失いそうになるが、それは直ぐに現実へと引き戻された。何故なら、五条によって激しく抽挿が始まったからだ。
「ぁ、ああ、ん……っ、は、ぁ……ゃ、ぁああ……っ、うご、かな……っ、駄目っ、だめぇぇえ……っ!」
その度に結合部からは、厭らしい音が響いてきて、聴覚までも犯されていくようだった。
「凛花さん……俺も、もう……っ」
伏黒がそう言ったかと思うと、凛花の胸を揉みし抱きながら、一気に今度は後ろから伏黒が貫いてきたのだ。
「あ―――っ!!」
凛花の悲鳴が上がる。そうして、同時に後ろからも攻め立てられてしまい、前からも後ろからも刺激され続けた結果――凛花は再び絶頂を迎えてしまったのだった。だがそれでも尚、行為は続けられてしまう。
流石にこれ以上はもう無理だと、凛花は思った。それなのに、そんな事などお構いなしといった様子で、2人は凛花の身体を愛撫し続けるのだった。
それはまるで麻薬のようでもあった。一度味わってしまえばもう後には戻れなくなるような――そんな、甘美な誘惑だ。
五条の手が凛花の胸を掴み上げるようにして揉んでくる。その度に甘い声が洩れ出てしまいそうになるのだが、それを堪えるかのように唇を噛み締めた。
だが、そんな事をしたところで何の意味も成さない事は分かっているのだが……それでもそうせずにはいられなかったのである。
そんな凛花の心情を知って知らでか、今度は伏黒が耳の中に舌を差し込んで舐めてくる。同時に胸への愛撫を再開されて……それだけでもどうにかなってしまいそうだ。
「ぁ、ああ……っ、だ、めぇ……動かな……っ、ぁあん……っ!」
そうしている間も、2人は激しく抽挿を繰り返してくる。その度に、3人の肌がぶつかり合い、ぱん!ぱん!と、音が響き渡った。その激しさに耐えきれず、凛花は何度も絶頂を迎えさせられたのだが……それでも2人の行為は止まらなかった。それどころか、更に激しさを増していったのである。
凛花は、がくがくと震える脚で立っていられなくて、必死に目の前の五条にしがみ付いていた。すると、五条によって脚を更に大きく開かされたかと思うと、そのまま容赦なく腰を打ち付けられる。
同時に伏黒も、後ろから激しく腰を打ち付けてきて――凛花の視界がチカチカと光が瞬いたような感覚に襲われたと思った瞬間、3人同時に絶頂を迎えてしまったのである。
そしてそれと同時に、熱い飛沫が膣内へと注ぎ込まれるのを凛花は感じたのだった。凛花は、身体の奥深くに放たれたその熱さと量の多さに、ぶるりと身体を震わせる事しか出来なかった。
それから何度も五条や伏黒よって身体を揺さぶられ続けた後――ようやく解放された時には、凛花はもう意識を保つのもやっとの状態になっていた。
既に体力は限界を迎えていたし、何よりも疲労困憊状態だったのだ。だがそれでもまだ終わりではなかったようで……ぐったりとしている凛花の秘所を再び五条の長い指がなぞったかと思うと、そのまま膣内へと挿入ってきたのだ。
「ん……っ、ぁ、はン……っ」
そして、そのままゆるゆると動かされる度に甘い疼きを感じてしまい、思わず腰を浮かせてしまった。そんな凛花の反応を見て気を良くしたのか、更に奥へと突き立てられる。同時に親指で陰核を押し潰すように刺激されてしまい……あまりの快感に、凛花は目の前が真っ白になった気がした。
すると、今度は背後から伏黒に抱き締められた状態で胸を弄られる。
「ぁん……っ、ゃ、待っ……ぁ、あ……っ、ン……」
乳首を摘ままれ引っ張られたかと思えば、指の腹で押し潰されたりした挙げ句、爪を立てられる。痛い筈なのに、それが何故か気持ち良くて……凛花は無意識のうちに自ら腰を浮かしてしまっていた。
それに気付いたのか、今度は後ろから首筋を舐められ、甘噛みされる。その刺激にすら感じてしまい、またも甘い声を上げてしまったところで漸く解放されたのだった。
だがそれも束の間で、直ぐにまた彼らが交互に挿入ってきてしまう。先程中に出された白濁の液が潤滑油代わりとなっているのか、スムーズに奥まで入ってくる感覚に背筋が震えた。そのまま激しく突き上げられてしまえばもう堪らないといった様子で乱れてしまうしかないのである。
「ぁ、ん……は、ぁ……ぁああ……っ」
凛花の口から漏れる声は、既に甘く蕩けきっており……普段の彼女からは想像も付かない程に厭らしく感じられた。そんな凛花の痴態に煽られたのか、2人の動きが激しくなり、更に絶頂へと導かれていく。
そして、やがて限界を迎えたのか、彼らは凛花の中で果てたのだった。
しかしそれでもまだ満足出来なかったのか、再び抽挿が開始される。今度は前から挿入ってきていた五条のそれが膣内を掻き混ぜるようにしながら抜き差しされ始めると、それに合わせて伏黒が胸への愛撫を再開し始める。
「は、ぁあん……っ、ゃ、ぁあ……ンン……っ、ぁ、は……あ、あ、ああ……っ」
堪らず凛花が喘ぐと、2人の動きが更に激しくなった。
伏黒に両方の胸の先端を同時に摘ままれ引っ張られると、それだけでも軽く達してしまいそうになる程で……それに気をよくしたのか、今度は爪を立ててぐりっと強く押し潰されてしまい、あまりの快感に一瞬意識が飛んでしまいそうになった程だった。
だがそれでも尚、彼らは行為を止めようとはせず……寧ろ激しさを増していったのである。そして遂には2人同時に凛花の最奥を突き上げたかと思うと、そのまま大量の精を解き放ってきたのである。
熱い飛沫が子宮口まで届きそうな程奥深くへと放たれ、それと同時に凛花も達してしまったのだ。
しかし、その余韻に浸る間も無く、直ぐにまた抽挿が開始されてしまったのである。それから何度絶頂を迎えさせられたのか分からない程で……。
だがそれでも尚、彼らの行為は止まる事はなく……結局その後も延々と犯され続けてしまうのだった――。
*** ***
―――3時間後
「……」
立っている五条と伏黒の前で、凛花は椅子に座って腕を組んだまま2人を睨んでいた。本来であれば、彼らこそ床に正座させて、自分は立ちたいのだが、未だ立てないのだ。椅子に座るのがやっとの状態で……。それでも、凛花はどうしても、彼らに言いたい事があった。
「で? どういう事なのですか? ここ最近の、お2人のあのやり取りは!」
そうなのだ。とにもかくも最近の2人はおかしかった。いや、おかしいなんて生易しいものではない。“変”だったのだ。
その原因は何か。それを問いたださねば、また今日のような事になりかねない。
すると、五条も伏黒も視線を逸らし、
「恵が……」
「五条先生が……」
「……」
そう言い掛けたが、怒っている凛花に流石の2人も黙った。凛花が「はぁ……」と小さく溜息を洩らす。
別に怒りたい訳ではない。出来うる限り穏便にしたいだけだ。2人が自分の事で言い争うのも見たくないし、なによりも……。
「……」
先程のような事は避けたい。五条1人相手にするのも、いつも苦労しているのに、そこに、伏黒も加わって2人同時に相手にするのは、流石に……しんどいし、辛い。身体がこれでは幾つあってももたない。
起きてしまった事を今更とやかく言っても仕方がないとは思う。時間は過去には戻れないのだから。だが、ここで話を付けておかないと、同じような事にこの先ならないとも言い切れないのだ。
それに――。
「はぁ……」と、凛花はまた溜息を洩らした。
2人ともを嫌いになど、なれないのだから―――。
余談。
「あっれ~? 伏黒は?」
虎杖が教室できょろきょろと辺りを見回していた。何限か前から、姿が見えないのだ。任務か? とも思うが、そんな話は聞いていない。すると、釘崎が、
「さぁねえ、凛花さんとこじゃないの?」
と、にやにやしながら言っていた。
すると、虎杖が何かを思い出したかのように、
「そういえばさ、なんで釘崎は伏黒を焚きつけたん?」
「なに? 人聞きの悪い事言わないでよ。私はね、ちょ~っと、アドバイスしただけよ」
「アドバイス?」
釘崎の言葉に、虎杖が首を傾げる。すると、釘崎はさも当然そうに、
「そうよ! ア・ド・バ・イ・ス!! 考えてもみなさい。伏黒のライバルは、あの五条先生よ? 一筋縄でいくと思う?」
「いや~そういう問題?」
「そういう問題よ。いい? 女はね、控え目な男より、ちょっと強引でぐいぐい来る男に弱いのよ! 五条先生見て見なさいよ、まんまじゃない!」
「あ~五条先生は、確かにそうかも~」
「でしょう!? だから、伏黒も凛花さんに本気なら、もっと強気で行かなきゃ駄目なのよ!」
「なるほど~」
「分かればよろしい」
そう言って、釘崎は得意気に笑ったのだった。
2025.03.11