㭭ノ題 言葉の題

 

◆ 47:紡いだ言葉 / 密かな告白

 (エリオスR:『スノーホワイト』より:10期生&サウス)

 

 

  スノーホワイト2

 

 

 

 

【Chapter1-2】

 

 

――レッドサウスルーム

 

 

「あ~あ、耳まで真っ赤にして逃げちゃったよ・・・・・。 アリスも可愛いとこあるねぇ~」

 

と、さもどうでも良さそうにキースが頭をかきながらぼやいた

逆に、ディノはおろおろとしながら

 

「ぶ、ブラッド!! お、追わなくていのか!? アリス、行っちゃったぞ?!」

 

と、当事者であるブラッドにそう進言するが・・・・・・

ブラッドは、小さく息を吐くと

 

「構わん。 別に追う理由はない」

 

とだけ答え、そのまま 再びモニターの前に腰を下ろした

余りにも素っ気ないその態度に、思わずディノがむっとする

 

「でも、アリスはブラッドの為に軽食を用意してくれたんだろ?! そのサイドテーブルの!!それ、アリスの手作りだよな? ちゃんとお礼言ったか?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

一度だけ、ブラッドがその軽食の方を見るが、そのままモニターに視線を戻した

 

ブラッドのその態度に、ディノが ますます むっとして

 

「駄目だろ―――、ブラッド!! ラブアンドピースだぞ!!」

 

「いや、いまそのラブアンドピースは関係ないだろ・・・・・・」

 

と、すかさずキースが突っ込むが・・・・・・

 

「だって、このままじゃアリスが――――」

 

なおも言い募ろうとするディノをキースが「あーはいはい、そこまでね~」と、制した

 

「ブラッドは俺達と違って忙しいんだから、それぐらいにしてやれ・・・・・・。 ディノも、ブラッドの性格はわかってんだろ? こいつが、素直に礼を言うタマかよ」

 

そういって、キースが頭をかく

 

「むううううううう」

 

そう言われてしまっては、流石のディノも分かっているだけに反論できない

と、その時だった

 

「あの~~~」

 

ふいに、後ろの方から声が聴こえてきた

 

「ん? お、おお・・・・・お前ら、いたんだたな」

 

と、半分存在を忘れ去られていたウイルとアキラが居辛そうに こちらを見ていた

 

「先ほどの、女性は・・・・・・?」

 

と、少し遠慮がちに聞いてくるウィルとは裏腹に、アキラはというと

 

「なぁなぁ! さっきの女って、もしかしてもしかして、ブラッドの―――――!!!?」

 

と、こちらは好奇心以外感じられない

そんな両極端な二人を見たキースは「はぁ~~~~」と、超面倒くさそうに溜息を付き

 

「あ? あ~あいつ? あいつは――――」

 

そこまで言いかけた所で、ディノが案の定口を挟んできた

 

「キース! “あいつ”じゃないだろ? 彼女にはちゃんと“アリス・ティアリーズ”って名前があるんだから、ちゃんと名前で呼んでやれよ」

 

「あーはいはい、そうですね~」

 

と、面倒くさそうにキースが生半端な返事をする

 

「アリス・・・・・・?」

 

ウィルが何かに気付いたかのように、そう呟いた

それに、キースが「お?」と、反応する

 

「なんだ、勤勉だな~ウィルは。 アキラも少し見習ったほうがいいぞ~」

 

と、半分冗談めかしてそう言うが、当のアキラは聴いてもおらず

 

「ウィル? 知ってんのかよ?」

 

「知ってるっていうか・・・・・聞いた事があるだけだよ。 『HELIOSエリオス』の11期生に、“氷結の魔女”って呼ばれる、リリー教官の再来とも言われている女性ヒーローがいるって・・・・・・確か、その人の名前が――――」

 

「そう!!」

 

突然、ディノが大きな声で頷いた

 

「アリス・ティアリーズ。 それが彼女の名前だよ。 アリスの力は“エンドレススノーホワイト”っていって、雪を操ることが出来るんだ。 なんでもかんでも雪で凍らせちゃうから付いた呼び名が―――――」

 

「“氷結の魔女”・・・・・・? なんか、怒らせたら怖そうだな・・・・・・」

 

ごくりと、アキラが息を飲んだ

それを聞いた、キースがにやりと笑みを浮かべ

 

「お、鋭いな~アキラ。 あいつだけ・・は怒らせないほうが賢明だぞ~」

 

それを聞いた、アキラが「やっぱり!!」と青ざめる

 

「きっと、凍らさえてコレクションに飾られたりとか・・・・・・、二度と動けなくなるとか・・・・・・うあああああ、俺はいやだああああああ!!!」

 

「どんなイメージなんだよ・・・・・・アキラの中のアリスさんって・・・・・・」

 

「ん? 雪女?」

 

と、ウィルの問いにさくっと答えたものだから、キースが「ぶはっ!!」と、吹き出した

 

「あいつが、“雪女”! あはははは、こりゃぁ、一本取られたなぁ~!」

 

 

と、瞬間―――――――・・・・・・

 

 

 

 

 

ばんっ!!!!!

 

 

 

 

 

突如、部屋に響いた大きな音に、4人がびくっとする

恐る恐る、そちらを見ると―――――今にもぶち切れそうなブラッドが冷やかな目でこちらを見ていた

 

「・・・・・・ぶ、ブラッド・・・・?」

 

「―――――――れ」

 

「え?」

 

 

ギロッと、ブラッドがこちらを睨み―――――

 

 

 

 

 

 

 

「――――騒ぐのなら、余所でやれ」

 

 

 

 

 

 

 

それだけ言うと、ばたん!!! と、大きな音を立ててドアを閉めた

 

思いっきり廊下に放り出された4人はというと――――

 

「あ~あれは、怒ってるな・・・・・・」

 

「怒ってるね」

 

と、キースとディノ

 

「え? いや、確かに騒がしくしてしまった俺たちが悪いんですけど・・・・・・」

 

「つか、ここ俺らの部屋でもあるんだけど!!」

 

と、ウィルとアキラ

だが、キースは小さく首を振り

 

「いや、どっちかというと、怒ってるのは騒いでいた事じゃなくてだな・・・・・・」

 

「そーそー、どちらかというと、アリスの事をあれこれ言ってた事に・・・・・かな?」

 

と、ディノが苦笑いを浮かべていた

 

どうやら、アリス本人だけでなく

ブラッドにもこの件はタブーなのだと、ウィルとアキラが心に刻んだのは言うまでもなかったのだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢主本人、お休み(登場)の中あれこれ言われる始末wwww

次回は出るよ! たぶん?

 

そろそろ、フェイスだしたい・・・・・・

 

※元々、ぷらいべったーに掲載していたものです

 

 

べったー掲載:2021.03.09

本館掲載:2022.12.14