スノーホワイト
~Imperial force~
◆ Mein Herz verlangt nach Dir.
―――エリオスタワー・カンファレンスルーム
その日、近々行われる「リーグ・オブ・ミリオン」――通称【LOM】についての会議が行われていた。
【LOM】――それは、ヒーロー同士が行う『模擬戦』、ランキングを競う『公式戦』の2種類がある。その他に『イベント戦』もあり、毎月何かしらの【LOM】が開催されている。そして、この【LOM】で「リーグポイント」を獲得出来るのだ。
【LOM】は、ニュー・ミリオンの市民達も観戦を楽しみにしており、試合の様子はネットでも配信されるほどの人気である。
ブラッドは、サウスのメンターであると同時に、13期のルーキーの「チームワーク研修プログラム」のメンター統括も担っていた。また、13期のヒーロー達の着任間もない司令のフォローも行っている。
常に、会議 会議の連続で、忙しい事この上なかった。
アリスはというと、今期はメンターにはならなかった。前期メンターをした時に、ある問題が発生し、それ以降メンター補佐という形で、全体のフォローを行っているのだ。
ざっくり言うと、多忙なブラッドのフォローや司令への伝達。そして、各13期のセクターメンバーのフォローが主な職務となる。
勿論、珍しい女性ヒーローでもあるので、ヒーローとしても職務もこなしていた。
「では、本日の会議はここまでとする。【LOM】まであまり時間がない、各自準備を怠らない様に」
そう言って、ブラッドが資料を持って席を立つ。それを見て、ブラッドの後ろの席で議事録を付けていたアリスはモニターを閉じた。そして、全員がカンファレンスルームを出たのを確認した後、一応後片付けをする。
と、いっても言うほど散らかっている訳でもなく、それに、研究部のノヴァ・サマーフィールド博士が作った、AIロボット・ジャック02がいるので、掃除をするという、概念があまりなかった。せいぜい、簡単に片す程度だ。
「後は……、一応ブラインド閉めておこうかしら」
そう言って、窓の一部に設置してあるブラインドの開閉ボタンを押す。実際の所、ニュー・ミリオンのセントラルスクエアの中心にある、『HELIOS』が建設した、世界一の超高層ビルであり、100階以上あるこのエリオスタワーは、はっきり言って、外から中を見られることはない。
低階層は、市民にも公開されている施設ばかりである。そして、100階よりも上の中高階層に、ヒーローの居住区や、各部門の区域があるのだ。つまり、かなりの高度を飛ばない限り覗き見する事など、不可能に近いのである。窓ガラス自体も、強化・遮光ガラスだし、中の物が日焼けする心配もない。
なので、100階より上の区域にカーテンや、ブラインドなどはあまり意味を成さないのだ。強いて言えば、眠る時の遮光遮断など程度だろう。後は……着替える時などの、気分の問題だろう。
一通り片づけを終えて、アリスがカンファレンスルームのドアを出てロックを掛けようとした時だった。
「アリス」
不意に、誰かに呼ばれ振り返ると、そこにはブラッドが立っていた。一瞬、最初にカンファレンスルームを出た筈のブラッドが何故ここに? と、アリスが首を傾げる。
「……どうかされました? 何か忘れ物でも――」
「忘れ物……そう、だな」
「?」
ブラッドにしては珍しく、歯切れの悪いその言葉に、アリスがますます首を傾げる。すると、ブラッドの手がアリスの方に伸びてきたかと思うと、何故かそのままぐいっと手を引かれた。
「え、あ、あの……?」
そして、そのままロックをまだしていなかったカンファレンスルームの中に、連れ込まれてしまったのだ。ブラッドが部屋に入るなりそのままドアのロックを掛けてしまう。
しかも、それだけではなかった。ブラッドは有無を言わさず、アリスの手を引いたまま、窓際の方に歩き出したのだ。
訳が分からないのは、アリスだ。そして、気が付けば窓際に追いやられていた。背中に、先程閉めたブラインドが当たる。
「ブ、ブラッド……さん……?」
ち、近い……っ。
果てしなく、ブラッドが近く感じた。
ブラッドはそのルビーの瞳を一度だけ瞬かせると、すっとその長い指をアリスのキャラメルブロンドの髪に絡めた。ぴくっと、アリスが肩を震わす。知らず、顔が紅潮していくのが分かる。
「あ、ああ、あの……」
どうしてよいのか分からず、アリスが堪らずそのライトグリーンの瞳をぎゅっと閉じた。瞬間――。
え……?
ブラッドの唇が、アリスの唇に触れていた。一瞬、アリスは何が起きたのか理解出来なかった。
い、ま……私……。ブラッドさんに、キスされ――。
そう思った瞬間、ブラッドのルビーの瞳と目が合った。「アリス……」と、囁くように名を呼ばれたかと思うと、再び彼の唇が重なって来た。
「……ん……っ」
ブラッドの舌がアリスの唇を割って入って来ると、そのまま彼女の舌を絡めとった。
「んっ……ぁ……ブラ、ッドさ……っ」
角度を変えて幾度も唇を重ねられ、その度にアリスは驚いて無意識に逃げ腰になってしまう。だが、ブラッドは逃がさないとばかりに、片腕でアリスの腰を抱き寄せた。そして、もう片手でアリスの頬を包み込み固定する。
ブラッドはアリスが抵抗出来ない様にする為、片手でアリスの顔を包み込むと、自分の方に引き寄せて唇を奪っていく。何度も繰り返されるそれに、次第にアリスは、自身の身体から力が抜けて行くのが分かった。
「アリス――」
甘く名を呼ばれると、頭がどんどん麻痺していく。何も考えられなくなっていく――。堪らず、アリスがブラッドの制服を掴むと、それで気分をよくしたのか、ブラッドからの口付けが、更に深くなっていった。
ブラッドは、そのままアリスの身体を窓に寄り掛からせる様にすると、何度も角度を変えてその唇を奪い続けたのだ。
――やがて、アリスが完全に抵抗する力をなくし、ブラッドに支えられなければ立っていられないほどになった頃、漸く彼の唇が離れて行った。
朧気な意識の中、アリスがブラッドを見る。心なしか、そのルビーの瞳が優しく微笑んでいる様に見えた。
「ブラッ、ドさ……ん……?」
アリスが何とか言葉を紡ぐ。
だが――。
未だ腰を抱いたままの彼の腕はそのままで……更にはもう片方の腕はアリスの後頭部に回され、まるで逃がさないとばかりに固定されていた。
そして、再び唇を塞がれてしまう。
アリスは、もう抵抗などする力もなく、されるがままにされていた。
暫くブラッドは、まるで味わうかの様にアリスの唇を何度も啄ばみ始めた。そして、漸く解放されると……そっと優しく後頭部を支えていた手が外される。
「アリス」
「……は、い……」
「すまない……」
そう謝罪されたかと思うと、そのままぐいっと腰を掻き抱かれた。そして、気が付けば、アリスはブラッドに抱き締められる形となっていたのだ。一瞬、アリスが身を強張らせる。だが――。
その身体からふっと力が抜けた。そして、アリスはそのままおずおずとブラッドの背中に手を回すと、きゅっと制服を掴みしがみ付いたのだった。
そんなアリスの行動に気が付いたブラッドは、彼女を抱き締めている腕に更に力を込めると、再びアリスの唇を塞いだ。
「んん……っ、ぁ……は、ぁ……っ」
先程よりも強く深く口付けられ、時折角度を変えながら貪られる。それでも最初の様な強引さはなく……まるで恋人同士の様な口付けだった。
それからどれ程経っただろうか。ゆっくりと、ブラッドがアリスを解放すると、そっと彼女の唇に触れるだけの口付けを落とした。そして、そのまま、視線を合わせて来る。
そのルビーの瞳に見つめられていると……アリスは、もう何も考えられなくなってしまいそうだった。
「ブラッドさ……ん……」
「アリス……」
ブラッドがアリスの名を呼ぶ。そして、再びゆっくりと近付いてくると……優しくその唇が触れた。
「……ん……っ」
軽く触れるだけの口付けをした後、そっとそれは離れていった。それに対し、アリスが少し名残惜しそうにブラッドを見つめた後、今度は自分からブラッドにしがみ付いた。そして、彼の胸に顔を埋める様にして、ぎゅっと抱き付く。
そんなアリスの行動に、ブラッドは一瞬目を見張ったが、すぐにふっと優し気に微笑むと、彼女の身体を抱き締め返したのだった。
暖かい……。
ブラッドの体温を直に感じ、アリスの頬がピンク色に染まる。アリスがおずおずと顔を上げると、そこには優しく微笑むブラッドの顔があった。
あ……。
そう思った瞬間、またもブラッドの顔が近づいてきたかと思うと――今度はアリスの首筋に唇を落とし始めたのだった。「え?」と思った時には、既に遅く、そのままブラッドの唇によって首筋をきつく吸われる。
「ん……っ」
ぴくんっと、アリスが身体を震わせた。しかしブラッドは、まるで自分のものだと主張するかの様に……強く、アリスの首筋に舌を這わせて、いたるところに痕を付けていったのだ。
それから暫くして、ブラッドは漸くアリスの首筋から唇を離すと、再びその華奢な身体を抱き寄せた。そして、そのまま耳元で囁く様に、
「ずっと……お前が欲しかった」
「……っ」
もしかしたら、それは独り言だったのかもしれない。だが――その言葉は、しっかりとアリスの耳に届いていた。
ブラッドの唇が、アリスの頬に優しく触れてくる。そして今度はその小さな耳たぶに口付けた後、甘噛みをしてきた。ふるっと、アリスが思わず身体を震わせる。
「アリス……」
そんな反応が可愛くて堪らないのか……ブラッドが甘くアリスの名を呼ぶと、そのまま耳の中にまで舌を這わせ、わざと音を立てながら舐め始めたのだ。
「……っ、ぁ……ん……」
くちゅりという音がダイレクトに耳に入ってくる。それに、先程からブラッドの熱い吐息も吹き掛けられ、アリスは堪らず甘い声を洩らした。
すると、ブラッドがゆっくりとアリスから離れていく。そして、そのまま彼女の身体を横抱きにすると、今度はその長い脚を折り曲げて、彼女をそこに座らせたのだ。
丁度、ブラッドの膝の上に座る様な格好になったアリスは、恥ずかしさのあまり顔を真っ赤に染め上げた。そんなアリスを見てブラッドがふっと微笑むと、再びその小さな唇に口付けを落としてくる。
ちゅ……っという音を立てて唇が離れると、まるで悪魔の囁きかの様に甘く、
「アリス……今、お前が欲しい。俺のものになってくれないだろうか」
「ぁ……」
そう囁かれた瞬間、アリスの頭からはもうブラッドの事しか考えられなくなってしまっていた。それを表すかのように、まるで彼の誘うままに……アリスは自ら唇を開くと、そのルビーの瞳を見つめ返して言ったのだ。
「ブラッド、さん……私……」
「……アリス」
「ずっと、貴方が……。貴方の事が……好き、なんです」
そう告白するや否や、今度はアリスからブラッドに口付ける。一瞬の触れるだけの口付け。自分でも、どれだけ恥ずかしい事をしているのか、自覚はある。けれども、せずにはいられなかった。
アリスが、恥かしそうに顔を真っ赤に染め、上目遣いでブラッドを見る。そして、
「その……、わ、私を――貴方のものに、していただけますか……?」
勇気を出して、そう口にする。すると、ブラッドが一瞬驚いたかのようにそのルビーの瞳を見開くが、次の瞬間には、優しげに微笑んだ。
「ああ――」
ブラッドの返事を聞き届けた後、アリスはそっと目を閉じた。それを合図にしたかの様に、ブラッドは再びアリスに口付けると、そのままその唇を塞いだのだ。
「……っ、ぁ……」
そして、ブラッドの片手がアリスの胸元に触れたかと思うと、そのままぷつりと音がして、ボタンを外される感触がした。同時に唇も離され、ゆっくりと目を開けると、いつの間にか自身の上着のボタンが全て外されていたのが分かった。
「あ……っ」と思った時にはもう遅く――。そのまま、するりとシャツの中に手を入れられたかと思うと、下着越しに胸を触られた。
瞬間、アリスの身体がびくんと跳ねる。だが、ブラッドは構わずに、その下着を上にずらすと、直接彼女の胸を揉み始めたのだ。
「……ぁ……ん、ブ、ブラッドさ……っ」
恥ずかしい……。ブラッドに胸を触られているのだと、そう意識しただけでアリスは堪らず顔を真っ赤に染めた。だが、ブラッドの手は止まる事なく、そのままゆっくりと動き続ける。直に触られ、アリスが堪らず甘い声を上げた。
ブラッドの指によって形を変えられる度に、アリスの身体がぴくんっと反応する。それが面白いのか、ブラッドは執拗にそこばかりを攻め続けた。
やがて――。
ぷっくりと起ち上がり始めていた胸の突起を摘まれると、そのままくりくりと弄られ始める。
「ぁあ……ん……っ、は……ぁ……っ」
ブラッドが指を動かす度に、アリスの口から甘い声が洩れる。そして、次第にそこばかりを弄られ、それに耐え切れなくなったのか、アリスがブラッドにしがみ付いた。
それを了承の合図だと感じたのだろう。ブラッドの手がゆっくりと下に降りて行くと、アリスの太股に触れてきたのだ。そして、そのままゆっくりと撫で上げられる。
「……ん、ぁ……あ……っ」
ぞくぞくと、何とも言えない感覚に襲われた。まるで、全身が性感帯になったかの様だ。ブラッドに触れられている所が、熱い……。
アリスは堪らずに身を捩った。だが、ブラッドはそれを許さず、更に強く彼女の身体を抱き締めたのだ。
「ブ、ブラッドさ……っ」
「大丈夫だ、アリス」
アリスを安心させるかのように、ブラッドが優しくそう囁いてくれる。そして、彼の大きな手がアリスのスカートの中にまで入ってくるのに、時間は掛からなかった。そのまま、下着の上から秘部に触れられる。
「ぁ……っ」
ぴくんっと、アリスが身体を震わせた。既にそこは愛液で濡れてしまっていたのだろう。ブラッドの手が触れた瞬間、くちゅりと小さな水音がしたのだ。それに気付いたのか、ブラッドがふっと笑う気配がする。そして――。
しゅるっと音がして、ブラッドがネクタイを外した。そこから覗く首筋から鎖骨までのラインが酷く官能的で、アリスが頬を赤く染め上る。
そんなアリスに気付きつつも、ブラッドはアリスの耳元に口付けを落とした。そして、そのまま舌で耳朶を舐ると、その形をなぞる様に唇を滑らせていく。
「……ん、ぁ……はぁ……っ、ぁあ……っ」
びくびくと、アリスの身体が過敏に反応する。その間も、ブラッドの手は止まらずに動き続けていた。下着越しに何度もそこを擦られ、更には花弁を押し開くかの様にして指を動かされる。その度にくちゅくちゅと水音が響き、アリスは羞恥で堪らなくなった。
だが、それと同時に――。
もっと触って欲しいという欲求が頭を過り始める。そんな自分が浅ましくて嫌になるが、もうどうしようもなかった。
ブラッドはそんなアリスの葛藤を知って知らでか、今度は彼女の耳朶に口付けると、そのまま耳の中にまで舌を差し入れてきたのだ。
そして――次の瞬間、ぬるりと耳の中を舐め上げられたかと思うと、そのままくちゅくちゅと音を立てられ、まるで脳髄まで犯されているかの様な錯覚に陥った。
同時に秘部を触られ続け、更には耳までも攻められている。その刺激に耐え切れず、アリスは甘い声を上げながら身体を大きく震わせた。
すると、次の瞬間――。
どくんっと、アリスの心臓が大きく脈打つと、そのまま彼女の身体から力が抜けていった。ブラッドがそれに気付いたのか、ゆっくりと唇を離すと、今度は優しく抱き締めてくれる。
その温もりを感じながら、アリスは荒い呼吸を繰り返していたのだが……。ふと視線を下に向けると、いつの間にかスカートがたくし上げられており、下着も太股辺りまで下げられていた事に気付く。そして更には、秘部を触られ続けたせいかブラッドの指はしっとりと濡れており、アリスの愛液が絡み付いていた。
「……っ」
その光景を見たアリスの顔が真っ赤に染まる。だが、それを気にする様子もなく、ブラッドが再び彼女の身体を抱き寄せたかと思うと、そのままゆっくりと口付けてきたのだ。
それはとても優しいもので――アリスはうっとりと瞳を閉じながら、それを受け入れたのだった。
そして暫くして唇を離すと、ブラッドはそっとアリスをデスクに寝かせる様にして押し倒す。そしてそのまま覆い被さると、再び唇を重ねたのだ。
今度は触れるだけの口付けではなく……深く、濃厚なものだった。ぬるりと舌が入り込み、それがアリスの口内を蹂躙する。
「……んっ……ぁ……ふ、ぁ……ブラッ、ドさ……」
歯列をなぞられ、上顎を舐められると、ぞくぞくとした感覚が背中を走り抜けた。そのまま舌を絡め取られれば、もうそれだけで頭が真っ白になってしまう程だ。
やがてブラッドがゆっくりと唇を離すと、二人の間に銀糸が伸びていった。それをアリスがぼんやりと眺めていると――今度は首筋を強く吸われる。
その刺激にも感じてしまいそうになるが、何とか耐えた。しかし、ブラッドはそのまま鎖骨まで降りて来ると、そこにも強く吸い付いたのだ。
ちゅ……っと音がして離れると、そこには赤い痕がくっきりと残っていた。ブラッドが、それを満足げに見つめると、今度は胸元へと移動していく。
そして、その先端を口に含むと、まるで飴玉を転がすかの様にして愛撫し始めたのだ。
「ぁあ……っ、は、ぁ……ゃぁ、ん……っ」
彼の舌に絡められ、堪らずアリスが声を上げた。だが、ブラッドにより、もう片方の乳房を手で揉まれたり摘ままれたりと弄られ続け、アリスの口からは絶えず甘い声が上がった。
「ぁ……っ、は、ぁあ……っ」
「アリス……可愛いな。あまり、俺を煽らないでくれ」
ブラッドが耳元でそう囁く。それだけでも感じてしまいそうになるのに、彼はそのまま耳の中にまで舌を差し入れて来たではないか。くちゅくちゅという音がダイレクトに脳髄に響く。
同時に秘部にも指を入れられ、くゅくちゅっと激しく動かされる。その刺激に耐え切れず、アリスは身体を大きく震わせた。
そして次の瞬間――。びくびくっと、アリスが全身を大きく震わせたかと思うと、そのままぐったりとしてしまった。どうやら絶頂に達したらしい。だが、ブラッドはそんな彼女を休ませる事なく、更に激しく攻め立てていったのだ。
指を3本に増やし、ばらばらに動かしたり抜き差しを繰り返したりと繰り返す内に、やがてアリスの中は蕩けきっていき……愛液が溢れ出てくる程になっていた。それを掬い取るかの様にして指に絡めると、今度は花芽の方に持って行き、優しく撫で上げる様に触れたのだ。その瞬間――。
「ああ……っ」
アリスがびくんと大きく身体を震わせたかと思うと、再び絶頂を迎えたのだと分かった。だが、それでもブラッドの愛撫が止まる事はなかった。寧ろ更に激しさを増していき……。
くちゅくちゅっという、厭らしい音が部屋中に響き渡る。それと同時にアリスの口からも甘い声がひっきりなしに上がるのだが、最早それを気にする余裕すらない程だった。
しかし、ここでようやくブラッドの手の動きが止まったかと思ったら、今度は両脚を大きく左右に開かされた。ブラッドのまさかの行動に、羞恥のあまりアリスが慌てて脚を閉じようとするが、それは叶わなかった。
ブラッドが、そのまま自身の身体を間に割り込ませてきたのだ。そして秘部に熱いものが押し当てられる感覚に、アリスがぎくりと、顔を強張らせる。それが何か分かった瞬間、アリスの顔が朱に染まったのだが……その直後には、一気に貫かれてしまっていたのだ。
「ああ……っ!!」
あまりの質量の大きさに息が詰まりそうになる。が、それを気遣ったのか、ブラッドが優しく抱き締めてくれた。その温もりを感じながらも、アリスは彼の背中にしがみ付いたまま何度も身体を震わせていた。だが、それも束の間の事だった。ブラッドがゆっくりと動き始める。
最初はゆっくりだったが、次第に速くなっていき、やがては激しく打ち付ける様なものへと変わっていった。
「ぁ、ああ……っ、ゃ……だ、だめぇええ……っ、ブラッドさ……、動い、ちゃ……っ、ぁあ……っ!」
ぱんっぱんっという音と共に、肌同士がぶつかり合う音が響き渡る中、二人の息遣いも荒くなっていった。
だが、不意にブラッドの動きが止まったかと思うと、ずるりと引き抜かれていったではないか。アリスがぼんやりとする頭で、ブラッドの方を見る。すると、彼は自身の膝の上にアリスを乗せたかと思うと、再び深く下から貫いてきたのだ。
「あ――っ!」
その衝撃に耐え切れずにアリスが悲鳴を上げる。ブラッドはふっと微笑むと、そのまま激しく何度も突き上げ始めた。
「ぁ……っ、あ、あ……や、ぁあ……っ、だめぇえ……っ」
アリスは必死に耐えようとするが、それは無駄な努力でしかなかった。寧ろ逆効果だったのか、ブラッドの動きに合わせて腰を動かしてしまう始末である。そんなアリスに気を良くしたのか、ブラッドの動きが更に激しさを増していった。
「アリス……っ」
ブラッドの切なそうな声が、響いてくる。そんな彼の声にすら感じてしまい、アリスが身体を大きく撓らせた。瞬間、乳房がぷるんっと揺れる。
その先端は既に硬く尖っており、まるで触って欲しいと主張しているかの様だった。そんな彼女を見てブラッドは目を細めると……片方ずつ手で包み込み、優しく揉みほぐしていったのだ。
感触を楽しむかのように揉まれると、それだけでも感じてしまうのか、アリスの口から甘い声が上がる。しかし、ブラッドはそれに構わずに、今度はその先端を口に含むと、音を立てて吸い付いてきたではないか。
その瞬間――アリスの身体に電流が流れたかのような衝撃が走った。そしてそのまま絶頂を迎えてしまったらしく、彼女の膣内が激しく痙攣し、それと同時にブラッドもまた欲望を解き放ったのだった。
どくんっと脈打つ感覚を感じ取りながらも、それでもまだ足りないとばかりに、ブラッドがアリスの身体を抱き締めたまま離さない。
だがそれも当然の事だろう。何しろ、一度で終わるとは到底思えなかったのだから……。
そして、予想通りと言うべきか――その後、何度も何度もブラッドに抱かれ続けたアリスは、そのまま意識を手放してしまったのだった。
2025.01.21