花薄雪ノ抄
     ~月来香編~

 

◆ 五条悟&夏油傑夢

      「Sleepless Night」

 (呪術廻戦夢 「深紅の冠 ~鈺神朱冥~」 より)

 

 

 

 

「え?」

 

それは、唐突だった。

目の前には、にこにこ顔の五条と夏油。

凛花は、首を傾げながら2人を見た。

 

「飲み会、ですか?」

 

「そ、高専関係者が集まって、たまには日頃の疲れを癒そうって話だよ。凛花ちゃんも来るでしょ?」

 

そう五条に当たり前の様に言われるが、凛花は少し躊躇いがちに、

 

「えっと……私は、高専関係者ではありませんが……」

 

本来、「高専関係者」とは、高専に籍のある、もしくはあった者を指す。

凛花の亡き兄である昴は高専に通っていたが、凛花は通っていない。

 

つまり、凛花は「高専関係者」ではないのだ。

確かに最近は関わる事は多いが、あくまでも凛花の家・神妻家の所属は宮内庁管轄下にあり、高専とは別の組織に当たる。

 

そんな自分が「高専関係者」の飲み会に参加していいものか、迷う。

 

凛花が少し返答に困った様に笑みを浮かべると、夏油が助け舟を出すかの様に、

 

「悟。凛花ちゃんにも都合ってものがあるんだ。無理強いはよくないよ」

 

とは言うが……夏油は凛花の方を見ると、にっこりと微笑んで、

 

「でも――私としては、来てほしいかな。君さえ良ければ、だけど」

 

「えっと、それは……」

 

どう、しよう……。

 

皆が皆、顔見知りという訳では無い。

今回の飲み会は、謂ば「身内」の集まりの様なものなのだ。

そんな所行けば、1人浮くのが目に見えている。

 

「あの、私は――」

 

断ろう。

そう思った時だった。

 

「凛花ちゃん」

 

不意に、五条がすっと顔を近づけてきた。

そして、囁く様に、

 

「ほら、僕 飲まないからさ。凛花ちゃん相手してくれると嬉しいなって」

 

「あ……」

 

そうだ。

甘党の五条は、基本お酒は飲まない。

という事は、酒の席で1人だけ素面の状態になるという事だ。

 

「……」

 

凛花は少し考えた後、「……少しだけなら」と承諾したのだった。

だが――それを後々後悔する事になるとは、この時の凛花はまだ気付いていなかったのだった。

 

 

 

 

 

   ****    ****

 

 

 

 

 

―――某・飲み屋

 

「神妻~飲んでるー!?」

 

東京校とは姉妹校である、京都校の術師であり教師でもある庵歌姫に、何故か凛花は絡まれていた。

庵は、がしっと凛花の肩に手を回すと、ジョッキに入った酒を煽りながら凛花に酒を勧めてくる。

そんな庵に、凛花は苦笑いを浮かべると、

 

「えっと……飲んでいますよ?」

 

凛花がそう言いながら、持っていた青色のカクテルの入ったグラスを見せる。

すると、庵がじーとそれを見た後、

 

「そんな、ジュースじゃらめらめ! ビールじゃないとぉ~」

 

そう言ったかと思うと、庵はぐいっとビールの入ったジョッキを凛花に押し付けてきた。

凛花はやはり苦笑いを浮かべると、丁寧に手でそのジョッキを押し返す。

 

「すみません、ビールは飲めなくて――庵さん、酔ってます、よね」

 

「酔ってないわよぉ~」

 

完全に、酔っている。

酔っている人は、皆そう言うのだ。

 

でも……私も少し飲み過ぎたかも……。

そう思って、頭を少し押さえる。

 

と、その時だった。

ひょいっと横に座っていた五条が、凛花の肩を抱き寄せて庵から離した。

そして、凛花の持っていたグラスを取り上げると、

 

「あ……、悟さ……」

 

「凛花ちゃん、それぐらいにしておいた方が良いよ。大分飲んでるでしょ? 歌姫は飲み過ぎ。僕の凛花ちゃんにあんまり絡まないでくれる?」

 

五条がそう言うと、庵がむーと不機嫌そうに、

 

「なによ~五条! 神妻は、アンタのだけの物じゃないでしょぉ~!?」

 

そう言う庵に、五条はしれっとして、

 

「ん? 凛花ちゃんは、僕だけの物だけど?」

 

とか言い出して、凛花を後ろから抱き締めたのだ。

ぎょっとしたのは凛花だ。

 

まさか、公然の場でそんな事をされるとは思ってもおらず、知らず凛花の頬が かぁっと朱に染まる。

だが、酒のせいで思考が上手くまとまらないのか……。

 

「あ、あの……悟さ……」

 

凛花が、恥かしそうに顔を赤らめたまま五条を見ると、五条はくすっと笑って、

 

「何? どうかした?」

 

「あ、えっと……」

 

凛花が困ったかのように、益々顔を赤らめたまま俯いてしまう。

だが、思考が回ってない所為か、振り払う素振りは見せなかった。

 

すると、五条がふっと笑みを浮かべ、そっと凛花を後ろから覗き込んできた。

 

「凛花ちゃん照れてるの? 可愛い」

 

「え……」

 

五条のその言葉に、凛花がかぁっと更に顔を赤らめる。

と、その時だった。

五条の隣に座っていた夏油が、すっと手を伸ばしてきた。

 

「ほら、悟。凛花ちゃんが困っているよ」

 

そう言って、やんわりと凛花と五条を離そうとする。

だが、五条は逆に凛花をぎゅーと抱き締めると、

 

「傑。邪魔するなよな。羨ましいんだろう?」

 

にやりと笑みを浮かべてそういう五条に、夏油が一瞬その瞳を瞬かせた後、にっこりと微笑んだ。

そして、何でもない事の様に、

 

「私が羨ましがる理由など、何処にもないと思うけどな。それよりも、ほら、凛花ちゃんが辛そうだよ。離すんだ」

 

そう少し強めに言ってくる。

と、その時だった。

 

「なによー、だったら五条の物だっていう証拠見せないさいよ、証拠!!」

 

突然、庵がとんでもない事を言い出した。

凛花が一瞬その深紅の瞳を瞬かせたかと思うと、「え……」と声を洩らす。

 

今、庵は何を言ったのだろうか?

そう思うのに、酒の所為で考えが上手くまとまらない。

 

夏油も同じようで、

 

「歌姫先生!? 何を――」

 

と、慌てて声を荒げたが――当の五条はけろっとしたまま、

 

「証拠? そんなに見たいなら――見せてあげるよ。ほら凛花ちゃん、僕の方を見て」

 

「え……あ、あの……悟さ――んんっ」

 

凛花が、五条の方を振り返った瞬間。

五条の顔が近付いてきたかと思うと、そのまま唇を塞がれたのだ。

 

それはあっという間の出来事で、凛花は抵抗する事すら叶わなかった。

 

「……んっ、さと……ぁ……っ」

 

最初は重ねるだけのキスだったが、そのうち五条の舌が凛花の唇を割って口内に入って来る。

逃げようとする凛花の舌を絡め取ると、そのまま吸い上げた。

 

「……ふ、ぁ……っ、待っ……ン……っ」

 

くちゅ……と水音が響いて、凛花の顔がこれ以上ない程真っ赤に染まる。

 

そのまま五条の舌が凛花の舌から歯の裏をなぞり、更には上顎をなぞり、口内を蹂躙していく。

その感覚に、ぞくっと身体が痺れる様に反応した。

 

堪らず、ぐっと五条の上着を掴むと、五条は気分を良くしたのか、くすっと笑みを零し、

 

「何? 足りないの?」

 

そう言ったかと思うと、口付けが更に深くなった。

五条は凛花を離そうとはせず、角度を変えて何度も口付けてくる。

 

彼女の腰に手を回し、ぐいっと更に抱き寄せた。

 

「ぁ……、さと……待っ、皆様、が……っ」

 

見ているのに――。

そう思うのに、抵抗する事が出来ない。

 

すると、五条は微かにその口元に笑みを零すと、

 

「凛花――見せつけているんだからいいんだよ――」

 

そう言って、一瞬夏油の方に視線を送る。

――まるで、けん制するかの様に……。

 

それに気付いた夏油の表情が険しくなった。

 

余りにも濃厚なキスシーンに、庵や他のメンツがぽかん……としてしまう。

中には飲み掛けの酒を、グラスから零す者もいた。

 

それでも終わらない五条からの口付けに、凛花の表情が次第にとろん……とした物へと変化していく。

五条のグラスのノンアルが空になる頃には、すっかり彼との口付けに溺れてしまっていた。

 

そこで、やっと五条が唇を離す。

ちゅっと、リップ音まで立ててからにっこりと笑うと、五条はぐったりとした様子の凛花を抱き締めながら、勝ち誇ったように笑い、

 

「証拠、堪能した?」

 

そう、言い放った。

凛花はと言うと――五条の腕の中で、瞳を潤ませ、頬を朱に染めたままぐったりしていた。

 

これは、酒の所為なのか。

はたまた、五条からの口付けの所為なのか……。

 

身体に力が入らない。

思考も上手くまとまらない――。

 

自分が何をされていたのかすら、良く分からなかった。

すると見かねた夏油が、そっと凛花の方へ手を出し、

 

「凛花ちゃん、大丈夫かい? 少し、風に当たったらどうかな。良かったら 私も付き合うよ」

 

そう言われて、一瞬「え?」と凛花が反応する。

 

確かに、このままここにいたら、次は何をされるか分からない。

それに、頭もはっきりさせたいのもあった。

 

少し考えた後、

 

「あ、では……お願いしても?」

 

そう言って、五条の腕から逃れると夏油の手を取った。

すると、それに気付いた五条が、

 

「凛花ちゃん、それなら僕が連れて行って――」

 

と言い掛けるが、酔った庵が がしいっと五条の肩を握り潰すかのように掴み、

 

「五条ぉ~逃げられると思うなよ~!! お姉さんに、神妻との事あらいざらい話して貰うわよぉ~!?」

 

「ちょっ、歌姫!?」

 

と、庵に捕まった。

それを見た夏油は、くすっと笑みを零し、

 

「悟は、歌姫先生の面倒しっかり見るんだよ? 凛花ちゃんの事は、私に任せてくれ」

 

「はあ!? ちょ、待っ、傑!!」

 

そう五条に言い置いて、夏油は凛花の肩を抱くと、そのまま連れて店を出たのだった。

 

 

 

 

 

   ****    ****

 

 

 

 

 

店を出て少し歩くと、外は肌寒い風が吹いていた。

だが、火照った身体にはその冷たさが丁度良い。

凛花がほぅ……と息を零していると、隣を歩いている夏油がくすっと笑った。

 

「災難だったね。少しは落ち着いた? でも、まだ顔が赤いかな」

 

そう言って、そっと凛花に手を伸ばし、その頬に触れてくる。

その指先は冷たくて――火照った頬には心地良かった。

 

思わず すりっと頬を寄せた凛花に、夏油が微笑む。

その笑みに釣られてか、凛花もふんわりとした笑みを浮かべた。

 

だが――次の瞬間だった。

ぐいっと突然腕を引かれたかと思うと――

 

「え……きゃっ……」

 

突然の事に対応出来ず、凛花はそのまま壁際に押し付けられる形となった。

 

背中に軽い衝撃が走った後、顔を上げると、目の前には夏油の顔があり、

そして、その後ろには壁がある。

そんな状況に、凛花がきょとんとしていると……、くすっと笑みを零した夏油が口を開いた。

 

「凛花ちゃん、さ。悟とはいつも、ああいうキスをしているのかい?」

 

「……え? あ、あの……夏油さ……ん?」

 

夏油の問う意味が理解出来ず、凛花がその深紅の瞳を瞬かせる。

すると、夏油はふっとそれはそれは楽しそうに笑うと、

 

「まさか、酔っていたとはいえ――此処までされるとはね」

 

そう言うと、夏油は壁に付いていない方の手を凛花の顎に当てるとそのままくいっと持ち上げてきた。

そして、上を向かせながら唇を重ねてきたのだ。

 

「……っン……」

 

夏油のまさかの行動に、凛花の肩がびくんっと反応する。

一瞬、何をされたのか理解出来なかった。

 

「げ、とうさ……ん……?」

 

凛花が、戸惑いの色を見せていると、夏油はくすっと笑いながら、

 

「悟と、どっちが上手い?」

 

「え……?」

 

そう、耳元で囁かれる。

だが、その言葉の意味が分からず、凛花はただ戸惑う事しか出来なかった。

 

そんな凛花に構わず、夏油はくいっと顎を持ち上げると、また唇を重ねてきたのだ。

 

「んん……っ」

 

先程よりも深い口付けに、凛花の思考が一瞬止まる。

そんな隙をついてか、ぬるりと生暖かい感触が唇を割って口内に入り込んできた。

それが舌だと分かった時にはもう遅く……。

くちゅりと、舌を絡め取られる。

 

「ぁ……っ、ン……ふ、ぁ……」

 

凛花が、戸惑いの色を隠せず、堪らず夏油を押し退けようとするが――酒の所為が、手に力が入らない。

そんな凛花を知ってか知らでか、夏油は更に深く口付けてきた。

 

先程の五条のキスも濃厚だったが、夏油の口付けもまた濃厚だった。

舌の裏側をなぞられ、吸われる度にぞくぞくとした感覚が背を伝う。

 

こんな感覚は、知らない……。

 

思わず身体が震えてしまう。

そんな凛花に構わず、夏油は角度を変えながら更に深く唇を重ねてきた。

 

「……ぁ……っ、んン……は、ぁ……ん……」

 

頭の奥がじんと痺れる様な感覚がする。

酸欠の所為だろうか――次第に意識が朦朧としてきた。

 

その時だった。

とんっと、肩を押されて、夏油の唇が離れる。

 

はっ……と短い息が零れた。

 

そんな凛花を見下ろしながら、夏油がくすっと笑みを零し、そっと凛花の唇を指で拭う。

そしてそのまま、ぺろっとその指を舐めたのだ。

 

「……っ」

 

その仕草は妙に色気を含んでいて……つい見惚れてしまう程だった。

だが、はっと気付いた様に慌てて我に返ると、慌てて視線を逸らす。

 

そんな凛花に、夏油はくすっと笑みを零しながら、にっこりと微笑んで見せた。

そして、耳元に唇を寄せると――ぺろっと耳を舐めたのだ。

 

「ぁ……っ」

 

これには凛花も驚きを隠せず……耳を押さえて真っ赤になった。

そんな凛花の様子にふっと笑みを零しながら、耳元で囁く様にして夏油は言った。

 

「――私は悟よりも上手いだろう?」

 

その声色は何処か楽しげで、悪魔の囁きの様にも聞こえた。

と、その時だった。

 

「凛花! 傑!」

 

向こうの通りの方から、五条が翔ってきた。

どうやら、凛花と夏油を見失って慌てて飛んできたらしい。

 

そんな五条に、凛花は思わずほっと息を零した。

 

だが、安心したのも束の間。

凛花と夏油の様子を見ると、五条が表情を険しくした。

 

「傑、凛花に何をした」

 

そんな五条の様子を見て、くすっと笑みを零したのは……意外にも夏油の方だった。

彼は微笑むと、ぱっ と凛花を追い詰めていた手を壁から離した。

 

「何も? 凛花ちゃんが倒れそうになってたから支えただけだよ」

 

そう言って、いつもの微笑みを浮かべる。

だが、五条の表情は崩れない。

それどころか、夏油に詰め寄る様にして声を荒らげたのだ。

 

「嘘を付くな! オマエ、わざと凛花に――っ!!」

 

だが、最後まで言う前に、すっと夏油が五条の前に手を出して言葉を止めた。

そしてそのまま言葉を続ける。

 

「悟。まさかとは思うけど……私が酔った彼女に手を出したとでも?」

 

「……」

 

「だとしたら心外だね」

 

そんなやり取りをした後、夏油はにっこりと微笑んで見せると……唐突に凛花の腰に腕を回してきたのだ。

 

「え……っ」

 

ぎょっとしたのは、凛花で……。

だが、抵抗する間もなく ぐいっと引き寄せられたかと思うと、ちゅっと頬に口付けを落とされたのだ。

 

これには流石の五条も唖然とするしかなく……怒りが一瞬吹き飛んだ。

だが、すぐに怒りを露わにし、夏油に掴み掛かろうとする。

 

「オマエ――っ!!」

 

五条のその声に、凛花がはっとして慌てて五条の腕にしがみ付いた。

 

「悟さん……っ、駄目っ!!」

 

「凛花……っ!?」

 

五条が、突然止めに入ってきた凛花に驚くが、凛花は構わず必死に五条の腕にしがみ付きながら、首を横に振った。

 

「――お願い……やめて下さい……っ!!」

 

そんな凛花の様子に一瞬 五条が戸惑いを見せるが、すぐに怒りの色を浮かべた。

だが、そんな五条に凛花が必死に訴えかける。

 

「お願い……ですから……っ。喧嘩、しない……で……」

 

瞬間、ぐらりと視界が揺れた。

 

「凛花(ちゃん)!?」

 

五条と夏油の声が木霊する。

凛花はそのまま五条の胸になだれ込む様に、意識を手放したのだった――。

 

 

 

 

 

   ****    ****

 

 

 

 

 

遠くで、誰かの声が聞こえる。

凛花がふと目を覚ますと、そこは見覚えのあるベッドの上だった。

五条の所有するマンションの1つだ。

 

私……どうしたんだったかしら……。

 

未だぼんやりとする頭を押さえ、思い出そうとするが、上手く思い出せない。

確か……飲み会に誘われて、それで悟さんと夏油さんが……。

 

「……」

 

そこまで考えてはっとした。

そうだ、2人が喧嘩しそうになって、止めないといけないと思った瞬間、急に頭がくらくらしてきて――。

 

と、その時だった。

寝室のドアが がちゃっと開いて、五条と夏油が話しながら入ってきた。

 

「あ、悟さん……に、夏油さん……」

 

凛花の声に、五条がはっとして駆け寄ってくる。

 

「凛花! 良かった、目が覚めたんだな」

 

そう言って、ぎゅっと強く抱き締められた。

突然の抱擁に、凛花が一瞬戸惑いの色を見せる。

 

「あ、あの……? 私は……」

 

「凛花ちゃん、飲み会で倒れたんだよ。覚えてるかい?」

 

「……あ……」

 

夏油の言葉に、凛花が思い出した様な表情を浮かべる。

 

「あの、私……どうして……此処に……?」

 

「悟がね、近くの自分のマンションまで抱えて運んでくれたんだよ」

 

と夏油が説明してくれた。

そんな話を聞いている間にも、五条の抱き締める力が強くなってくる。

まるで離さないと言わんばかりだった。

 

心配……を掛けてしまったのだろうか。

なんだか、申し訳ない気持ちになる。

 

そんな五条の様子に、凛花は戸惑いながらもそっと彼の背に手を回した。

そして、軽く五条の胸に頭を預ける。

 

「悟さん……、その、ごめんなさい……」

 

そう謝罪をする。

 

抱き締めてくれる、五条の体温が酷く心地良い……。

そんな風に思っている時だった。

 

ふいに、そんな凛花の身体を、抱き締める五条の手に力が籠められた。

そして――。

 

「……た」

 

「え……?」

 

「心配、した……」

 

あ……。

 

小さく零れた五条の声音に、凛花は唇を噛み締める。

確かにそうだ。

あのまま喧嘩が進んでいたとしたら……下手をすれば大怪我を負っていた可能性もある。

 

そんな凛花の様子に気付いたのだろう。

夏油が、凛花の傍までやって来ると、彼女の頭を優しく撫でた。

 

五条の手も、夏油の手も優しくて、なんだか凛花は泣きそうになった。

そんな凛花に気付いてか、五条がくすっと笑った。

 

「馬鹿凛花、そんな顔するな。オマエに泣かれたら俺が困る」

 

そう言って、優しく凛花の涙を手で拭う。

すると、夏油が反対側に座ってそっと、凛花の髪をまた撫でた。

 

「凛花ちゃん。悟はね、君が心配で心配で仕方なかったんだ。だから、そんな風に謝ったりしちゃいけないよ」

 

「傑……オマエ……」

 

五条の声には聞こえない振りをして、夏油が続ける。

 

「確かに喧嘩はいけない事だけど……今回の事は仕方ないと私は思うな」

 

そう言って、にっこりと微笑んで見せる。

そんな夏油に、凛花が首を傾げながら問いかけた。

 

「……どうしてですか?」

 

すると、夏油が楽しげな笑みを浮かべて言った。

 

「あの時、大分悟は溜まってたからね、発散させる必要があったんだ。悟が本気で暴れたら、多分あの店なんて半壊じゃ済まないだろうし、このマンションだって例外じゃない。それどころか街なんて跡形もなく消えてるよ」

 

そう言って、そっと凛花の頬を撫でる。

ひんやりとした指先が、なんだか心地良い。

 

すると、そんな凛花の反応に満足したのか、夏油がにっこりと微笑んで見せた。

そして――ちゅっと軽く頬に口付けを落としたのだ。

 

え……

 

一瞬何が起きたのか分からず……凛花が固まった。

 

そんな凛花の様子を見て、五条がそのままぎゅっと後ろから抱き締めてくると……そっと首筋に顔を埋めてきた。

 

「ん……っ」

 

その感触に、思わずびくっと身体が震える。

だが、2人はお構いなしで、ちゅっと首筋に何度も口付けを落とし始めたのだ。

 

「あ、の……っ、ぁ……」

 

その度にぞくぞくとした感覚が背を走る。

首筋に唇が触れる度に、その甘い痺れに身体が震えた。

そんな凛花の様子を窺いながら、楽しそうに五条が笑う。

 

彼は、ふっと吐息を漏らしながら、首筋をゆっくりと舐め上げてきた。

その舌の感触が首筋を伝う。

 

同時にぞくっとしたものが背中を駆け抜けていったのが分かった。

 

思わず身を捩るが、2人は逃してくれないらしい。

そのまま更に強く抱き締めてくる。

 

「や……っ、やめ……」

 

「……凛花」

 

「凛花ちゃん……」

 

耳元で囁く様にして五条と夏油に名を呼ばれる。

その声が妙に色っぽかったものだから……ぞくぞくとしたものを感じ、思わずぎゅっと目を瞑ってしまった。

そんな凛花の様子に、2人はくすくすと笑いながら更に強く抱き付いてくる。

 

「あ、あの……っ」

 

堪らず、凛花が言葉を発しようとした時だった。

不意に「凛花」と五条の名を呼ばれたかと思うと、そのままぐいっと後ろに手を回されたかと思うと、唇を重ねられた。

 

「……っ、さと……ぁ……」

 

そのまま、角度を変えて何度も重ねられる。

その度に、凛花の甘い声が零れた。

 

堪らず、凛花が五条の服を掴むと、それで気分を良くしたのか、優しく髪を撫でられた。

 

「凛花、もっと口開けて」

 

「え……」

 

段々、深くなる口付けに 頭がぼんやりしてきて、考えが上手くまとまらない。

そうしている内に、上を向かされたかと思うと、そのまま五条の舌が凛花の唇を割って入ってきた。

 

「……んっ、ふ、ぁ……っ、さと、る……さ……っ」

 

逃れようとする凛花の舌を搦め捕る様に、五条の舌が巧みに動く。

徐々に、思考が麻痺していくのが分かる。

くらくらしてきて、何も考えられなくなっていく。

 

それでも、五条は深く深く――まるで凛花の全てを奪うかのように口付けを繰り返してきた。

その間も、夏油が後ろから凛花の首筋に顔を埋め、口付けてくる

そして、その手が休むことなく凛花の身体に触れてきていた。

 

腰から徐々に下がっていく夏油の手の感触が、くすぐったくて仕方ない。

ぞくぞくとした甘い痺れが背中を駆け抜けていった。

 

「ま、待って下さ……お2人共……っ。急に、こんな……っ、ぁ……」

 

そんな2人の様子に堪らず抗議の声を上げるが、2人は止まらなかった。

それどころか、更に強く抱き寄せられ、口付けを繰り返される。

 

五条からの口付けに必死に応えていると、ふとした瞬間に、後ろから顎に夏油の手が伸びてきた。

そして、

 

「……悟。私にも少しぐらい譲ってくれてもいいんじゃないかな?」

 

「え……なに、を――んんっ」

 

そう言われたかと思った瞬間、今度は夏油に唇を塞がれた。

夏油のまさかの行動に、凛花の肩がびくんっと揺れる。

 

「げと、さ……っ、ん……ぁ……は、ン……」

 

押しのけようとするが、上手く手に力が入らない。

 

その間も、夏油は凛花の唇を割り開くようにして舌を差し入れてきた。

その口付けは、五条とは違い、酷く優しく、まるで慈しむかのような優しいキスだった。

だが、それだけではない。

 

「ン……っ、ぁ……ふ、ぁ……っ」

 

彼は凛花の口内を優しく舌でなぞると……ゆっくりと舌を絡めてきたのだ。

その感覚に、ぞくっとしたものが背を走るのが分かった。

 

そんな2人の様子に苛立ったのか、五条の動きが更に激しさを増した

 

息つく間もない程の夏油からの激しい口付けに、凛花の意識が朦朧としてくるのが分かった。

だが、それでも容赦なく与えられる2人からの甘い刺激に、頭がおかしくなりそうになる。

 

まるで麻薬の様に……その快楽が凛花の身体を支配していくのが分かった。

もう何も考えられない。

 

ただ、目の前の2人の事しか考えられなくなっていた。

 

そんな時だった。

不意に、夏油の手が凛花の胸元へと伸びたのだ。

そして、服の上から優しく胸に触れてきたかと思うと……ゆっくりと揉みしだく様にして動かされる。

 

「……ぁ……っ」

 

その感覚に思わず身体が震えたのが分かった。

すると、今度は五条の手がスカートの中に入り込み……太腿を撫で回してきたのである。

 

「……っ、ぁ、ンン……っ」

 

その感触にまた身体が震えるが、2人は構わず行為を続けていく。

何度も口付けを繰り返しながら、何度も胸を優しく揉んでくる。

そんな2人の動きに、次第に凛花の思考回路が麻痺していくのが分かった。

 

「ま、待っ……、悟さ……、夏油、さ……んっ」

 

堪らず凛花が止めようとするが、2人は止まらなかった。

もう何が何だか分からなくる。

 

交互に繰り返される口付けに、凛花はもう気がおかしくなりそうだった。

 

五条からされたかと思うと、今度は夏油からされる。

ただ、ひたすらに与えられる快楽に、凛花の思考は蕩けていった。

 

次第に2人の動きが激しさを増す中……凛花は必死にその快感に耐え続けていた。

だが――限界は近い。

 

あまりの気持ちよさに頭が真っ白になっていくのが分かる。

もう何も考えられない。

いや、もう何も考えたくないのかもしれない。

 

そんな時だった。

 

ふとした瞬間だった。

2人の手が止まったのだ。

 

2人とも荒い息で乱れた呼吸を整えている様だった。

すると、同時に2人共、凛花の顔を覗き込んだ。

 

その瞳は熱を帯びており、どちらも酷く余裕のないものだった。

そんな2人に、凛花が声を掛ける。

 

「悟さん……。夏油さん……」

 

だが――それは普段とは全く違う色を帯びたもので……まるで誘うような口調だった事にすら……凛花は気付けなかった。

2人がそんな凛花の様子にごくりと喉を鳴らすと、そのまま再び彼女に口付けた。

 

「ん……っ、ぁ、はぁ……っ」

 

堪らず凛花が、声を洩らす。

 

「凛花……」

 

「……凛花ちゃん……」

 

甘く名を呼ばれ、再び2人からの口付けが繰り返される。

角度を変えながら、何度も、何度も――。

 

2人に求められる感覚に凛花はもう何も考えられなかった。

 

ただただ与えられる快楽に身を任せるしかない。

気付けば、2人の行為は更に激しさを増していた。

 

服の中に入り込んできた五条の手が胸を優しく揉みしだき、かと思えばその頂をきゅっと摘まれる。

 

「ん……っ、ぁ……ンん」

 

その刺激に思わず背が反り返ったのが分かった。

そんな凛花の反応を見てか、今度は夏油が反対の胸に顔を埋めてきたかと思うと、そのままその口で頂に吸い付いてきたのだ。

 

「ぁ……っ」

 

ぴくんっと、凛花の肩が震えた。

ぬるりとした舌が、敏感な突起を舐め上げる。

それだけで、また甘い痺れが全身に駆け巡っていくのが分かった。

 

そのまま、夏油の舌が巧みに動く。

頂をその舌で転がされたかと思うと、甘噛みされ、吸われる。

 

「……っ、ぁあ……っ」

 

その度に、凛花の身体がびくんっと跳ねた。

 

「凛花ちゃん、ここ、好きなんだね」

 

そう言われたかと思うと、今度はそのまま夏油が歯を立ててきた。

 

「ぁあっ、っ……っ」

 

思わず痛みを訴えると、今度は優しく舐め上げてくる。

緩急つけた動きに、凛花の思考がどんどん溶かされていった。

 

2人の与える快感に抗うことなど出来るはずもなく――。

もう、ただただ与えられるままに受け入れるしかなかったのである。

 

そんな時だった。

ふとした拍子に五条の唇が離れ――今度は夏油が唇を重ねてきたのだ。

 

「ん……っ、ふ、ぁ……」

 

そのまま口内を犯される感覚に身悶える。

その間も五条からの愛撫は止まなかった。

 

五条の舌が、凛花のもう片方の胸の頂を攻め始める。

空いた手でもう片方の胸も揉みしだきながら、その口で頂を転がしては吸い付いてきた。

 

「……っ、ぁん……っ」

 

その刺激に、堪らず凛花の唇から甘い吐息が零れた。

そんな凛花を見て、五条がくすっと笑う、

 

「可愛い、凛花」

 

五条のその言葉に、凛花が かぁっと頬を朱に染めていく。

 

「さと……ぁっ、だ、だめ……っ」

 

五条の頭を離そうとするが、身体に力が入らない。

そんな凛花を見て、今度は夏油がくすりと笑った。

 

だが、それだけでは終わらなかった。

今度は夏油の舌が口内に侵入してくるのが分かったのだ。

そのまま歯列をなぞられ、上顎を舐められ……そして舌を絡められる。

 

「……っ、ふ、ぁ……っ、ン……っ」

 

知らず、甘い声が洩れる

2人から与えられる快楽に、凛花はただ身を委ねるしかなかった。

 

何度も繰り返される激しい口付けと胸への愛撫で、もう何も考えられなくなる。

もう限界だった……。

 

だが、2人は容赦してくれない。

唇を離すと、今度は首筋に吸い付いてくる。

 

ちくりとした痛みが走ると同時に、凛花の首筋を赤い痕が彩っていく。

その感覚にすら感じてしまい、身体が震えた。

 

そんな様子に満足したのか、2人が再び競い合うかの様に交互に唇を重ねてくる。

 

「んん……っ、は、ぁ……ン……っ」

 

そのまま何度も角度を変えながら繰り返される口付けは、まるで麻薬の様に凛花の頭を麻痺させていくのが分かった。

 

「凛花――」

 

そして、何度目かの口付けの後、不意に名前を呼ばれ、凛花はゆっくりと顔を上げた。

目の前には、2人の熱っぽい視線が絡み合う。

 

「悟さ……ん……、夏油、さん……」

 

その熱に当てられたかの様に……凛花も熱を帯びた吐息を洩らした。

そんな凛花を見てか……2人はふっと笑みを浮かべると――そのまま再び唇を重ねてきたのである。

 

「ン……っ、は、ぁ……んん……っ」

 

何度も角度を変えながら繰り返されるそれはまるで貪る様なもので……息つく間もなく繰り返されるそれに、凛花の意識が朦朧としてくるのが分かった。

だが、それでも容赦なく与えられる口付けに凛花の思考は完全に蕩けてしまっていた。

 

やがて、満足したのか、2人の動きがようやく止まる。

唇が離れるのと同時に、どちらからともなく名残惜しそうな吐息が零れたのが分かった。

そんな様子に思わず笑みが零れてしまう。

 

だが、それも束の間だった。

すぐさま、五条と夏油の手が再び動き始めたのである。

 

その手は休むことなく、容赦なく凛花の身体を攻め立てていく。

前からは五条に、後ろからは夏油に攻められ、身体がどんどん疼いていく。

その刺激に、凛花の唇からは甘い吐息が零れ続けた。

 

五条が、凛花の胸にその顔を埋めると、そのまま舐め回していく。

そして、その頂を口と舌で弄び始めた。

 

同時に背後からは夏油が抱き付いてきて、スカートの中へと手を入れてきたかと思うと……太腿を撫でてくる。

その刺激に凛花の背筋がぞくっとしたものが駆け抜けたのが分かったのか……2人が同時にくすりと笑ったのが分かった。

 

そんな2人の行動に文句を言おうとするが、その前に五条から与えられる快感で何も考えられなくなってしまう。

 

「……ぁっ……、は、ぁ……ン……っ」

 

胸を強く吸い上げられ、舌先で転がされ……そして再び口に含まれる。

その刺激に凛花の身体が大きく跳ねた。

 

「凛花……すげえ、甘い」

 

そう言いながら、五条が凛花の胸を愛撫していく。

その刺激に堪らず凛花は腰を仰け反らせた。

 

「あぁ……っ!」

 

瞬間、目の前が真っ白になった気がした。

そして、そのまま力が抜けた様に、五条にもたれ掛かってぐったりとしてしまう。

どうやら軽く絶頂を迎えてしまったらしい。

 

凛花が、乱れた呼吸を繰り返しながら、五条にしがみ付く。

自分で支えられないのだ。

 

「凛花、平気?」

 

五条が優しくそう問いかけてくる。

凛花が何とか こくりと頷くと、五条は微かに笑みを浮かべ、

 

「……無理なら言えよ」

 

そう言ったかと思うと、今度はスカートの中に手を入れ、下着の上から凛花の秘部に触れてきたのだ。

 

「は、ぁんン――っ」

 

瞬間、その強い刺激に凛花がびくんと背を反らせる。

思わず悲鳴じみた声が上がるのを堪えられなかった。

 

そんな様子に気を良くしたのか、五条の手が割れ目をなぞる様に、更に激しく動かされるのが分かった。

その度に、くちゅくちゅという濡れた音が響いてくる。

 

凛花は、必死に五条の背に手を回してしがみ付いた。

 

もうすっかりそこは濡れそぼってしまっているらしく……。

それが分かった途端、羞恥で顔が熱くなるのが分かったが……もうどうする事も出来なかった。

そんな凛花に追い打ちを掛けるかの様に、五条の手が下着の中へと侵入してきたのだ。

そして、そのまま直接秘部を触られていく。

 

「あぁ……っ、は……ぁ……っンン」

 

堪らず、凛花が声を上げると、五条が嬉しそうに笑った。

そのまま割れ目に沿って上下に動かされたかと思うと、今度は陰核を摘まれる。

その瞬間、凛花の身体が大きく跳ねた。

 

そんな反応を楽しむかの様に、何度も同じ場所を擦られ……その度に強い快感が全身を襲ってくる。

その刺激に耐え切れず、凛花が身体を捩らせるが……五条の手からは逃れられない。

それどころか、更に強く刺激を与えられてしまい――また絶頂を迎えてしまったのが分かった。

 

びくんっと、凛花の身体が震えた。

 

しかし、それだけではなかった。

その刺激にびくびくと身体を震わせていると……今度は夏油の手が反対側から伸びてきたのだ。

そして、そのまま胸を鷲掴みにされる。

 

五条同様、大きな手で包み込まれるように触れられ……強く揉まれ始めたのである。

 

「……ぁあ、ゃ……んっ」

 

すると途端に胸の先端が硬くなっていくのが分かった。

それを見逃さず、夏油の指先がその先端を摘まみ上げると、くりくりと弄び始める。

 

「あぁ……っ、あ……っ、ンン……っ」

 

その強い刺激に堪らず声を上げると、更に執拗に攻め立てられていくのが分かった。

 

胸に与えられる刺激と秘部をなぞられる快楽が相まって、頭がおかしくなりそうだった。

そんな凛花の反応を楽しむかのように、2人の手が容赦なく動き続ける。

その激しい愛撫にもう何も考えられなくなる程の快楽を与えられて……凛花はただひたすら喘ぎ続けた。

 

もう何も考えられない程に感じてしまう自分が居る事に驚きながらも……それ以上に与えられるその刺激に、堪らず腰を仰け反らせるが、2人から与えられる快楽からは逃れる事は出来なかった。

それどころか……どんどんと身体の熱が増していくのを感じていたのである。

そして――ついにその時が訪れた。

 

五条の指先が凛花の秘裂を割り開くようにして、中へと侵入してきたのである。

 

「……ぁ……っ、さと、る、さ……っ、は、ぁあ……ンん……っ!」

 

そのままゆっくりと奥まで指を突き入れられると、それだけで軽く達してしまいそうになる程の快楽に襲われた。

だが、それでも2人の手は止まらない。

 

それどころか更に激しくなる一方だった。

2本の指で膣内を掻き回され……同時に陰核も弄られていく。

その強い刺激に凛花の口からはひっきりなしに甘い声が漏れ続けた。

 

もう限界だった……。

そして――その瞬間が訪れたのはすぐの事だった。

びくんっと凛花の身体が痙攣し……次の瞬間には絶頂を迎えていた。

 

だが、それでも2人の手は止まらなかった。

それどころか更に激しくなる一方である。

 

「ぁあ……っ、ゃ……だめぇえ……っ!」

 

五条と夏油の指先が、それぞれ別の動きで凛花の弱い部分を責め立ててきたのである。

そして同時に与えられる快楽に、凛花はただ身悶えるしかなかったのだ。

 

五条に2本の指で膣内を掻き回されながら、同時に陰核を摘まれ、引っ張られる。

夏油には胸を激しく揉みしだかれながら、その頂を指先で弾かれた。

その度に強い快楽が全身を駆け巡り、凛花はただ喘ぐしかなかった。

 

2人の愛撫は激しさを増していく一方で、凛花の限界も近付いていた。

だが、それでも2人は手を止めようとしない。

 

それどころか……より一層強く責め立ててきたのである。

そして――何度目かの絶頂を迎えた後……ようやく五条と夏油の手が離れていったのが分かった。

 

2人が離れると同時に、支えを失った凛花の体がその場に崩れ落ちていくのを、五条と夏油が優しく抱き止める。

もう――何も考えられない……ただ与えられる快楽に身を任せるしかなかったのである。

 

全身汗だくで、呼吸も荒い。

そんな凛花の髪を優しく梳きながら、五条が言った。

 

「凛花……悪い。可愛すぎて我慢できなかった」

 

「……ん……」

 

返事をするのも億劫な凛花がこくりと小さく首を縦に振る。

そんな様子にくすりと笑みを零しながら、夏油が口を開いた。

 

「次は私だね」

 

すると、今度は夏油がベッドに腰掛けると、そのまま凛花を自分の上に座らせる様な形で抱き寄せたのである。

 

「ほら……もっと寄りかかって良いよ」

 

そう言いながら、優しく背中をさすってくる。

そんな夏油の行動に、思わず笑みを零しそうになりながらも……凛花は素直にその肩に寄りかかった。

 

すると、それを合図にしたかのように、今度は背後から五条の腕が回されてくるのが分かった。

そして、そのまま後ろからぎゅっと抱きしめられる。

 

その温もりに安心感を覚えながら、凛花はそっと目を閉じた。

このままずっとこうしていたいとさえ思ってしまう程に心地好い気分だったのである。

 

だが……そんな思考は一気に吹き飛んでしまう事となる。

 

2人が同時に動き出したかと思うと、そのままスカートに手を掛けられて、ボタンを外されたのだ。

するりと、巻いていたスカートがはだけると、凛花の脚が露になった。

 

「あ……」

 

瞬間、一気に恥かしさが込み上げてくる。

凛花が慌てて脚を閉じようとしたが、脚の間に割って入ってきた夏油の身体によって遮られてしまう。

そして、そのまま膝をぐっと開かれると、凛花の一番恥ずかしい部分が露になった。

 

「ぁ……、待っ……」

 

一気に込み上げてくる羞恥心に耐えられず、凛花が顔を真っ赤に染め上げたまま視線を逸らす。

そんな様子にくすりと笑いながらも……五条と夏油が更に追い打ちをかけてきた。

 

最初に動いたのは夏油だった。

夏油の顔が秘部に近づいたかと思うと――直接そのまま割れ目をぺろりと舐められたのである。

 

「ああ……っ!」

 

その瞬間、凛花の身体が大きく跳ね上がった。

そして、そのまま何度も舐め回され、その度に強い快感が襲ってくる。

 

「あ、ぁっ……あ、や、っ……だ、めぇ……っ」

 

その刺激に堪らず、凛花は悲鳴を上げた。

瞬間、今まで感じた事の無いような刺激に襲われて、腰がびくんと跳ねる。

それでも、夏油はやめてくれなかった。

 

それどころか、もっと刺激するように舌先で敏感な部分を突いてくる。

ぴちゃぴちゃと聞こえてくる水音と、秘部を舐められる強い快感で頭がくらくらとさえしてきた。

 

「……ぁ……っ、はぁ……ンンっ……あ、あぁ……っ」

 

何度も刺激されて、ひくつくそこに夏油の舌が侵入したかと思うと、膣内を探る様に動かされる。

そして、ある一点を掠めた瞬間、全身に電流の様なものが駆け抜けるのが分かった。

 

「ぁあ……っ、は、ぁン……っ!」

 

思わず甲高い声を上げてしまう。

 

そんな凛花の反応に気を良くしたのか、今度はそこを重点的に責められた。

その度に、びくんびくんと身体が痙攣し……頭の中が真っ白になっていくのを感じる。

 

もう何も考えられない……ただ与えられる快楽に身を任せるしかなかったのである。

やがて、絶頂を迎えた凛花がぐったりとした様子で夏油に寄りかかると、今度は背後から五条の手が伸びてきた。

 

そして背後から回されていた腕が解かれると――。

 

「凛花、こっち見て」

 

甘くそう呼ばれたかと思うと、そのまま唇を重ねられた。

それと同時に、五条の舌が凛花の唇を割って入ってくる。

 

「ンン……っ、ふ、ぁ……っ」

 

くちゅ……と、淫らな音が部屋の中に響いた。

 

「……ぁ、ん……っ」

 

舌が絡み合い、お互いの唾液が混ざり合う。

その間も、五条の手は休むことなく動き続けていた。

 

背後から回されていた両手が、ゆっくりと胸を鷲掴みにされたかと思うとそのまま揉みしだき始めたのだ。

 

「ん……っ、ぁ……は、ぁ……ゃ……ぁあ……っ」

 

その強い刺激に堪らず身を捩る。

 

五条には、口付けをされたまま胸を弄ばれ、夏油には、秘部を舌で攻められ、もう凛花は限界だった。

同時に与えられる快楽に……もう何も考えられなくなってしまう。

 

2人から与えられる快楽に翻弄されながら……それでも必死に声を抑えようとするのだが、どうしても漏れてしまうのが恥ずかしくて堪らない。

 

これ以上されたら――どうにかなってしまいそう……。

 

そう思うのに、止めないで欲しいと思う自分もいて、混乱しそうになる。

と、その時だった。

 

「傑」

 

ふいに、五条が夏油を呼んだ。

すると、夏油は小さく頷き、

 

「じゃぁ、凛花ちゃん。そろそろいいかな?」

 

「え……?」

 

言われた意味が分からず、凛花がうつろな瞳で夏油を見る。

すると、夏油がにっこりと微笑んで、

 

「私も、そろそろ限界なんだ――君の中に入りたい」

 

そう言われたかと思った瞬間――そのまま一気に奥まで突き上げられたのである。

 

「あぁ……っ!」

 

あまりの衝撃に目の前が真っ白になる。

先程までの愛撫ですっかり解れていたそこは、難なく夏油のものを受け入れてしまった。

 

と、同時に五条の舌が胸の突起を摘まみ上げてきたかと思うと……そのまま強く引っ張られた。

 

「ぁ……ンん……っ!」

 

その瞬間、凛花の口からは悲鳴にも似た嬌声が零れた。

そして――そのまま激しく抽挿が始まったのである。

 

一瞬何が起こったのか分からず放心状態になっていると――今度は下から激しく突き上げられる様な感覚に襲われた。

 

「凛花ちゃん……力、抜いて……っ」

 

夏油のその言葉に、凛花が小さくかぶりを振った。

 

「そ……事、言われて、も……っ」

 

今まで経験した事の無いぐらいの圧迫感に、息が詰まりそうになる。

だが、それでも容赦なく下からの突き上げは続いた。

 

「ゃ……だ、めぇ……っ、動い、ちゃ……っ、ぁあ……っ」

 

その度に強い刺激に襲われて、頭がどうにかなりそうだった。

もう何も考えられない……ただ与えられる快楽に翻弄されるしかなかった。

 

2人から与えられる快楽に、凛花はもう抗う事など出来ず、それでも必死に耐えようとするのだが、そんな凛花の反応を楽しむかのように2人は更に追い打ちをかけてくる。

ぐちゅっという音と共に、何度も奥を突かれる度に強い快感に襲われて……もう何も考えられなくなる程だった。

 

だが、それでもまだ終わりではなかったのである。

今度は五条と夏油が同時に動き出したかと思うと……同時に陰核を摘まれてしまったのである。

 

「ンン……っ」

 

2人の手が別々の動きで凛花の弱い部分を責め立ててくる。

その強い刺激に堪らず、凛花は身体を大きく仰け反らせた。

 

それでも2人の手は止まらない。

それどころかより一層激しくなる一方だった。

 

そして遂に……その瞬間が訪れる事になる。

 

2人から与えられる快楽に耐え切れず、凛花が絶頂を迎えようとした瞬間――五条と夏油が同時に動きを止めたのである。

瞬間、凛花の身体がびくんと跳ねる。

 

そんな様子にくすくすと笑いながらも、五条と夏油は再び抽挿を開始したのだ。

 

「あ、あぁ……ン……っ、は、ぁ……待っ……ぁあ……っ」

 

2人同時に動かれると、それぞれ違う動きで責め立てられ……。

それがまた刺激となり、更に強い快楽を生み出す事となった。

 

そして、一際大きく最奥を突き上げられたかと思うと、膣内が激しく痙攣したのが分かった。

と同時に、凛花の身体が大きく跳ね上がる。

膣内がぎゅっと収縮したかと思うと、身体の中に夏油の熱いものが注がれたのを感じたのだった。

 

一瞬にして、意識が飛びそうになる。

が、後ろから伸びてきた五条の手が凛花を捕らえると、そのまま貪る様に唇を奪われた。

 

「凛花……っ」

 

求めてくる様な五条の声に、凛花がぴくんっと肩を震わす。

そして、そのまま舌が絡み合い、歯列をなぞられ、甘噛みされると、全身が痺れる様な感覚に襲われた。

 

「……ふ、ぁ……っ、ン……っ」

 

何度も角度を変えながら繰り返されるそれは、息つく間もなく、凛花は意識が朦朧としてくるのが分かった。

それでも構わず続けられる口付けに、次第に頭の中が真っ白になっていくのを感じる。

と、その時だった。

 

「凛花――俺も、もう限界……」

 

瞬間、どさっとベッドに押し倒されたかと思うと、五条にのし掛かられるのが分かった。

そして、そのまま一気に最奥まで貫かれたのである。

 

「あ……っ!」

 

今までとは比べものにならない程の質量と圧迫感に、一瞬息が出来なくなる。

だが、それも束の間だった。

そんな凛花の様子に、五条は止めるつもりなど無いらしく……すぐに激しい抽挿が開始され、何度も何度も最奥を突き上げられる。

 

「……ぁあ……っ! 動かな……っ、は、ぁ……ン、ああ……っ!」

 

何度も何度も繰り返される抽挿に、凛花が悲鳴を上げた。

 

しかもそれだけではなかったのである。

不意に五条の手が伸びてくると、そのまま胸を鷲掴みにされたかと思うと強く引っ張られたのである。

 

その所為で更に身体が密着し、結合が深くなる。

 

「……ぁあ……っ、ン……っ」

 

そんな刺激にも凛花は、ただ翻弄されるしかなく、何度も絶頂を迎えそうになっていた。

 

だが、それでも2人の動きが止む事は無かった。

むしろどんどん激しさを増していっているようにすら思える。

その証拠に、五条も夏油も息が上がり始めていたのだ。

 

もう何が何だか分からなかった。

与えられる快楽に身を任せるしかなく……ただひたすら喘ぐことしか出来なかった。

 

「凛花……っ」

 

やがて、限界を迎えたのか……五条の動きが更に激しさを増す。

それと同時に、凛花の身体にも大きな波の様なものが押し寄せてきたのが分かった。

そして――ついにその瞬間が訪れたのである。

 

熱い飛沫が最奥で迸り、膣内を満たしていく感覚に、凛花は大きく仰け反った。

2人から同時に与えられた快楽に抗う事が出来ず……そのまま絶頂を迎えたのであった。

 

だが、それだけでは終わらなかった。

五条のものを挿れられたまま、今度は後ろから夏油のもので何度も突き上げられたのである。

 

「ぁああ……っ! や……、だ、めえぇ!!」

 

そんな強烈な刺激に目の前がチカチカしたのが分かった。

子宮口まで犯す様な激しい動きに、凛花の口から悲鳴じみた声が上がる。

 

それでも、2人の動きは止まらなかった。

それどころか更に激しさを増して、凛花を攻め立てる。

その強すぎる快楽に、凛花はもう何も考えられなくなっていた。

 

ただ与えられる快楽に翻弄されるしかない……そんな状態だったのである。

 

2人から与えられる強い刺激に耐え切れず、凛花が絶頂を迎えようとした瞬間だった。

突然、五条と夏油のものが引き抜かれたかと思うと……今度は2人のものが同時に挿入されたのである。

 

「ぁ……っ、や、ぁあ……っ!」

 

同時に挿入されたそれが膣内を押し広げていき、圧迫感に凛花が悲鳴を上げる。

だが、それでも2人の動きは止まる事は無かった。

2本同時に抽挿を繰り返され、更には陰核まで一緒に弄られてしまい……もう限界だった。

 

そしてそのまま交互に抽挿が始まったのだった。

今までとは比べものにならない程の質量と圧迫感に、一瞬意識が飛びそうになる。

だが、それでも2人は動きを止めるどころか激しさを増したのである。

 

「……ぁ、ああ……っ、は、ぁ……ゃ……だ、めぇ……っ、も、もう……っ」

 

息つく暇もなく何度も抽挿され続けて……凛花の限界が近かった。

そして――次の瞬間には2人同時に熱い飛沫が注がれたのである。

その熱さに、またも絶頂を迎えてしまったのであった。

 

もう何も考えられない程の強い快感に襲われて、意識が遠のいていくのが分かる……そのまま気を失ってしまいそうになるが……だがそれは許されなかったのである。

 

「凛花、まだ……だから」

 

「凛花ちゃん、もう少し頑張って」

 

そう言われたかと思うと、2人は達したのを確認した後、再び抽挿を開始したのである。

しかも今度は前からも後ろからも同時に。

 

「あ、ぁあ……っ、ゃ……んっ、ああ……っ」

 

あまりの激しい責め立てに、凛花が悲鳴じみた声を上げるが、2人は止めるつもりなど無かった。

それどころか、交互に違う角度で挿入され、何度も何度も突き上げられる。

そして、そのまま何度も絶頂を迎えたのであった。

 

休む間もなく与えられる快感に抗う術など無く、凛花はただ翻弄されるしかなかったのである。

 

もう何がなんだか分からない……ただただ与えられる快楽に身を任せるしか無かった。

そして――何度目か分からない絶頂を迎えた凛花が、意識を失うと同時に、五条と夏油もまたほぼ同時に達していたのだった。

2人の熱いものを受け入れながら、凛花は遠のく意識の中、五条と夏油の顔を見た気が、した――。

 

 

やがて、どれくらいの時間が経っただろうか。

その後、何度も絶頂を迎えさせられて、意識が朦朧としてきた頃になってようやく2人から解放された時には、既に凛花の身体は限界だった。

 

ぐったりとした様子でベッドに横たわったまま、肩で息をしていると、そんな凛花の身体を労わるように五条と夏油が優しく髪を撫でてくれる。

だが、それに反応する気力すら残っていなかったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……」

 

遠くから鳥の囀りが聞こえる。

凛花がゆっくりと目を覚ますと、そこは見覚えのあるベッドの中だった。

 

「……わた、し……」

 

身体が酷く重く感じる。

はっきりしない意識を何とか覚醒させようと、凛花は頭を押さながら起き上がろうとした。

瞬間――。

 

不意に両サイドから伸びてきた手が、凛花を絡め取った。

そして、そのまま再びベッドへどさっと倒れこむ。

 

「凛花、おはよう。俺を置いてどこ行くつもりだよ」

 

「おはよう、凛花ちゃん。よく眠れたかな」

 

そう、左右から声が聞こえてきて、凛花は五条と夏油に挟まれている事に気付いた。

瞬間、昨夜の事が思い出されて、凛花は顔を真っ赤にすると慌てて布団をかぶった。

 

「凛花?」

 

突然、布団を頭からかぶった凛花に、五条がくすっと笑いながら撫でてくる。

すると、反対の夏油も笑いながら凛花の髪を撫でてきた。

 

だが、凛花はそれ所では無かった。

昨夜、この2人に抱かれてしまったという事を思い出すだけで、顔から火が出そうだった。

恥かしすぎて、逃げれるものなら逃げてしまいたい衝動に駆られる。

 

しかし、そんな事をしてもこの2人から、逃れる事など出来ないのは分かっているから、凛花は早々に諦めるしかなかったのである。

と、その時だった。

 

ふと、五条と夏油が顔を見合わせたかと思うと……そのまま同時に凛花へと視線を向けてきて、

 

「凛花……もしかして昨日の事、思い出してんの?」

 

「え……」

 

五条にそう言われた瞬間、昨夜の事が次々と脳裏に蘇ってくる。

そして――。

2人にどう抱かれたかも思い出してしまい……凛花は耳まで真っ赤にすると、再び頭から布団をかぶる。

だが、それはすぐに五条の手によって引き剥がされてしまい……そのまま顔を覗き込まれた。

 

そして、今度は夏油によって背後から抱き締められてしまい……もう逃げ場など無い事を思い知らされたのだった。

 

そんな凛花の様子を見て、2人がくすっと笑う。

それが悔しくて恥ずかしくて……凛花が思わず俯いてしまうと、不意に五条と夏油に顎を捉えられたかと思うと……そのまま上を向かされてしまった。

 

そして――唇が塞がれたのだった。

 

それが五条のものなのか、はたまた夏油のものなのかは分からなかったが……それでも抵抗はしなかった。

 

そして、そんな様子を楽しそうに見つめていたのは――果たしてどちらだっただろか……。

それも、今となってはもう――分からない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バリバリ、サンドです! 最強サンド~🤣

結構、無理くり持っていったので、ご了承下さいw

元ネタは、ついったー君の「飲み会」の話

 

 

2024.03.31